空白の叫び 上

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (582ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093797290

感想・レビュー・書評

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  • あっというまに読み終えました。
    先が気になってしょうがありません。

  • それぞれ環境が異なる14才が、殺人を犯す心情に反感を覚える反面、全く理解できない訳ではない。
    本当は、全く理解出来ないと思いたい、同じじゃないんだと思いたいけど、やっぱり自己の内にある暗い部分では理解できると思う。複雑。

  • 少年犯罪がテーマ。三人の少年のそれぞれが殺人を犯した理由、その過程。そして、その後を描く。想像はしていたけれど、やはり陰鬱。わーすごい、楽しい、という気分で読むものではないですね。

  • 育った環境や考え方も全然違う14歳の少年3人が共通の罪を犯してしまいます。
    そして彼らは出会います。

    半分ぐらいまではそれぞれの少年達の日常が描かれています。
    それぞれある人物に対して憎しみがわいてくるのですが、少年達の気持ちの表現の仕方がすごく細かくて上手!
    やっぱりこの人の作品はすごいです。
    嫌な気持ちや汚い気持ちを書くのがすごく上手です。

    上、下巻に分かれていると知ったのは借りて家についてから。
    下巻すぐに読みたいけど、貸し出し中じゃないかなぁ〜。。。
    続きがすごく気になります。
    分厚いけど面白くってイッキ読み。

  • <font color="#666666"><table style="width:75%;border:0;" border="0"><tr><td style="border:0;" valign="top" align="center"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093797293/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ec1.images-amazon.com/images/P/4093797293.01._SCMZZZZZZZ_.jpg" border="0" alt="空白の叫び 上"></a></td><td style="padding:0 0.4em;border:0;" valign="top"><a href="http://blog.fc2.com/goods/4093797293/yorimichikan-22" target="_blank"> 空白の叫び 上</a><br>貫井 徳郎 (2006/08/25)<br>小学館<br><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093797293/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"> この商品の詳細を見る</a></td></tr></table>
    <blockquote><p><strong>「普通の中学生」がなぜ殺人者になったのか

    久藤美也は自分の容姿や頭脳が凡庸なことを嫌悪している。
    頭脳は明晰、経済的にも容姿にも恵まれている葛城拓馬だが、決して奢ることもなく常に冷静で淡々としている。
    神原尚彦は両親との縁が薄く、自分の境遇を不公平と感じている。
    第一部ではこの3人の中学生が殺人者になるまでを、その内面を克明にたどりながら描く。
    その3人が同じ少年院に収容されて出会うのが第二部。過酷で陰湿な仕打ちで心が壊されていく中、3人の間には不思議な連帯感が生まれる。</strong></p></blockquote>
    <table style="width:75%;border:0;" border="0"><tr><td style="border:0;" valign="top" align="center"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093797307/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ec2.images-amazon.com/images/P/4093797307.01._SCMZZZZZZZ_.jpg" border="0" alt="空白の叫び 下"></a></td><td style="padding:0 0.4em;border:0;" valign="top"><a href="http://blog.fc2.com/goods/4093797307/yorimichikan-22" target="_blank"> 空白の叫び 下</a><br>貫井 徳郎 (2006/08/25)<br>小学館<br><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093797307/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"> この商品の詳細を見る</a></td></tr></table>
    <blockquote><p><strong>第三部。少年院を退院した彼らはそれぞれ自分の生活を取り戻そうとするが、周囲の目は冷たく、徐々に行き場をなくしていく。そして、再び3人が出会う日がくる。
    殺人者となった少年は更生できるのか。後悔はしていない。罪を償ったとも思っていない―再スタートを切った三人の挫折を鮮やかに描き出す新機軸ミステリー。</strong></p></blockquote>
    上巻で描かれる 殺人を犯すまでの三人の心の動き、そして 少年院の過酷さと狭いといえどもそこでも必要とされる処世術。それは、重苦しくはあるが まったく理解が及ばないというものでもない。それに比べ、下巻で彼らが選んだ行動はといえば、そこに行き着くまでの心の動きが いささか必然性に欠ける気がしないでもない。
    全編を通して何よりも感じたのは、彼らが自らを閉じてしまっているということである。それは犯罪を犯す前も後も同じように。どうせ解ってもらえないからと コミュニケーションを取ることさえ諦めてしまえば、そこにははじめから何の反応も起こりえないのである。
    また、少年たちに関わる大人たちの愚かさにも溜息を禁じ得ない。少年犯罪の原因をなにかひとつに特定することは不可能だろうが、周囲の大人の愚かさが無関係だとは到底思えない。誰もが他人事にしてはおけないことなのだと改めて思わされた。
    何も解決しないまま最後のページを読み終えて、ではどうすればよかったのかと問うてみても答えは容易には見つからない。</font>

  • 人を憎んだことがある。目の前から消え去れ、と何度思ったことか。殺人までには至らなかったが「幸い」というべきなのかもしれない。
    第一部では14歳の三人が殺人を犯した過程が、第二部では少年鑑別所での彼らの接点が描かれている。
    第一部では、何度も共感したし、同情したし、それゆえ、彼らが「殺人」をすることに対し理解してしまう自分が恐かった。
    第二部では、鑑別所ではこんなことが起こっているのかと、驚愕。
    あっという間に読み終えた。興奮している。さあ、これから図書館に「下」を借りに行くぞ。

  • 神村 母殺し。母は葛城の父の運転手、宗像の妻。父の愛人と宗像を結婚させる為に金で追い出した。
    祖母の葬式で自分を捨てた母と伯母が遺産の話で罵りあうのを目撃。伯母が
    付き合い始めた男に貢いでいる。男は
    母の差し金。母のマンションに忍び込み放火殺人。
    久遠 教師柏木を殺す。中学時代は虐めに合い、高校では逆の立場。産休教師にムカつき。仕返しで強姦する。逆に肉体関係を求められ離れられない。
    見合いの話が拗れる。気がつくと自分が教師に縛られている。首を締めた。
    事件は色情教師が教え子を誘惑。厳格に育てられた本人とは全く異なる報道をされ父親はすべてを失った。久遠を調べ増田の存在を知る。増田を利用。
    出所後、下山父の依頼で先輩の増田に監視されていた。
    葛城 宗像の息子英之を殺し。
    英之は父が宗像の妻に産ませた実の弟だった。継母の友人とベッドに入るが不能、それを言われ我を失う。部屋に戻ると英之が部屋にいて大事なプラモデルに触っている。激怒してしまい、ゴルフクラブを頭に振り落とす。
    腹違いの兄弟、瀬田に恨まれる。監視されていた。
    少年院で3人が会う。久遠と葛城は同じ部屋。二人の先輩と対立する久遠。
    婦女暴行殺人で蔑まれる久遠に興味を
    持つ葛城。殺した教師の父の教え子が看守で、常に因縁をつけられた。久遠が独房にいる間、葛城はフェラチオを強要されていた。壁に額をぶつけて医療病院へ移動。
    神村は黒沢出所後の野外作業時に襲われるが久遠に救われる。
    久遠は自宅で新聞配達。神村は伯母と別居。ぼろアパートで一人暮らし。
    葛城は高級マンションでプラモデル製作に励む。久遠の配達も邪魔される。
    昔の友人から銀行強盗を誘われる。葛城を誘う為に、女子高校生売春婦でつながった神村経由で連絡。3人で準備開始。人数不足の為、少年院時代の仲間を誘うが最終段階で切る。神村と葛城を監視する男の存在。久遠の仕事場に嫌がらせをする男が別人。
    提案した男の父の浮気発覚を恐れるのを利用し2億円強奪に成功。久遠の先輩,増田が現場に現れる。父親に会わされて一生恨み続けると言われた。
    写真を撮られた久遠は自首する。
    神村は、母の遺産を男にすべて貢いだのをブスだから結婚ができないと罵り自殺させた伯母からの手紙で出生の秘密を知る。GFのカヅネに電話するも出ない。葛城宅に金を撮りに行き、祖母伯母の墓に隠す。アパートに戻ると家が家捜しに合っていた。不安になり墓に行くと尾行していた黒沢に襲われ、金を奪われる。走って追いかけるが車に撥ねられ死亡。
    瀬田からすべてを奪いたいと言われ金を渡す。葛城は実家を訪ね父から、すべてを打ち明けられる。

  • 胸の中に巣食う瘴気にさいなまれる3人の中学生、久藤、神原、葛城。生き難いと感じる世の中で3人が犯す殺人という犯罪。その狂気と少年院での接触を描く上巻。胸がざわつきながらも少年達に引き込まれていった。

  • 14歳の3人の少年が、殺人を犯す。

    物語はその3人、
    学校の先生を殺してしまった久藤
    幼馴染を殺してしまった葛城
    母親を殺した神原
    の目線から語られる。

    この三人の心理描写、すごいです。
    作者は良くここまで・・・と思う。
    これだけで読む価値あると思う。

    久藤の思考回路なんて良く分からなかったし、
    冒頭から、こんな子供とは
    絶対に分かり合えないな・・・と
    思い若干の嫌悪感を持って読んでたけど、
    その久藤の内面を丹念に追っていくうち、
    すごくすごくかわいそうになってきたよ・・。
    ただ「怖かった」っていうのが
    すごく伝わった。

    葛城は葛城で、空白がすごくあった。
    把握して、律して自分では
    生きているつもりなんだろう、、
    けど、一瞬の自分にも把握不能な
    空白が・・あるんだなと思った。

    神原は・・文章を他の2人より幼く書いてる。
    この本の中では一番、
    内面の変わりようがすごかった。
    後半は幼い文体で、結構怖いこと、
    卑劣なことを言ってる・・・。
    他の2人が、自分の犯した罪について、
    その相手について、繰り返し考え
    自分の行動について思い返してるのに比べ、
    神原は自分は悪くない、一辺倒。

    神原は、計画的に自分の母親を
    殺してるんだよな・・・と思い、
    はたと思った。
    それはどういうことだ?


    下巻は下巻で更生しようとも
    そうはさせてもらえず、
    苦しむ彼らが出てきますが、
    3人以外の心理描写・行動は
    若干希薄な感じ??
    それは主人公以外だからまあいいのか??
    後半〜ラストもちょっと・・。


    でも、圧倒的な筆力です・・・
    面白かった!!!!!!!!!

  • まだまだ前哨戦。
    後半に期待。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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