- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863377
作品紹介・あらすじ
私には三人の兄がいる。兄は北朝鮮にいる。「帰国事業」で北朝鮮に渡っていった兄と私と「かぞく」の真実の物語。感涙のドキュメンタリー・ストーリー。
感想・レビュー・書評
-
「カメラを止めて書きます」の次に読了。
帰国事業によって日本を離れ北朝鮮に帰国した、著者の3人の兄の物語だ。それぞれに重い。
末の兄ケン兄の話の中で、北朝鮮である程度の地位を確立したケン兄(「中途半端なエリート」と著者は書く)の姿に読者として慄然とする。
国家と個人について、いやでも考えさせられる。
参考にしたwiki(覚書として)
・「在日朝鮮人の帰還事業」
・「平和条約国籍離脱者」内「日本のように単純に国籍を喪失させた措置は世界的には異例である」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実態がよく分からなくて、不気味で怖いと思っていた近くて遠い国。そこにも同じ人間が暮らし日々の営みがあり、笑いもある。愛しい家族もいる。
知らないことがほんとうにたくさんあって
またまだ知りたいことがあると知る。
ヤンヨンヒ監督の劇映画「かぞくのくに」と併せて読んでほしい一冊です。 -
2012年初版。映画は、かなり前に観ました。悲しく辛い内容ですが、涙は出ませんでした。著者の両親・3人の兄・そして本人のあまりにもリアルな内容に圧倒されてしまいます。近くて遠い国、北朝鮮。理解できない、どうしての連続。3人の兄のそれぞれの境遇、理不尽としか言いようがない。映画を再度観てみたくなりました。
-
大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/618092 -
身近なようでいてよく知らなかった在日朝鮮人や北朝鮮への帰国者の生活が描かれていて、映画もぜひ見たくなった。今、兄やその家族たちがどんな暮らしをしているのか、心配だ。北朝鮮への経済制裁が苦しめているのはこうした普通の人々の暮らしなのだろうと思うと、自分に何ができるのだろうと思った。
-
映画「かぞくのくに」を見てから、読みたかった原作がやっと読めました。
映画の題材となったのは3人の兄のうち、ひとりのエピソード。この本のほうが主人公の置かれた状況と、日本で暮らしているゆえの悩みがちゃんと描かれていて、より納得して読めました。
映画ももちろん感動的な作品でしたがどうしても主人公である妹が日本でぬくぬくと育っている苦労知らずに見えてしまって、特に大切なあるシーンでは、北から来た兄との温度差が絶望的に思えたのです。
この本(手記というべきでしょうか)を読んでそのシーンの本来の意味がわかったように思います。 -
映画『かぞくのくに』とあわせて読むことをおすすめします。帰国事業の背景については、さほど詳しく述べられていないので、辛淑玉『鬼哭啾啾』もあわせておすすめ。
それにしても、北朝鮮の実情が薄々伝わりかけていた時期になって、息子を3人とも「帰国」させるとは・・・これでは敗戦間近に学徒を動員して特攻させた軍国日本の時代と、まるで同じではないか。植民地支配をされた側が、支配者と同じような暴力体制をつくりあげてしまうとは、なんと皮肉なことだろう。国や政治の暴力がそのまま家族に刻まれてしまう残酷さ、それはかつても今も確かにあることを思い知らされる。 -
とても読みやすい文章。重い内容もさくさく読み進めてしまう。
朝鮮半島出身の人が、日本で、韓国で、北朝鮮で様々な立場に置かれていることをテレビや映画で得た知識でイメージしていた。
しかし、それはすこし違ったイメージだった。この本によってものすごく生活感あふれる、どこにあってもおかしくない家族の歴史として、胸に迫ってきた。
思想教育の恐ろしさ。日本の生活を知ったうえで帰国して同化していかなければやっていけない切なさ。お金や物を送ってあげることしかできない親の無念。
日本人に生まれた幸運を噛みしめずにはいられなかった。-
「日本人に生まれた幸運」
見えない近くの国でのコトが信じられない。悲しいコトです。
早くDVD借りて観なきゃ、、、「日本人に生まれた幸運」
見えない近くの国でのコトが信じられない。悲しいコトです。
早くDVD借りて観なきゃ、、、2013/09/06
-