波に乗る

  • 小学館
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本棚登録 : 149
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864015

感想・レビュー・書評

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  • 初めての"はらだみずき"なる著者の本で図書館でネーミングに惹かれ読む。親父の死、サーフィン、館山等々身近かな話題がおりまぜ"自分の人生が面白く無いなら何故、面白くしないのか?、他人に評価されようが、自分で納得しない人生なんて意味がない"の言葉が親子で伝え伝わり、自分の座右の銘共通じ、人生の人生を考える良い話だった。

  • 新卒で入った会社を一月で辞めた文哉のもとに、突然見知らぬ男から父が亡くなったという知らせが届く。数年疎遠にしていた父は、知らぬ土地で一人暮らしていた。その土地で父がどう暮らしていたのか…、文哉は次第にその足跡をたどるようになっていく。
    父を亡くしたどこかドライな兄妹が、身辺整理を進めるうちに、父が見つけていた「子の巣立ったあとの人生」に触れていく。そうしてだんだんと、自らの生きがいをも取り戻していく。
    そのひとつひとつのささやかな人とのふれあい、エピソードの積み重ねが丁寧で、過剰でなく自然に心温まるようなニュアンスなので、いきいきした海辺の光景とともにゆったりと引き込まれていきました。
    つまらない人生、となげく人は多くても、それをどうにかしてやろう、と生きている人は本当に少ない。そして面白くしてやろうと生きたひとの人生は、惹きつけられるほどに魅力的なもの。それを自然と証明してくれる、周りの人々の暖かさが素敵でした。
    ようやく一歩を踏み出そうとしている文哉が、ようやっと観ることのできた父と同じ風景。その静かでゆたかな風景は、あえて写真に撮って額縁に飾らずとも、彼の「面白い人生のはじまり」として彼のなかにずっと残り続けるんだろうな、と思えたのでした。

  • 入社一ヶ月で会社を辞めた主人公に父の死の知らせが届いたところからはじまる物語。
    離れて暮らしていた父のことがだんだんわかってきます。
    ちょっとお父さん、カッコ良すぎですが感動しました。

  • 関わり薄かった父が遺していったものを辿る息子

  • 読み始めてすぐに、このタイトルもあって物語の行く末が見え、実際に想像の範囲内で終了してしまったのが残念。女性の登場人物(姉と彼女)に魅力がないのも残念。海沿いの町での生活ぶりは面白く読んだし、読みやすかったのは良かったけれど、個人的には「あともう少し、何か」があれば、感動して読めたのにな。

  • 入社1ヶ月で会社を辞めた文哉のもとに、父の訃報の電話が来る。父が住んでいた見知らぬ土地へ行き、父の生き方、土地の魅力を知ることで自分の生き方を考えていく―。

    父の生前が分からない文哉と同じく、読んでいる方も何事?という感じで一気に読んだ。面白かった。

    「自分の人生がおもしろくないなら、なぜおもしろくしようとしないのか。他人にどんな評価されようが、自分で納得していない人生なんてまったく意味がない」という文哉の言葉を受けて動いた父。
    「なにかあったら、子供たちに知らせてほしい」、「そのときは東京で暮らしている息子に、まず連絡してほしい」ということこそが父の答えだった。

  • はらだみずきさん好きな作家さんです。自分を評価するのは、最終的には自分でしかない。人は思い立った時に行動しなければ、ズルズルと流される弱い生き物なのだ。わかる。文哉くんこれから幸せになってほしい。生きている。

  • もう会えなくなって、はじめて大切さに気づくの。

  • 新卒で入った会社を1ヶ月で辞めてしまい、途方に暮れている矢先に知った父の急死。

    千葉の海辺の町で暮らしていた父の生前の生き様を
    遺品整理のために何度も訪れていくうちに
    かつて知らなかった父の面影を見る。

    離婚後は仕事一筋だった父は
    本当は恋もしていたしサーフィンしたり地域の人たちに愛されていたんだ、なあと死んでからわかる身近な人の一面。

    冷えきった関係の美晴に気楽でいいよねと皮肉られたことにたいして
    気楽というか、楽をすることは悪いことじゃないだろ、って文哉がいうところがよかった。

    全体的に話が停滞気味というか、父のかつての生活もったいぶりすぎというか、無駄に長くて疲労)^o^(

  • いい話でした。もっと若い頃に出会いたかったです。もう少し父親自身が登場してくれてもいいのではないかと思いました。

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著者プロフィール

千葉県生まれ。商社、出版社勤務を経て作家に。二〇〇六年『サッカーボーイズ再会のグラウンド』でデビュー。「サッカーボーイズ」シリーズ、「海が見える家」シリーズの他に『帰宅部ボーイズ』『ようこそ、バー・ピノッキオへ』『会社員、夢を追う』『太陽と月サッカー・ドリーム』などの著書がある。

「2022年 『サッカーデイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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