- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093864336
感想・レビュー・書評
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すごい作品。
震える牛を超える衝撃で、読みながら自分の価値観が変わっていくような、ある意味怖い作品だった。
日本はこのままでいいのか…自分は何も知らずに安穏としていたのか、とやるせない気持ちで苦しくなった。
「世界で一番企業が活躍しやすい国とは、世界で一番労働者がこき使われる国である」という言葉が、堪えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一気読みでした。
仲野さんと、田川さんが人情味あふれるいい人で、とても辛く、悲しい結末でした。読んでみれば、普通の話ですが、そこここで今の日本の危うさを実感し、勉強になりました。 -
田川刑事が粒ほどの遺留品から犯人を特定していく流れはとても面白く、あっという間に読み終えた。宮古島から岩手までの動きもダイナミックで楽しかった。著者の次作が楽しみ。
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想像が及ばない
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この本が発売されてから8年もたっているのに、世の中の仕組みは全然変わっていない。派遣切り、大企業と政治家の癒着、日本社会にどっぷりと染みついた悪しき習慣が、労働者の賃金が上がらない理由であることは明白である。先日もとある自動車メーカが取引先企業に対して支払金額の減額を強制していたとのニュースがでたばかりである。何気ない政府の対策の裏にはこんな舞台裏が潜んでいたのかと思うと、消費者として猜疑心しか生まれない。昔は山崎豊子先生をはじめ、結構切り込んだテーマを得意とした作家が多くいたが、徹底した取材力が求められることもあり最近は少なくなってきたようで残念である。
相場先生には、是非今後も難しいテーマに挑戦していただきたい。 -
ドラマを見たので、話は分かってるだけど、それでも十分に読ませる文章力は素晴らしい。主人公の田川刑事にすごく魅力を感じる。推理小説とカテゴライズしたが、実際には社会小説で、現代日本の問題を物語の形で描いている。この話が出てから7年経つが同じ道を日本は歩いているなあ・・・ 孫たちの時代が心配
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やっぱり面白い。
きっと事件はその次で社会の中身が訴えたいことなんだろうな -
今まで考えた事もない派遣の実態や杜撰なデータ改ざんを取り上げて難しい用語はなく丁寧に説明されている。久々に真剣に考えて読んだ本。