ウズタマ

著者 :
  • 小学館
3.89
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本棚登録 : 622
感想 : 122
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864879

作品紹介・あらすじ

青春小説の旗手が挑む、アタラシイ家族小説

松宮周作(28歳)は、シングルマザーの紫織との結婚を前にしたある日、父親から見たこともない預金通帳を手渡される。父親の様子から、今までまったく知り得なかった人物が自分の為に大金を振り込んでいたことに感づいたが、親戚づきあいもない周作には全く心当たりがない。謎を知る唯一の人物、父親はその後脳梗塞で倒れ、昏睡状態のままだ。その人物が誰なのかを突きとめるうち、初めて、父親のこと、自身のことを全く知らなかった自分に気づき、愕然とする。
大金を自分のために用意した人物を探し始めたことにより、次々とわかっていく父親と自分の過去。そして、自分達親子が、25年前に起こったある傷害致死事件の被害者家族だとわかる。その被害者は、自分の母だった。そして、その加害者は、18歳の少年だった・・・・・・・。



【編集担当からのおすすめ情報】
ある一冊の通帳の話をしていたとき、血のつながり、家族、といった話題へと話はふくらみ、そこからこの小説は始まりました。とある一冊の通帳。そこには、過去だけではない<何か>で繋がっていたい、という熱い想いがあるのではないだろうか。色々なものが変化してきている現代、<家族>というものも、カタチを変えてきているのではないだろうか。
青春小説の旗手として、人気も実力も兼ね備えた著者が、今回は敢えて「青春小説ではない、新しいもの」に挑戦しました。旧くて新しい、イマの家族小説を、どうぞご堪能ください。

感想・レビュー・書評

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  • 『家族』になることの幸福や大切さを感じ優しさ溢れる雰囲気に染みました。泣きました。号泣しました。素敵な本に出会えました。

  • 表紙の感じからほんわか癒し系のお話かと思ってたけど、いきなり殺人事件の場面で少し戸惑う。

    昔あげたなんでも券をずっと大切に持っていてくれた皆瀬さんを思ったら、可哀想過ぎて、これが警察物の小説だったら、奥さんと皆瀬さんの不倫が怪しまれて、犯人は誰かの事を庇ってるに違いない!みたいな展開になるんだろなー、とか余計な事を考えたりしてしまったけど、まぁこれはこれで◎。


  • 2018読書メーターOF THE YEAR 1位

    星3.5
    「青春をクビになって」の方が、文章が素直で読みやすい感じがした。
    他の方も書いているように、偶発的な事故で微罪とかにならないんだろうか?母親と少年との不倫関係を捏造してまで、一生、罪を背負うなど考えられない。
    今は、ウズラの卵と野菜炒めが載ったサッポロ一番塩ラーメンを食べたい気持ちでいっぱい。
    表紙が好き。

  • いきなりのネタバレだとしたら大変申し訳ないけれど、ハッピーエンドでよかった❤️
    ホッとしたというのが、正直な感想です。

    法律よくわからないけど、過失みたいなことにはならなかったのかしら??
    わたしが浅はかすぎでしょうか?

    でも何はともあれよかった‼️

  • 家族

    預金通帳
    サッポロ一番塩
    ウズラの卵

    血のつながりとか関係ない家族の物語
    冒頭、「ミステリー?」と思いましたが、人と人とのつながりが描かれた泣ける話でした。

    幸せなクリスマスが訪れますように。

    図書館本

  • すごい、すごい、すごい小説を読んでしまいました。この題名を見た時、官能小説かと思ってしまった。違います。もうこれは純文学です。学校の先生を目指し、そして先生になってからの主人公の悪戦苦闘の日々を心苦しく読んでしまいました。こだまするほど言いたい、一気読み間違い無しの鳥肌小説、題名だけで判断してはいけない大傑作でした。

  •  分かりやすい文体で、あっという間に読める。時間はかけたくないけど、感動できるお話を探している方にお勧め。

     哀しい描写はあったが、読後感がとても良い。微笑ましさを感じつつ、泣ける。そんな家族の物語。

     血の繋がりを超越した家族の姿に感動し、野菜ラーメンが物語を優しく包んでいて、ほっこりする。

     ラストは、私的には意外な方向へお話が進んだので、心から安堵できた。

  • 登場人物の愛が溢れた作品。父子家庭で育った主人公が、家族にまつわる過去を探す。母に捨てられ養護施設で育った青年は家族との繋がりを心から欲し飢えていた。人との繋がり、血の繋がらない家族。人はみな、自分の知らないところで助け助けられ生きている。号泣作品でした。

  • 25年もの間、心を閉ざして愛息を育てた父の気持ちとそれに応えた青年の気持ちが最後に主人公に伝わるのが嬉しかった。きっと普通とは違い形での幸せな家庭が出来ると思う。

  • 二つの時間軸から紡がれる家族の物語。
    物語を読み終えると、本の表紙を飾る野菜のたっぷり入ったラーメン、1つだけのうずらの卵、全てに意味があり愛おしいものに感じた。
    家族の在り方や形とは、血のつながりだけでなくそれぞれの家庭によって違っていること。
    世間からは納得されなくても非難されても、
    大切にしたい「個」同士の集まりはもう家族だ。
    そして、テレビやネットで目にする、さまざまな事件やニュースには真実以外にも当事者しか分からないこともきっとあるってこと。
    本質をきちんと知ろうともせず、全てを鵜呑みにしてはいけない。

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著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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