伊都子妃は、最後の佐賀藩主鍋島直大の娘であり、梨本宮守正の妻であり、また朝鮮王国太子李ウンの妻として有名な梨本方子の母にあたる人物です。この経歴をみるだけでも「おぉ…」という感じなのですが、そんな彼女が残したのが膨大な日記。明治32年~昭和51年までほぼ毎日綴られたその日記を、解説付きで読めるのがこの本です。所々に史料を引用し解説・紹介するほか、写真が非常に多く、見ていて楽しい。個人的に、大正天皇絡みで興味をもって購入したわけですが、伊都子妃の娘婿李もまた、大正天皇とかかわりの深い人物だったというのも何だか感慨深い。