物語をものがたる 続―河合隼雄対談集

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093872171

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  • 《目次》
    「古事記」 神々と人間の壮大なロマン 田辺聖子
    「御伽草子」 開放的な時代の息吹き 今江祥智
    「有明けの別れ」 両性具有の美とエロス 中村真一郎
    「平中物語」 当世サラリーマンの処世訓 古橋信孝
    「宇津保物語」 作り物語のダイナミズム 高橋亨
    「雨月物語」 生と死の夢幻境 大庭みな子
    「源氏物語(I)」 紫式部の女人マンダラ A・ガッテン
    「源氏物語(II)」 愛と苦悩の果ての出家物語 瀬戸内寂聴
    「今昔物語(I)」 民衆を癒す処方箋 W・ラフルーア
    「今昔物語(II)」 現世は前世の報いの巻 佐竹昭広
    「浜松中納言物語」 夢と転生のファンタジー 永井和子
    「松浦宮物語」 歌人・定家の夢想譚 池田利夫

  • p73 ドイツ人にとっては、カントの『純粋理性批判』はエロティックな本なんでしょう。エロティスムの代表的なドイツ人の女優ディートリッヒが、一生の間、カント狂いだったのも、そう考えるとよくわかりますね。猥本は、ほんとにそれぞれの国の国民性を正直に表現する。
    p123 パッシブ・マスタリーというのは、自分がしないで人にさせるという意味で、いちばんいい方法は「すねる」というやつです。「私はどうせそんなものいらないんですよ」といってすねたら、みんなが持ってきてくれるわけです。そこで「いらないけれど、みなさんが持ってきたので食べるわ」というやり方です。
    p137 河合:僕はだいたい文学というものを、若いときにぜんぜん読まなかったけれど、『雨月物語』は読んでいるんですよ。
    p279 三島由紀夫は、「『豊饒の海』は「浜松中納言」を典拠とした夢と転生の物語である」とはっきり断言している。p287 三島さんも学習院高等科で直接、松尾先生の教えを受けていらっしゃいますし、『豊饒の海』には松尾先生の学問的情熱が響いているのじやないかなと思うくらいです。
    p310 つまり歌屋と歌屋でない者に分かれているのです。ですから歌屋の立場では、定家は最大のテーマの一つになるわけですが、歌屋は逆に定家の歌以外の研究を敬遠するところがあって、あまり正面切って扱わない。

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