- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093965521
作品紹介・あらすじ
『九十歳。何がめでたい』の待望の続刊!
2016年に発売した『九十歳。何がめでたい』は2017年の年間ベストセラー総合ランキング第1位になり、現在までに130万部を超えるベストセラーになりました。
本作は、あれから5年、時は平成から令和にうつり、今秋98歳になる佐藤愛子さんが断筆宣言をした「さようなら、みなさん」を収録する「最後のエッセイ集」となります。
タイトルは、1969年に発売され直木賞受賞作となった佐藤さんの小説『戦いすんで日が暮れて』の本歌取り。夫が作った莫大な借金をひとり背負い込んで奮闘する妻(=佐藤さん)の姿を活写し、愛子センセイが世に出るきっかけになった代表作のひとつです。
それから52年、自身の最後となる本エッセイ集のタイトルに『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』と付けたのは、借金は返済したけれど、人生の戦いはやまず、今も日も暮れていない――。愛子センセイが97年を生きて来た人生の実感です。愛子センセイがヘトヘトになりながら綴った、抱腹絶倒のエッセイ全21編をぜひご堪能ください。
【編集担当からのおすすめ情報】
『九十歳。何がめでたい』を読んでくださったたくさんの読者の皆さんに、こうして続編をお届けできることが何よりうれしいです。『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』に収録された21編のエッセイは、佐藤愛子さんが女性セブンに「毎日が天中殺」という連載名で綴ったもので、連載中から大きな反響があったものばかり。「毎日が天中殺」と思えるほどの出来事が、愛子節たっぷりに、ユーモラスに綴られています。
最後に掲載されている「さようなら、みなさん」は70年を超える作家人生に幕を下ろすことを宣言した一編です。いつまでも佐藤さんの文章に触れていたい身としては寂しい限りですが、その断筆宣言にも、痛快で爽快で、破れかぶれの愛子節は健在!ゲラゲラ笑えて元気がわく天下無双のエッセイ集。ぜひお手元に置いてたっぷりとご堪能ください。
同日発売で、文庫本『増補版 九十歳。何がめでたい』も発売します。こちらには、単行本に、佐藤さんのインタビューや旭日小綬章綬章時の記者会見の一問一答、冨士眞奈美さんとの対談、瀬戸内寂聴さんの解説などを追加。単行本をご購入頂いた方々にも楽しんで頂ける永久保存版となっています。 ぜひあわせてご覧ください。
感想・レビュー・書評
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書くのをやめたら死にますと、占い師や医師に告げられた。
「佐藤先生はだめだと思っていても私は毎回、ワクワクしながら読んでます」
と伝えたい。
断筆されたのだろうか・・・
同じものを見ても、どんなときも前向きにまっすぐ捉えられる心息が好きです。
つらいことがあったときに読みたい一冊です。
戦時中の、一瞬先は闇というか、切迫感と命を大切にしないといけないことが分かっていても、それができないむごさが伝わります。
戦争はしないで欲しい。
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「これでおしまい 我が老後」を67歳の時に書いてから、
「なんでこうなるの」
「だからこうなるの」
77歳「そして、こうなった」で、終わりにするつもりだったが、
「それからどうなる」
82歳「まだ生きている」と、続く。
ここで随分と長い老後だと感じ、もうやめるはずが85歳でまた書き出し、
「九十歳。何がめでたい」がベストセラーになる。
この「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」で断筆する決心をした。
断筆するにも、もっともらしい理由付けをしており、佐藤愛子さんらしさは最後まで失われていない。
老いてからの長い歳月を前向きに過ごすにはどうすればいいか。
そのコツをという質問のコメントを求められた佐藤愛子さん。
「前向きもヘッタクレもあるか!」というのが本音だがそうは答えられない。
目も耳も心臓も悪いし、血圧は高いし腰はヘナヘナ。
ただ声は大きくよくしゃべる「口だけ達者」なので元気そうに見えるだけだ。
老後のありようは「前向き」などではない。
成り行きにまかせ、死ぬ時がくるのを「待つともなしに待っている」という境地が理想である。
という佐藤愛子さんの最後のエッセイに本当になりそうです。 -
「九十歳。何がめでたい」に続き、佐藤愛子さんのエッセイは2冊目。
今回もガハハと笑わせてもらった。佐藤愛子さんの、スパっ、ズバっ!とした文章は読んでいて本当にスカっとする。戦中、戦後のお話でさえ、陰気臭くなく、それでいて真実を隠すことなく伝えてくれてるような気がしてとても好ましく思う。
社会でちょっと話題になっていることなども、佐藤愛子視点ではまた違う見方ができるのもおもしろい。
例えば、本書では、政治家森喜朗氏の「女性が多いと会議の進行に時間がかかる」発言が、女性蔑視だ!と叩かれた社会現象を、佐藤愛子さんは「これのどこが女性蔑視なん?ただ、「思ったこと」を口にしただけやん」と言い切る。
そこで、はたと私も思った。私も、報道を見た時点で、「森喜朗氏が、女性蔑視ともとれる発言をした」とすでに、「女性蔑視をしたこと」が既成事実として報道されていたから、そう思っただけで、これが、森喜朗氏が、「女性が多いと会議の進行に時間がかかる」と発言した場面だけを見聞きしただけだったら、果たして「女性蔑視だ!」と思ったかどうか。う~ん、自分の頭で考えていなかったことが佐藤愛子視点によって明るみに出た。
また、数年前の虐待事件にも触れていた。私自身、この事件は目黒区の事件と並んでたぶんこの先もずっと忘れられなくて、今でも思い出すと息苦しくなるほど辛かった事件なのだが、この事件を機に「しつけという名の体罰」に対する世間の目が厳しくなったことに対して、佐藤愛子氏は「その通りだ」とせず、「この親は変態だ。イジメ中毒だ。しつけと言い訳したことを真に受けて、そっちへ議論を持っていくな」と仰っておられる(私の解釈では)。私は、体罰禁止には賛成で、これは広まって欲しい認識だと思っているけれど、この佐藤愛子氏のバサッと加害者を切る物言いにスカっとした。
老いも若きも、ぜひ、佐藤愛子さんの文章にスカっとして欲しい(笑) -
前著「九十歳。何がめでたい」に続くエッセイ集。
本書をもって、断筆との事。
内容は前著同様、基本的にはぼやきや愚痴が多いので、読んでいるとちょっとしんどい。それでも、90歳後半でこれだけの文章がかけるのはさすが、と感心もした。
著者の小説は未読なので、それらについての内容はわからないが、エッセイとしては老後シリーズよりも、自身の超常現象体験を綴った、「冥途のお客」、「冥界からの電話」、や「私の遺言」の方が読みごたえがあった。
本書内では、著者は書かないと死ぬ、と医者に言われたらしく、本人もある程度それを自覚しているとの事なので、今回断筆宣言をしたが、100歳超えたらまたあたらしいエッセイが発表されるような気がする。 -
また10年後に読むと感想が変わりそう。
佐藤さんの強さに、元気をもらいました。
でも、最後の「さようなら、みなさん」は少し寂しかったな。 -
こんな元気な心の老後を送りたい…
と思いました。 -
98歳までは生きられないと思うし、生きたいとも思わないし、でも、死ぬまで元気で過ごしたい。
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しかし面白い!活力を貰いました。『九十歳〜』から更にパワーアップしています!結びに、筆を置くとありましたので、心配になって調べたところ、執筆再開していらっしゃるとのこと!ああよかった。いつまでもお元気で、これからも先生が日々感じたことを、お裾分けしてもらいたいです。
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本当に書くのをやめてしまったのだなと思うと、なんだか寂しい。
瀬戸内寂聴さんが亡くなって、お気を落としなんじゃないかと思いを馳せる。
ひと時の、怒り満載な感じはなくなっているけれど、
少しでも長生きしていただきたい。
本の感想じゃないけど。