逆説の日本史2 古代怨霊編(小学館文庫): 聖徳太子の称号の謎 (小学館文庫 R い- 1-2)
- 小学館 (1998年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094020021
作品紹介・あらすじ
なぜ聖徳太子に「徳」という称号が贈られたのか?そこには日本人特有の怨霊信仰との関わりが秘められていた。そのメカニズムを初めて白日のもとにさらしたベストセラーの文庫版刊行。 なぜ聖徳太子には「徳」という称号が贈られたのか? 『日本書紀』は天武天皇の正体を隠すために編纂された! 奈良の大仏は怨霊鎮魂のためのハイテク装置だった?!… など、日本人の「徳」の思想と怨霊信仰のメカニズムを解明する衝撃の推理。「井沢元彦は歴史という大海をたった一人で渡る冒険者なのだ。日本の歴史は井沢元彦を得たことでいっそう面白くなった」(高橋克彦氏解説より)。意想外の視点が日本史の死角に光をあてて大好評! 解説・高橋克彦。
感想・レビュー・書評
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学者ではアプローチできない方法で、歴史を紐解いていく。井沢さんの、本来はこうあるべきでは、という考察は、非常に納得のいくものです。
これとは対照的に、学術的な歴史考察のプロセスを見る機会があれば適切な比較ができるのではと思ってます。
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第1章は聖徳太子は怨霊化していたという話だと思う 正直長すぎてあまりピンとこなかった 「徳」という字は後世に徳があったと伝えることで怨霊鎮魂をしようとした話はなるほどと思った
第2章は天智系と天武系の考察は面白かったが、これも長すぎて… 全体に感じることだけど同じ主張が繰り返されていて読むのに労力がいる…
第3章は前の2章に比べて読みやすかった 天皇の系統?についての考察とかは面白く読んだ
第4章は小学校で習った奈良の大仏や平安京遷都について、独自の(?)怨霊信仰の観点から話を進めていて面白かった -
聖徳太子の名前とは。玉虫厨子が、捨身ストーリーを入れていること。そして国宝に捨身モチーフは他になく、日本では稀。また、徳という字を皇族の怨霊鎮魂にしているという帰納的な事実。
天武天皇が日本書紀を編纂するため、都合の良いように書いた可能性について。唐の遠交近攻から見えてくる、朝鮮半島との関係。外交、スパイ、そして天智天皇の死。
天平時代の呪い。大仏殿という鎮魂。
結局、この国では本来の仏教は魔改造されて怨霊鎮魂の方法になること。そして天智系の桓武天皇が呪われた奈良の都を捨てること -
教科書で習う日本史とはひと味違っていて面白い。
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著者の日本史シリーズ2作目。史料からだけでなく、怨霊・信仰・亡くなった人の霊魂的な側面を歴史を紐解く材料として推測をたて自論を述べていく。つくづく歴史はミステリーだなと感じた。日本史に詳しくなくて言葉も難しかったけど、興味深く読んだ。
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1巻がおもしろかったので2巻も読みました。怨霊信仰の例がさらに展開された感じで、あまり驚きはなかったです。
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聖徳太子は天皇になれなかったのになぜ「聖徳」という称号されたのか、天智天皇の死因や年齢が全く日本書紀に書かれなかったのは天武天皇による大本営発表のようなもので実は暗殺ではないか、天武天皇の血統の由来は何か、聖武天皇が奈良の大仏を建立したのは鎮護国家思想ではなく妻の光明皇后の意向を受けて長屋王の怨霊を封じるため。4テーマとも徹頭徹尾、怨霊封じというテーゼで書かれており、トンデモ本としても大胆な展開。古代に関しては資料の関係上、登場人物の題材がもっぱら皇室に限定されているのはやむなしか。
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独自の歴史観が面白い
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相変わらずこれまで習ってきた日本史を覆す理論で面白い。
天地と天武は兄弟じゃないとか、聖徳太子は殺されたとか、そういう学校で習わない事をズバッというのは快感でもある。
昔って天皇という最高位をめぐって殺し合いが起きてたんだなぁとしみじみ感じた。今も昔も地位というものに惹かれてしまい、血が流れたり、足の引っ張り合いが起きるのは変わらないなぁと思う。
人間とは今も昔も変わらないと本当に感じた。