お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 249
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094023626

作品紹介・あらすじ

粋(スイ)の上方、粋(イキ)の江戸。吸ったら吐き出す江戸の「いき」。情もお金も溜め込まない気風のよさを身上に、ファッション、グルメ、長屋暮らしに色に恋。江戸の庶民の息づかいを生き生きと今に伝える江戸案内。初詣に始まり桜見、花火などの行事、大相撲などの娯楽、そして生活や町の様子を概説する第1部と、浮世絵や古地図を参照しながら4回にわたって行った「講義録」を収録した第2部からなる、杉浦版「江戸入門書」の決定版!

感想・レビュー・書評

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  • 「お江戸でござる」を、よりかみ砕いたものとでも言えば良いでしょうか。
    時に抱腹絶倒の杉浦日向子さんの絵が加わり、楽しいことこの上なしです。

    第一部は「ごくらく江戸暮らし」に始まります。
    初詣から始まる江戸っ子の行事や江戸の日帰り旅行など。
    大相撲や湯屋などの娯楽、長屋などの江戸の生活、そして交通手段や大通りや裏通りの町のことまで語ってくれます。

    第二部は、杉浦日向子さんの「夜中の学校」の講義録です。
    食文化やファッション、恋愛に至るまで興味津々なんですが、特に笑ったのは「小股の切れ上がった女」の解説。
    丁寧に挿絵まで入ってますが、つまり「がに股」のことらしいのですね。立ったときに両膝がくっつかないほどのO脚だと、浮世絵に登場するような立ち姿の良い女性になるのだそうです。
    当時の着物はあわせが浅くて、ちょっと風がふいただけでもまくれあがったそうで、お洒落な女の子は内股までおしろいをたくさん塗ったんだとか。面白いですね。
    役に立つか立たないかと言えばもちろん立たないのですが「あのね、ごにょごにょ」と耳元で教えてくれるような知識の方が興味深いのは、人間幾つになっても同じ。

    「江戸情緒」という言葉は、当の江戸っ子たちは使わなかったし情緒など知りもしなかったというのも面白いところ。
    明治以降の造語で、上方から持ち込んできた言葉なのだそうです。深悩みをしない、明るくあっさりした江戸社会は、情緒など全然似合わないところで、しいて言えば「江戸風情」かなという解説付きでした。
    お読み頂くことをおすすめします。
    時代劇などを観ていても、それまで分からなかった小さなことが、急に生き生きとしてきますよ。

  • あたしゃ〜銭湯に行きたくなったでありんす。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「なったでありんす。」
      チョッとした言葉遣いで、粋に感じますね。。。
      自宅近くにある銭湯は、夜中の2時まで開いてているので、たま~に入りにい...
      「なったでありんす。」
      チョッとした言葉遣いで、粋に感じますね。。。
      自宅近くにある銭湯は、夜中の2時まで開いてているので、たま~に入りにいきます。
      2013/03/15
    • クマコ・ヘンリーさん
      江戸っ子の湯加減は熱々!
      江戸っ子の湯加減は熱々!
      2013/03/16
  • ○「一年を二十日で暮らすいい男」、今は九十日ですがw、稀勢の里頑張れ!○江戸では火消しや鳶職などの職人と同様、花火師も随分モテたそうですw○京の五色(錦)、大坂の三彩、江戸の黒。江戸の粋人が黒を着るときは、下着から上着まで黒で揃え、素材を変えて楽しんだとか。「粋」ですね(^-^)〇残るものを買うときは三度考え、呑み食い、歌舞伎や相撲、芝居、旅行など娯楽に関する「消えもの」にはお金を惜しまなかったとか。「粋」ですね(^-^) 「お江戸風流さんぽ道」、再読しました。

  • 江戸に詳しくなれる。
    基本的に明るい部分、良い部分に目線を当てているので、素直に江戸良いなと思える内容になってます。

  • 江戸文化の基礎知識を知るのに、面白く、読みやすい。著者の本が好きで、江戸文化をこよなく愛しているのが伝わってきます。江戸検定のテキストより正直、わかりやすい。

  • 江戸時代解説書。江戸っ子の暮らしや文化を知ることで、普段読んでいる時代物の小説の世界も、より色鮮やかになってくるみたい。
    探梅って初めて知った。夜に出かけて匂いを楽しみ、新しい着物に匂いを含ませるって粋だねぇ。

  • すらすらと読みやすくて内容も難しくなく、江戸の庶民のくらしがイメージできて面白かった。食べ物やファッションなど、ぼんやり興味あることを程よくピックアップしてくれててとても良かったです。

  • 感性の時代、江戸!

    雀の羽を身にまとい、愛より恋、恋より色に行きた時代。

  • 前編、江戸の生活や文化も良かったけど、
    興味深かったのは後編の、ファッション、恋愛。
    とても自由でお洒落で、みんな楽しんでいたんだと思う。

    「銀魂」44巻 傾城逆転 「ぬらりひょんの孫」21巻 怪談・青行燈 
    と並行読み。偶然だけど、いろいろ通じるところが多い気がした。

  • 杉浦さんの文章はほんとに面白い、すいすい読めちゃう。
    また色々と江戸を感じられた。

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著者プロフィール

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958年、東京生まれ。1980年、「通言室之梅」(「ガロ」)で漫画家としてデビュー。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。1993年に漫画家を引退し、江戸風俗研究家、文筆家として活動した。NHK「コメディーお江戸でござる」では解説を担当。主な漫画作品に『百日紅』(上・下)『ゑひもせす』『二つ枕』『YASUJI東京』『百物語』、エッセイ集に『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『一日江戸人』『杉浦日向子の食・道・楽』『吞々草子』等がある。2005年、没。

「2023年 『風流江戸雀/呑々まんが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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