十九歳の地図,蛇淫 他 (小学館文庫 R な- 2-11 中上健次選集 11)
- 小学館 (2000年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094043914
感想・レビュー・書評
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若さの鬱屈と苛立ちがヒリヒリ伝わってくる文章だった。何度か読み返した。
繊細さがゆえの残酷性。どこへも行けないもどかしさ。いま読み返すと、これを読んでいた高校生の自分を思い出す。
作品全体の暗さと文体は好みの分かれるところ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『一番はじめの出来事』
想像力豊かな僕・康二は、仲間らと山中に〈秘密〉を作り始める。
訪ねて来た兄にも、その作っている〈秘密〉が何であるか、明かさない。
今の子供達には想像もできないだろうが、まだ空き地が沢山あった僕の子供時分にも、大人に秘密するような事をしていた。
康二らが作る〈秘密〉とは何だろうか?
やはり、僕達と同じような少し危険な匂いがする秘密基地のような気がする。
かつては、そんな子供達だけの世界が存在した。
この『一番はじめの出来事』には、やたら"子供なんだ。"というフレーズが現れる。
中上健次作品らしく、朝鮮人、ヒロポン中毒、酒呑みに彩られ、大人になる事の不安、弱さ、子供同士の強がりが巧く描写されていた。
『一九歳の地図』
土着的な、人間関係の濃い小説を書いていると思っていた中上健次であったが、予想外に、インテリが主人公で、内省的で、きめ細かな描写である。
面白かった。
『鳩どもの家』
関西弁の文章のリズムが良い。
文章から人情の濃さを感じさせる。
『浄徳寺ツアー』
短いセンテンスで人の動作を描写し、それがリズムを生む場面があるが、物語自体は、だらだら脈略なく続き、何を描こうとしているのか、さっぱり解らなかった。
全般的に、昭和の風景を背景に、細やかな人情の機微が、心地よい関西弁を乗せて描かれている。
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鳥のようでなく獣のようでなく 重松清
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おもしろい。
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一番はじめの出来事が好き
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中上 健次 / 小学館 (2000/04)