ライアの祈り (小学館文庫 も 19-4)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094061475

感想・レビュー・書評

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  • 森沢明夫さんの青森三部作、完結編。
    恋愛✕歴史✕家族の絆。

    今回のヒロインは大森桃子、数あわせのため参加した合コンで考古学者、佐久間に出会います。
    この二人の恋愛物語に縄文時代のデジャブも関わってくる歴史ロマン的な深みのある作品となっています。
    佐久間から語られる縄文時代の話はとても面白いです。争いはなく、人々は助け合っていたと言います。裕福よりも幸福を求めていたのです。
    大陸との交流や漆器、狩りの他、現代と変わらぬ魚類を食べていたこと。自分達で木の実を集めたり、栗林を作っていたこと。かなり高度な技術を持っていたことに改めて驚きます。60歳くらいまで生きてたことや、小児麻痺を患った者が成人まで生きていた証しもある。
    確かに日本全国で人口推定20万人の時代だから、争う必要もないくらいの豊かさはあったと思います。

    また、桃子と佐久間の行くお店の料理の美味しそうなこと!私はお酒は飲めませんが、ソウルフードを食べてみたい!青森の自然に触れてみたい!と思わずにはいられませんでした。

    繰り返し出てくる縄文編と現代編が織り成すドラマは核心に迫るにつれて物語の面白さをぐっと増していきます。
    第一部で家族の絆を。
    第二部で青春を。
    第三部では恋愛を。
    順番に読んでいくことで、彼らの生活する世界が立体的に再現されていきます。
    読みごたえがありました。

  • 青森三部作もこれで完読。最強のサブキャラだった桃子さんが主人公。三部作の大円団的な雰囲気が良い。第一人称者が変わっていく手法が、心地いいテンポで読み進められます。
    幸せになるコツが見出せる一冊。

  • 青森三部作の三作目。
    縄文時代を生きるライアとマウル、親友サラ。
    現代を生きる桃子とクマゴロウさん。
    遠く離れた時代をつなぐ絆にしびれました。
    ロマンを感じるすごく素敵な一冊!

    桃子と考古学者 クマゴロウさんの二人のお付き合いにキュンキュン♪ 縄文の知られざる魅力と「幸せのカタチ」を感じました。
    マウル、サラ、族長、桃子の母、クマゴロウさん。みんなの気持ちが嬉しくて温かくて、自然と涙があふれてしまいます。
    後半は涙、涙でした。

    『普通って、なんて幸せなんだろうーー』

    家族と一緒に笑っていられれば幸せ。
    本当に普通って最高に幸せで、なにものにも代えがたい。
    青森三部作、大好きなシリーズになりました♪

  • お母さんに全てを話すところ、母親は有り難いね

  • 他の人の幸せを心から祈る。
    そしてもらった「ありがとう」と信頼が、回り回って自分の窮地を救う祈りに変わる。
    本当にそんな時代だったかはわからないけど、良い時代だなぁ。
    現代はスッキリしたけど、サラとライアとマウルがどうだったのか。
    ちょっと知りたい…
    でも、そこから繋がった桃子とクマゴロウが温かい幸せを手に入れたんだから、良いのか…と思ったり。

  • 青森三部作ですが、この作品から読み始めましたが違和感なく読めました。バツイチで恋に臆病な桃子がとある人と出逢い、縄文時代の前世の自分達と交互に話が続きます。ラストが本当に良かったです。

  • 血縁関係なくお互いを思いやれる本当の家族、仲間っていいな。
    読み進めると前世と現世の繋がりがわかってきてラストは感動。
    心が温かくなる一冊。

  • 初森沢さんで、三部作と知らずに読んでしまったが、十分楽しめた。前の二作で、桃子さんがどう描かれていたのか、これから読んでみたい。

    縄文愛すごいなーと思ったら、そうか作家さんご自身がお好きだったのね。いい感じでそれが作品に反映されているように思いました。

  • 縄文時代と現代がリンクしてて
    不思議な感じだった。
    幸せのカタチとは。

  •  縄文文化にのめりこんで恋には晩稲の考古学者と 彼にひかれながら発掘の魅力に目覚める女性が 呑み歩き・食べ歩きしながら恋を育てていく 二人の会話が気持ちよく もう一度弘前に行ってみたくなった 今度は桜の季節に・・・ 
     彼らと並行して描写される縄文時代の人々の暮らしぶりも生き生きと描かれている驚いたことに広い地球には今もそういう暮らしを続けている人たちが居るそうで この考古学者が調査に出かけ 縄文人の暮らしとこの物語が自然な形でつながる おかげで百年どころではすまない時代の奥行きが感じられ とても魅力的な本になっている
     ところでこの女性が昔はカーリングにはまっていたという 「青森ドロップキッカーズ」も読んでみたい

著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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