世界からボクが消えたなら 映画「世界から猫が消えたなら」キャベツの物語 (小学館文庫 わ 9-13)

  • 小学館
3.80
  • (77)
  • (88)
  • (92)
  • (13)
  • (5)
本棚登録 : 1663
感想 : 64
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062878

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 何かを得る為には、何かを失わなくてはならい。
    僕と猫と陽気な悪魔の忘れられない7日間の物語…。

    脳に悪性腫瘍がみつかり、余命僅かと宣告されたご主人様は、
    自分と同じ姿をした悪魔と取引をした。
    「この世界からモノを一つ消す。そのかわりに、キミの命を一日ぶんだけ延ばす」と。
    電話・映画・時計…。モノが消えて行く度にご主人さまと結びついていた人の
    記憶までが失われて行くようだ。
    そして悪魔は、世界から猫を消すと提案する…。

    主人公は猫のキャベツ。
    キャベツは飼い猫でご主人様がいる。
    ご主人様が悪魔と取引をし、キャベツは悪魔と会話が出来る。
    キャベツの視点で描かれているので、猫が話せたらこんな風に思っているのかなぁと、
    思えて猫が大好きな私には楽しかったし、面白かった。
    最初の、猫は猫であり自分の住みかと食事に人間を利用している。
    人間に飼われている猫などいない。
    猫の方が、人間のそばにいてやっているだけなのだって思ってるキャベツ。
    うん、そうかも~って、微笑ましかった。
    しかし、このお話はとっても深かった。
    自分って何なのか…生きるって…存在するって…。
    電話・映画・時計…モノがなくなるだけでなく、モノの関わった思い出や感情
    関わる何もかもが無かった事になる。全てがリセットされて消えてしまう。
    とっても、とっても残酷だ。
    一方通行の想い出は想い出じゃない。
    誰かと共有できない想い出には、何の意味もない…。
    ご主人様と同様にキャベツも深く考える様になっていく姿も良かった。

    生きる上で、大切なものって何だろうって深く考えさせられた。
    当たり前に毎日が続いていくって、思っているとつい見失ったり、
    忘れてしまったりするけれど、本当に自分の大切なものが何かって気付かせてくれた。
    色々な人や物と繋がりそして自分の世界ができている。
    今を大切に、大切だと思う人を大切に。
    改めて、自分に人生に役立てながら自分らしく生きていけたら良いなぁっ思った。
    軽いタッチで描かれていますが、とっても心に響く言葉か沢山ありました。
    やはり、所々ウルッとしたし、最後の父への手紙には涙が零れました。
    原作の「世界から猫がきえたなら」も読みたい!映画も観たい!

  • 原作と続けて読みました。

    猫目線のお話。
    わたしも犬を飼っているからこんな風に思ってくれてるのかなって考えながら読んだらクスッと笑えるシーンがあったり、ジーンと感動するシーンがあったりと、原作と同じくらい好きになりました。

    ご主人様が大好きで、ご主人様のために生きてくれるキャベツ君がとっても愛おしいです。

  • 原作を、表紙の猫に惹かれて何年も前に読んでおり、今になっての映画化ということで、その波に乗って登場したのですよね、この作品は多分。
    人に薦められなかったら原作の文庫本だと思ってスルーしていました。あ、キャベツ側からの話なのねって言われるまで表紙見ても気づきませんでした。

    どなたかも書かれてましたが、私も当初キャベツの語り口調、悪魔の語り口調、馴染めなくて若干もやもやしました。
    でも読み終わってみたら、何だろう。
    何年も前に読んだ原作よりも「いい」と思ってしまいました。もちろん原作読んだ上でのキャベツ側からのストーリーということでいいと思えるのだと思うのですが、それでも単純に「こっちのストーリーテラーのがいい」と思ってしまった。
    読み手である自分が、原作を読んだ時よりも多くの人を喪ってきたせいか、それともこちらの著者である涌井学さんの文章力のせいかもしれません。

    「ご主人様」とその大切なものとの関わりや繋がりがせつない。もちろんキャベツとの繋がりとキャベツを拾ってきた父さんや母さんとの関わりも。
    「海の上のピアニスト」私のこれまで観た中のナンバーワン映画です。死ぬ前に観るなら自分なら「海の上のピアニスト」です。その映画が登場したこともじんと滲みたポイントの大きな一つ。

  • キャベツの視点から描かれていて、前作では描かれなかった場面から切なく感じることがたくさんあって泣けた。「人や物、世界とのつながりそのものが、「自分」なのだ」この世界に溢れるかげかえのないものに感謝して生きようと考えさせられた。

  • 「世界から猫が消えたなら」を読んでから、この世界にもっと浸りたくてキャベツが可愛すぎて読みはじめました!!キャベツの口調がござるじゃなくて入り込みにくかったが、ご主人様とイロイロな絆が深く結びつかれた心が暖かくなるステキな物語でした。

  • 自分が死んでも、世界は変わらずに廻り続ける。この本を読むまではそう思っていたけど、そもそも世界ってものが人間が作り出した概念であって、誰かが死ぬことで、その人と繋がりのあった人たちの世界が少なからず何か変化する。生きるってことは、自分がそこに存在することなんだと思った。だから、どのように生きようとも、存在する限りは価値がある。もう少し楽に生きてみよう。

  • ベストセラー小説のもう一つの物語。

    「せか猫」といわれ映画もヒットした小説のもう一つの物語。主人公の飼い猫キャベツ視点で描かれた物語。

    印象に残った文
    「人や物、世界とのつながりそのものが「自分」なのだ。」

  • 感動した。

  • 最後、こんなに泣いたのは久しぶりだ。
    人と人との繋がりの中で、私たちは生きている。

  • ジュニア文庫なので読みやすいです。

    原作ではなく原作を映画した文庫本なので原作との内容はどうなのかは分からないですが、最後は号泣しました。

    猫を飼ってるので尚更。小説と読むよりジュニア文庫なので絵本感覚で読んだ方がいいなーと思います。

涌井学の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
朝井 リョウ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×