疑医 (小学館文庫 せ 2-8)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 136
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094063493

作品紹介・あらすじ

彼は天才医師なのか疑惑の医師なのか!?

「脳卒中は手術をするな!」を提唱してマスコミの寵児となった脳外科医香山。医学界の常識を覆し、患者からカリスマ的支持を受ける彼は天才なのか疑惑の医師なのか?女性記者速水が現代医療の闇を追跡する!

感想・レビュー・書評

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  • 久々に仙川さんの小説を読了。
    医療ミステリーといえど、他の医療小説とは違った視点で描かれる仙川さんの小説が好きで一時良く読んでいた。
    今作もとても面白い!
    寝食の時間が惜しいと思える位入り込み没頭した。

    自然療法を推奨する脳神経外科医香山は天才なのか疑惑の医師なのか…湾岸国際医療都市構想に彼を目玉にしようと画策する都知事、その裏で巧みに手柄を上げようとする東都新聞の狸記者、地味で真面目そうな香山の片腕都留…4人の裏にある真実はいかに!
    裏切られながらも真実を追求する二人の女性記者の奮闘振りにグイグイ引き込まれてしまう。
    八方塞がりになりながら諦めない彼女らの姿はこれぞ記者なのか…
    人間である前に記者なのか?と思わず顔を顰めてしまいそうな彼女らの行動、発言、局面もチラホラ見受けられ、でも真実を暴く、伝える…とはこういう事なのか…
    被害を拡大させたくない、その思いは間違いなくあるのだろうが何となくそのやり方が…執着がかなり不快。ただこれ無くしては記者は務まらず、これがリアルなんでしょうね。
    ストーリーは面白かった。凄く面白かった。
    が、個人的に登場人物、誰1人好きでない!笑
    面白かったぶん、記者としての嫌な部分も存分に見ちゃったなという印象です。

    仙川さんへの再熱が!
    また他の小説も読も!

  • 最近、ガンやその他の病気に対するそれぞれ正反対ともいえる治療法を提唱する著作物の新聞広告への掲載が散見される。
    これも、高齢化の進展により、健康不安社会となった日本を象徴する出来事だろうか。
    そんな現代をリアルに描いた医療ミステリー。
    脳卒中は手術せず、自然療法で完治すると主張する脳外科医。
    彼は患者を真に思う正義の医者なのか、それともいかさまな治療で患者を惑わす疑惑の医者なのか。
    二人の女性記者が、真相を求めて関係者の取材に奔走する。

  • 医療ミステリーというよりはマスコミのお話に比重が置かれている感じですが面白かったです。血液で特定の蛋白を検出して未破裂の脳動脈瘤の治療にサプリと食事、運動療法で治療をしていくというにわかには信じられない治療をしている香山医師は名医なのか、詐欺師なのか。電車の中で読みましたが、降車駅で降りるのを忘れそうになるくらい入り込みました。

  • 脳卒中の治療法をめぐる、記者たちの奮闘を描いた作品です。難しい感じなのかなと思いましたが案外サクッと読むことができました。

  • 自然療法を推奨する医師を追求する女性記者たちの物語。

    ・特報
    ・疑義
    ・追及
    ・対決
    ・背信
    ・決着

    東京都の湾岸国際医療都市構想のスクープを報じることになった東都新聞で、構想の目玉となる自然療法を推奨する香山医師を取材することになった速水絵里子。

    香山を取材し記事を書くが、科学グループの「潰し屋サーヤ」の異名をとる皆川沙也に眉唾物と否定されるも、結局記事として出る。

    しかし香山の治療を受けた者から死亡するケースが出て、ネットでも批判の火種が付く。

    速水は挽回しようと香山の治療法を取材をするが、他の医師からも専門的な意見がもらえず、苦悩する。

    皆川も加わり、事の真相を取材していくうちに、行政との黒い癒着の影が。

    医療世界に正しい光を当てることができるか?


    奮闘しているのは分かりますが、結末がなんとも消化不良。

    しっかりと最後まで書いてほしかった。

  • 民間療法の是非はグレーなまま終わるところが不満だがおもしろく読めた。

  • 初仙川さん。
    医療ミステリーたくさんお書きになっているのですね。
    この医者は天才なのか、否か。
    真相を探る、タイプの違う女性記者がよかったかな。

  • 医療ミステリーシリーズだと思ったら、
    どちらかといえば同著者の坂巻記者のシリーズに近い内容だった。
    そちらも好きで読んでいるが、
    少しだけ肩透かしをくらった気分になったので。

  • 2015.6〜2016.8に雑誌連載されたものの文庫版です。早速、読んでみました。

    新聞社に勤める面々、医者、政治家少しが登場する物語でした。仙川環作品は22冊目になるので、少し飽きてきたのかな?迫力不足を感じました。

  • 仙川環さんの医療ミステリーが好きで手に取った本だったが、医療というより、記者の奮闘記という感じだった。でも、これはこれで面白かった。

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著者プロフィール

せんかわ・たまき
1968年東京都生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修士課程修了。大手新聞社在籍中の2002年に書いた小説『感染』が第1回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー。その後執筆活動に専念し、医療問題を中心に社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を発表する。著書には『転生』『繁殖』『誤飲』『疑医』『鬼嵐』などがある。本作は『幸福の劇薬』に続く「医者探偵・宇賀神晃」シリーズ第二弾!

「2020年 『偽装診療 医者探偵・宇賀神晃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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