世界が記憶であふれる前に (小学館文庫 お 38-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065930

作品紹介・あらすじ

超記憶をもつ少女の壮絶な半生。

ナノは超記憶能力をいかし、東京大学医学部にダントツの成績で合格した。しかし、体調不良に見舞われ、自身の寿命が長くないのではと疑い始める。そこで、二億円を元手に、一人でひっそりと生きていくと決意し、最後の計画を実行する。
宅配ドライバーのソライは、ナノが仕組んだ計画に巻き込まれ、預金を盗まれてしまう。手がかりもなく、警察すらお手上げかと思われたが、ソライはナノにたどり着く。盗んだお金を返すというナノについて、香港に行くソライ。盗み出した金を引き落とし、帰国しようとしたところで、事態は急展開。二人の運命が大きく動き出す。
「想いのこし」というタイトルで映画化されたベストセラー 『彼女との上手な別れ方』で作家デビューした気鋭の脚本家による、“忘れられない”物語。

感想・レビュー・書評

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  • ナノな記憶に溺れる停止の時間とソライの無我夢中で走る動きの時間との対比がよく分かる作品。
    とても読みやすい文章で、駆け足で進んでいく展開に一緒に冒険している気分になってドキドキした。

    忘れられない記憶や忘れたくない記憶を持って人間は生きていくけど、どうしてもその記憶は綻びが出てくる。
    もはや記憶の中でしか会えない人を、まるで現実に現れたかのように全てを再現できる記憶と、少しずつ忘れてしまう記憶。どちらが幸せなのだろう?
    これは記憶だと目醒めてしまった時の喪失感と、少しずつ失われて行く切なさと、どちらが痛いのだろう?

  • 超記憶症候群っていいと思っていたけど、覚えられることに限界があって苦しんでいることがかわいそうだった。そんなナノとソライの関係がだんだん複雑になっていくところが悲しく、なんともいえない気持ちになった。

  • 展開がちょっと急だった
    でも読みやすかった

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