ヒロシマ・ボーイ (小学館文庫 ヒ 2-3)

  • 小学館
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本棚登録 : 63
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067286

作品紹介・あらすじ

日系米国人作家によるエドガー賞候補作!

米国で生まれ広島で育ち、戦後帰米した日系二世、元庭師の老人マス・アライ。マスと同じく原爆体験を持つ帰米二世の親友・ハルオが亡くなり、広島の沖合にある小島に暮らす遺族に遺灰を届けるため、マスは50年ぶりに日本を訪れた。そこで彼は、少年が犠牲になる痛ましい事件に遭遇する。小さな島を訪れた異邦人でしかないマスだが、広島で経験した少年期の傷痕を思い出し、14歳で命を落とした少年のために謎を追う。
日系米国人作家が父親をモデルに、15年間にわたって描き続けた「庭師マス・アライ」シリーズ第7作。このシリーズ最終作では、父親の故郷・広島の現代の情景を鮮やかに活写し、さらに複雑なアイデンティティを持つ主人公の頑固爺の内面を見事に描いて2019年エドガー賞最優秀賞(ペーパーバック・オリジナル部門)最終候補作となった。日本のメディアでも話題となった傑作ミステリが、満を持して登場。

感想・レビュー・書評

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  • エドガー賞逃すも「思い出に」「誇りに思う」 竹内康浩さん、ナオミ・ヒラハラさん |好書好日(2019.05.05)
    https://book.asahi.com/article/12342142

    ヒロシマ・ボーイ | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09406728

  • 大変よくできた推理小説。おすすめ。
    ユタの山あいの高齢者施設で何十年ぶりの古風な日本語で高校生の交換留学生の私を歓迎してくれたおばあさんを思い出しながら読んだ。日本人であることの多様性に触れた最初の機会はあれだったのかもしれない。

  • 外国人から見た日本が描かれている部分では面白かったでづ。日本人が当たり前と思っている事が,日本に生活していないの人にはこう見えるのか!と。
    ミステリーとしては,特に面白い部分はありませんでした。日常ミステリーに近いかな?
    ミステリーを楽しむというよりは,原爆や戦後から現在までの日本の変遷記?という感じでした。
    がっつりミステリーを読みたかったので、、

  • 面白かった!主人公が偏屈なおじいさん、そしてその人が嫌々ながらも50年ぶりに訪れた広島で起こった殺人事件を解決していく、というもの。動機が被爆者への差別へ偏見から来ているもので、ヒロシマボーイという本の題名からも納得した。
    主人公自身も被爆して、そして日系2世での差別や偏見があっとことも描かれていて、ただ事件解決でなくて、深くて良い話だったと思う。
    著者も日系3世とのことで、描かれ方もリアルだった。
    自分は戦後生まれで被爆は他人事だけど、ここで、まだ被曝は終わっていなくて今も苦しみ続ける原因になっていることをあたらめて思い知った。

  • 2つの意味で面白い作品だった。
    まずは設定がなかなか斬新!主人公は80代後半の偏屈でネガティブ思考な日系人男性。しぶしぶ向かった自分のルーツがある広島で、はからずも事件に巻き込まれる。文字通り老体にむちうちながら、走り回ったり若者に痛めつけられたりコンビニ食ばっかり食べているし、で、基本的に心の中は「用事済ましてとっととアメリカ帰りて〜」。
    それから、翻訳が巧みであった。翻訳っぽさがない。翻訳っぽさを楽しむのが翻訳作品の楽しみである場合もあるれど、広島の田舎の島で起きた物語を語にはそれは不要だと思う。登場人物たちが方言を話し老人ホームの描写なんか本当にリアルなので、翻訳作品であることをすっかり忘れてすらすら読んでいると、日系人の目線からの描写がちょいちょい飛び出してきて翻訳小説だったことを思い出す。新鮮な体験であった。

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