かすがい食堂 夢のゆくさき

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  • 小学館 (2023年4月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784094072471

作品紹介・あらすじ

この食堂のお節介は温かくておいしい!

映像業界を離れた春日井楓子が、祖母から駄菓子屋かすがいを引き継ぎ、その店の奥で子ども食堂を始めて約2年が経った。事情を抱える子どもを対象に、1回200円で週に2回。買い物も調理も一緒に行い、みんなで食卓を囲む一風変わった子ども食堂だ。

ある日、なじみの商店街の店員から、毎日家の料理を作っているという少女の話を聞いた。「感心な子」だと言う。ヤングケアラーを疑った楓子が本人に尋ねると、怪我を負った母親の世話と家の家事を一人でしていると答えた。楓子は子ども食堂に来ないかと誘うが、けんもほろろに断られてしまう。〈第一話 少女とつなぎとハンバーグ〉

料理系の人気ユーチューバー・ナツミが見せた本音とは。〈第二話 はじけるにんじんしりしり〉

かすがい食堂の食卓に安楽椅子探偵が現れる!?〈第三話 食卓推理「黄泉がえる母親」〉

自分を犠牲にして家事に専念する女子高生・三千香とその弟・璃久に、お節介気質の楓子の思いは届くのか。〈第四話 夢のゆくさき、絆のかたち〉

社会を繋ぐ下町の子ども食堂物語、人気シリーズ最新刊。


【編集担当からのおすすめ情報】
発売直後に「王様のブランチ」ブックコーナーで取り上げられ、忽ち大重版となった「かすがい食堂」シリーズの第3作。いじめや貧困など子どもをめぐる問題を扱った第1作、多様性(ダイバーシティ)と差別に切り込んだ第2作に続き、第3作は「ヤングケアラー」の少女を描きます。解説は、作家の深沢潮さん。シリーズを通して著者が伝えようとするメッセージに深い共感を寄せています。

みんなの感想まとめ

心温まる子ども食堂の物語が描かれる本作では、ヤングケアラーの姉弟を中心に、子どもとの接し方や教育の在り方について深く考察されています。主人公の楓子は、事情を抱える子どもたちを受け入れ、共に料理を作りな...

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第3弾。

    駄菓子屋の奥で子ども食堂を始めて約二年が経つ。
    楓子のおせっかいは、相変わらずと言えばいいのか…。
    今回は、高校生の三千香が同じ商店街で買い物をする姿を何度か目にして、「ヤングケアラー」だと確信し、うちの食堂へ来ないか?と誘うのだが…。
    しつこく誘われるのにウンザリ気味の彼女は、弟と参加するが、これっきりだと言う。
    辛辣な意見を澱みなくズバズバというのに一瞬度肝を抜かれる。
    そこまで言うんだ…と。
    弟だけが姉の態度を謝って、週に一度参加するかたちになるのもあり…なのか。

    今回はこのほかにも子育て関して、考えさせられることが多い。
    しつけは、教育は、恐怖や懲罰による支配ではないということ。

    暴力は肉体的なものだけじゃなく、威圧したり、叱りつけたり、怒鳴ったり、大きな音を立てたり、罰を与えたり、などの一切合切含めて否定すべきだと。
    これは子どもに対してだけじゃなく、大人でもそうである場面もちらっとある。

    会社やバイト先で叱る、高圧的に命令する、恥をかかせる、罰則を与えるなどの行為は、反発を招き、憎悪を溜めるばかりで忠誠心も下がる。
    叱れば叱るほど相手は見えないところで、手を抜こうと考えるばかりになり、百害しかない。
    結局、他人を叱るという行為は、親であれ上司であれ先輩であれ、当人の鬱憤晴らし以外のなにものでもないから不快になる。
    叱るのは相手のためだ、という間違った正当化を信じているからよけいに厄介でもある。
    鬱憤の連鎖は何ひとついいことなどないのだと。


    自分も今までの子育てを振り返っては、反省すべきことばかりであったと思い知らされた。

    この「子ども食堂」は、内面のちょっと深いところまで入ってきたなぁ…と感じた。
    ただ、食堂のメニューはそれほど難易度が高いわけでもなく、子どもたちもいっしょに作れるものなので、無理をしていないところが続いている秘訣なのかも。
    今回は、冷凍フェスのくだりがあったのにはちょっと驚いたが、便利なものは活用していけばいいと思う。
    みんなでわいわいと意見言い合うのもありだと…。


  • シリーズ3作目。
    今回はヤングケアラーの姉弟の話をベースに、子どもとの接し方(しつけ、教育方)について書かれていた。
    叱る、高圧的に命令する、恥をかかせる、罰則を与える、等。
    ここに掲げた接し方をしているとどうなるのか。

    子供相手の仕事をしていると、その保護者との関わりもあります。
    自分の子供に対して、平気で酷い言葉を使う人もいます。側にいるこちらが恐ろしく感じるくらいの事もあります。
    そういう言葉を受け取った子供は、これ以上傷つかないようになのか?自分をかばって、嘘をつくことがあります。
    そういう場面に出くわすと、少し悲しく辛くなります。

    今作も考えさせられるテーマでした。

  • 毎回考えさせられるこのシリーズ。
    今回はヤングケアラーと子育てについて考えさせてられました。

    高校生の三千香は母子家庭で育ち、怪我の後遺症で働けなくなった母の代わりに家事を行う。そんな三千香を見かねた楓子はかすがい食堂に誘うが、頑なに拒否をして…

    あまりに頑なな三千香の性格が、かなりしんどかったですけど、最後までかすがい食堂には通わないってのは驚きでした。人にも自分にも厳しいけど、それが必ずしも正しいとは言えず。
    以前出てきたアフリカ系フランス人のエミリーの言葉で、「しつけではなく暴力」ってのが身にハッとさせられました。

    楓子も三千香の言葉で、かすがい食堂の存続を考えていましたが、もう少し続けられそうで良かったです。

  • ちょっと緊張する内容。
    生徒に暴力的になったことはないけれど、
    やはり言い方一つで相手の反応も変わる。
    今までの生徒にきちんと対応できてたかしら。

    正直、ここに書いてあることは理想。
    でも、理想を追うのは大事。
    こっちにその気はなくとも、
    相手がどう受け止めたかが問題だから。

  •  子育てや躾を学び考えるということは、人間とは何かという根本を問いかける作業でもある。駄菓子屋かすがいの店の奥で子ども食堂を営む春日井楓子はお節介をやきながら、子どもたちと一緒に成長していきます。読み応えのある作品です。加古屋圭市「かすがい食堂 夢のゆくさき」、シリーズ№3、2023.4発行。

  • ドラマ作りに憧れて、映像制作の会社に入ったものの、給料に合わない激務で心身ともに疲れ果て、過労と睡眠不足で仕事中にロケ先の山で滑落してケガをし、それをきっかけに20歳代半ばで退職。何かしなくてはとブラブラしていたところに、祖母から何10年も経営していた下町の駄菓子屋をやらないかと声をかけられます。祖母もそろそろ店を畳んで隠居するつもりでいたとのことで、「駄菓子屋かすがい」を継ぐこととなります。20代なのに店に来る子どもたちから、「駄菓子屋のおばちゃん」と呼ばれて働く、春日井楓子が主人公の物語です。

    深刻な問題を抱えて困っている子どもたちに、「駄菓子屋かすがい」の閉店後、束の間の居場所と、温かい晩御飯と、気軽に話や相談できる場所を提供するために、店の奥の座敷で「かすがい食堂」を始めたという、「かすがい食堂」「かすがい食堂 あしたの色」に続くシリーズ第3弾です。

    前々作や前作同様に、第1話から第4話まで別々の4つのストーリーが描かれていますが、それぞれが繋がっていてひとつの物語として構成されている作品です。

    第1話のヤングケアラーを題材にしたストーリーから始まり、第2話の子どもの躾や教育についての問題提起、第4話の「夢のゆくさき、絆のかたち」は、第1話と第2話の総括ともいえるストーリーで、このシリーズ第3弾のメインになる内容であると思います。

    それにしても楓子さん、ちょっとお節介な気もするけど、困っている子どもを察知するのが鋭くて、見て見ぬ振りはもちろん、絶対に放っておけない性格なんだと感心してしまいます。

    シリーズ3作を読み終えて、社会的弱者であった子どもたちが、世話焼きキャラの楓子さんのおかげで「かすがい食堂」に通うことになり、豊かな個性を失うことなくしっかりと成長している姿や、楓子さんと交流したことで、今は「かすがい食堂」を卒業していても、しっかり自分の夢を抱いて強く生きている子どもたちの姿が描かれ、さらには子どもを取り巻く問題提起もされており、善意による社会奉仕の物語で終わらず、それとは一線を画し、思っていた以上に内容の深い作品であったと思いました。

  • かすがい食堂第3段。
    相変わらずの気付きをもつ楓子さんと、かすがい食堂のメンバーたち。
    月日が経って、みんな成長して、新たな問題に向き合い、解決していくお話し。


    りくくんのバスケ問題がメインと感じた内容でした。
    みちかちゃんやお母さんのみんなの気持ちのすれ違い、そして話し合って前に進むお話し。

  • 首突っ込みすぎと思ってたら案の定。ハンバーグのつなぎの話が面白かった。

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著者プロフィール

1972年大阪府生まれ。公務員退職後、『パチプロ・コード』で第八回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し2010年にデビュー。

「2017年 『散り行く花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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