なないろ金平糖 いろりの事件帖 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2015年5月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800240521
作品紹介・あらすじ
大正時代。日本橋にある金平糖専門店「七ツ堂」の看板娘・いろりには、不思議なチカラがあった。撫子(薄桃)色の金平糖を食べると人の記憶が視え、橙色の金平糖は過去が視えるなど、金平糖の種類によって様々な能力を発揮する。母親の形見をいらないという少女の真意、父親の仇討ちをしたいという同級生、親友の失踪…。チカラを生かし、猫のジロとさまざまな事件に立ち向かう!
感想・レビュー・書評
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「からくり探偵」を読んで、同著者によるまた別の大正ミステリという事で手に取りました。
金平糖専門店「七ツ堂」の看板娘・いろりが、猫のジロと共に、不思議な“チカラ”を使って謎を解いていく連作四話が収録されています。
主人公のいろりは、人の記憶やその場所で過去に起こったことなどが視える“千里眼”の持ち主です。そして、猫のジロとも会話できちゃいます。ただ、“視える力”は心身を消耗する為、普段は制御して金平糖というツールを使って力を発動するという設定です。
何となく、第一話のような“日常の謎解き”的な軽い感じが続くのかなと思いきや、何気に事件性のあるものも絡んできたりと様々です。
そしてそれが伏線となって、終盤はハラハラドキドキのサスペンス的な展開で、マジ大ピンチでした。
“視える”チカラのせいで、子ども頃に辛い経験をしたいろり。こういうのって便利なようで大変だと思いますが、猫のジロと話せるのは羨ましいと思った次第です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
制限された千里眼と、千里眼によって得られた情報からさらに深く推理を進める。千里眼を万能にしすぎるとミステリーにならないので、さじ加減が重要ですが、本作は良くできている思います。
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主人公いろりが持つ超能力を活かした伏線が面白い。
大正ミステリーという設定も含めて映像化に向いている内容だと感じた。 -
思っていたのとちょっと違ったけど、結構面白かった。
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祖父の代から続く金平糖屋の一人娘である主人公には
ちょっと不思議な力があった。
力を使って形見の人形を探してみたり
昔の嫌な思い出のある同級生と再会したり
そのおかげで知らない人が訪ねてきたり
言い訳のせいで知り合った女の子が大変になったり。
金平糖を使って能力を分けて使えるのは
非常にありがたい事かと。
ただ、純粋にその味が食べたい、という時は
どうすればいいのでしょう?w
思わぬ方面から別依頼がきたり、で
面白かったです。
相棒(?)たる猫の好物がお饅頭なのが
砂糖取りすぎでは? の疑問ですが。 -
伽古屋先生といえば歴史小説っぽい舞台
でもこういうテンションのは初めてでなんか・・・意外だったな・・・ -
綺麗に纏まってます。さらりと読めるし、楽しい。
ただもう一つ何かきらりと光る部分があると良いなぁ。 -
大正時代を舞台にした、忠犬ではなく、なかなかの忠猫のジロといろりのミステリー小説。
途中で大正時代の千里眼事件が出てきてびっくりはしたのですが、面白かったです。
金平糖食べたい。 -
(収録作品)絹の人形/志津の執念/礼子の思い/絹の行方