ウメ子 (小学館文庫 N あ- 1-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094080094

作品紹介・あらすじ

ン年前の子ども時代を舞台にした、著者初の長編小説。

ウメ子は変わっている。ウメ子はふつうの子とちがう。初めて会った日から、みよはずっとそう思ってきた。ロビンフッドのような服装に、勇敢な行動。みよは、ウメ子の魅力に夢中になった。そんなある日、謎の紙芝居屋さんが現れ、行方不明だったウメ子の父さんの居場所が・・・。人と人が共感で結びついていたあのころ。誰もが貧乏で、さげすみもひがみも感じさせなかったあの時代。人間関係のむずかしい現代から、懐旧の世界に導かれる。人気エッセイストの阿川佐知和子さんが子ども時代の経験に想を得た、初の長編小説。坪田譲治文学賞受賞作品。

感想・レビュー・書評

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  • 阿川佐和子の初めての小説。
    読みながら、幼き日の思いを彷彿とさせてしまう。ウメ子はきっと、大人になっても、おばあさんになっても、こんな素敵な思い出を忘れずに生きていくのだと思う。

  •  幼稚園(もしくは保育園)時代の思い出をまぁ、ここまで しっかりと覚えているなんてまぁ何と記憶力が優れているんだ!と驚きながら読んでいました。  映画「男はつらいよ」でもよく出て来る名セリフ「風の吹くまま気の向くまま」を「風の吹くまま木の向くまま」と思い込んでいた幼少期がとてもおかしかったです。  長い小説が苦手な人もこれなら楽しく読めます。

  • 「阿川佐和子」の処女長篇小説『ウメ子』を読みました。

    「檀ふみ」の共著(対談集)『けっこん・せんか』に続き「阿川佐和子」作品です。

    -----story-------------
    ン年前の子ども時代を舞台にした、著者初の長編小説。

    「ウメ子」は変わっている。
    「ウメ子」はふつうの子とちがう。
    初めて会った日から、みよはずっとそう思ってきた。
    「ロビンフッド」のような服装に、勇敢な行動。
    「みよ」は、「ウメ子」の魅力に夢中になった。
    そんなある日、謎の紙芝居屋さんが現れ、行方不明だった「ウメ子」の父さんの居場所が・・・。
    人と人が共感で結びついていたあのころ。
    誰もが貧乏で、さげすみもひがみも感じさせなかったあの時代。
    人間関係のむずかしい現代から、懐旧の世界に導かれる。
    人気エッセイストの「阿川佐和子さん」が子ども時代の経験に想を得た、初の長編小説。
    第15回(1999年) 坪田譲治文学賞受賞作品。
    -----------------------

    小学館の雑誌『本の窓』に連載された作品で、「阿川佐和子」が子ども時代の経験に想を得た長篇小説です。

     ■ロビンフッド
     ■ジャングルジム
     ■秘密の部屋
     ■おしおき
     ■紙芝居屋さん
     ■にわか雨
     ■けんか
     ■夢
     ■家出
     ■サーカス小屋
     ■悪口
     ■約束
     ■スーパーウメ子騒動
     ■手紙
     ■流れ星
     ■小さなピエロ
     ■楽屋
     ■ウメ子の反発
     ■お祈り
     ■お見舞い
     ■お父ちゃんの告白
     ■別れ
     ■再会
     ■文庫版あとがき
     ■解説 さばこちゃん 大浦みずき

    登場人物の「みよ」や「ウメ子」等が、生き生きと描かれていて好感の持てる作品でしたが… 児童文学っぽい作品だったので、やや物足りなかったですね、、、

    就学前のことって、ほとんど記憶に残っていませんが… 本作で描かれている、昭和感がたっぷりで懐かしい世界観に浸っていると、少しずつ子どもの頃の思い出が蘇えってくる感じがしました。

    イラストも「阿川佐和子」が描いているようですね、、、

    こんなところにも才能があるとは… 驚きですね。

  • 阿川佐和子の小説へー、と思って手に取る。こんなこども時代も過ごして見たかったなーと思いつつ、こんなこと考えてたなーと思うところもあり。

  • おとぎ話の延長のようなストーリーだけど、サラサラと読んで、子供だった頃を思い出したりした。

  • 図書館で。
    幼稚園児が二人で家出したら家族は心配だろうなあ…

    という訳で。風の又三郎のようなウメ子とそれに巻き込まれる感じの兄妹のお話。それにしてもウメ子のお母さんは何であの町に引っ越してきたんだろう。仕事でもしてたのかな。

    余計なお世話で周りがガタガタしてダメになる感じのウメ子両親ですがまあ元サヤに収まってよかったね、という事なのか。まあウメ子のためには良かったんでしょうが。
    それほど面白いって感じでも面白くないって訳でもなくふうん、という感じで読み終えてしまいました。

  • スープオベラがおもしろかったので、勢い読んでみたが、なんていうか、稚拙。

    少し懐かしい自分の少女時代を思い出させるけれど。ノスタルジーはさほどない。時代のずれなのか??感情移入しにくい。
    阿川女史はやはり、エッセイがおもしろいのだ。

  • すごく読みやすい子どもでも読めそうな書かれ方だったのですぐに読み終えました。
    阿川佐和子さんは私のあこがれの女性の一人なんですけど、エッセイなんかで有名ですよね。
    これは初めての小説だそうですが、特に違和感なく読めました。


    内容は転入生のウメ子と主人公の幼稚園児みよが繰り広げる成長物語。
    阿川さんの実体験に基づいてるのかな~と思いきやあまりそうでもないとのことです。


    私が通ってた幼稚園はバス通園だったので、寄道とかはもちろんできなかったんですが、それでも家からはかなり近かったんですけどものすごく遠く感じてましたね当時は。
    ウメ子とみよみたいな関係のお友達もいなかったかなぁ。。。
    お兄ちゃんはいてましたけど。


    自分が好きな友達というより、親の関係で付き合うような友達と遊んでいたような記憶があります。
    とにかく何も考えてないような子どもでした。
    何が楽しかったのかなぁ。。。
    この頃って。


    あ、付け加えておくと、私のようにあまりおぼえていないっていう人もあれば、阿川さんのように覚えていらっしゃる人もおられるのでしょう。
    その辺にも後に及ぼす影響の差が・・・。

    ドラマは2005年の暮れに放送されたようです。

  • あっという間に読み終えた。
    まるで絵本を読むかのように、スラスラと読め、童心に帰れる。
    自分が保育園の頃、私は物静かで、いつも人の輪に入れない子だった。
    そんな私の憧れは、ウメ子ほどではないが、活発でなんでもこなせる女の子だったなー。と、思い出した。
    家出をしたみよちゃんとウメ子。
    2人が帰ってきたあとの両親、園長の2人に対する行動が、すごいなーと思った。
    今の時代の親(私の世代の親とそうだが)は、何か問題があった場合、「◯ちゃんと遊んではいけません!」と、問題を起こした時の相方を責め、遠ざけようとする。
    しかし、2人の両親も、園長もそんなことはしない。
    子供なりにそれを起こす理由があったのだと、理解している。
    そんな育て方、素敵だなーと、思った。

  • みよこの通うキリスト教系の幼稚園に、神戸からひときわ目立つ女の子ウメ子がやってくる。ウメ子は好き嫌いがはっきりしていて自分の意見もある。入園してきた日にロビンフッドみたいな緑の衣装を着て来たウメ子に「ふつーの子」のみよ子は釘付けになる。うめ子の両親は別居中だが、かつては2人ともサーカスに出演していた。サーカスの仕事の才能が豊かな母親に対して、どうにもならない嫉妬と焦りを感じた父親はサーカスをやめて別の仕事を使用とするがうまくいかない。それが原因で別居をする。近所にやってきた父親の友人の紙芝居屋さんのトラックに乗り込み2人はお父さんに会いにいく。子供の持つであろう感性の描写がすごいと思う。幼稚園で「天にまします我らの神、、」のところでみよこはいつもお父さんの買ってきてくれる鱒寿司を思い出して笑ってしまう。こういう感覚ってすごく懐かしい。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿川佐和子の作品

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