そのときは彼によろしく (小学館文庫 い 6-1)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 508
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094081602

感想・レビュー・書評

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  • 市川さん作品は『今、会いにいきます』依頼で2作目ですが、本作も予想を一つ裏切られて良かったです、まさかタイトルを伝える方が…とは。
    でもイイかも、少し幸せない気分にはなれましたーー

  • 映画を先にみて「本も読んでみようかな」となった本。
    出来すぎな話ですがキレイでいいんじゃないでしょうか。
    人を想うことが素晴らしいことを思い出させてくれます。

  • 「そのときは彼によろしく」は、誰が言った言葉なんだろう、花梨なのかな、だとしたら悲しい言葉だな、と思いながら読み進めたけど。
    自分は母親を突然の脳の病気で亡くしていて、自分の感謝の気持ちを伝えることが出来なかったことは勿論、母に聞きたかった事が沢山あるので、こう言う話を読むと、こんなことが本当にあったらいいのになあと思ってしまう。「心から愛していた」そんな言葉をもらえたら号泣だな。

  • 読み始めの数ページで『これは苦手なタイプの小説だな』と思った。もぞもぞと小恥ずかしくなっちゃう例えとか、さりげなさが鼻につく気取ったセリフとか。洒落た感じにするために、わざわざ一呼吸置く間とか。

    主人公の遠山智史はどこをとっても完ぺきな人間だ。背が高くて優しくて、誠実で真面目。ウィットに富んだ会話もできるし、何しろ子どもの頃からの夢をちゃんと叶えてエラい。おまけに自分のことを過小評価している控えめな性格なんて、もうそれは自然界のヒトコプラクダくらい貴重な生物だ。少なくとも、わたしは今までお目にかかったことがない。
    ヒロインの森川鈴音は誰もが認める美しい女性だ。モデル以外にも、CMに出演したり女優として演技の才能も認められている。そしてお決まりのパターンのように口が悪くがさつで、食欲旺盛。で、頭はいい。

    絶対ムリムリ!と言いながら、でも最後まで読めてしまいました。
    犬の「ヒューイック?」に思わず笑ってしまい、主人公が引っ越しのため転校することになったときの駅での別れにシクシクと涙し、やがてわたしは、彼ら3人の幸せを願いながら読み続けました。
    後半の展開はまったくもってわたし向きではなかったけど(迎えに行くとか呼び戻すとか)でも『そのときは彼によろしく』とは誰の誰に対する言葉なのか、これが意外だったので笑顔で読み終えることができました。
    途中にはいくつか胸を打つ名言もあったし、読んでよかったと思います。

  • 始めの方は読みにくいが、中盤からサクサク読める。
    主人公の父の台詞がイイ。
    物語も感動で涙します。
    花梨は長澤まさみがピッタリな気がします。DVDもいつか見たいな。
    2011年10月30日 18:00

  • 幼なじみってのがいない私にとっては、こういう関係っていいなって思う。決して変えれない時間や事実を仮想体験したり、他人の気持ちになれるのが本の良いところ。

  • 洒落た雰囲気で夢の中の話のよう。心根の優しい人たちの物語。

  •  物語に主に登場してくるのは3人の少年・少女たちと一匹の犬。
     両親の仕事の都合であちらこちらを転々とし、たまたまその町に住むことになった主人公・「智史」。
     とても小さく、度の合わないメガネをかけ、写実的だけれど、どこか歪んだ絵を描く「佑司」。
     そして、ダブダブのアーミーコートを着て、ちっとも女らしい言動のない、強気の少女・「花梨」。
     最後の一匹は、ゴミの中に捨てられ、言葉を失い「ヒューウィック」と鳴く犬。
     彼ら三人と一匹は、ゴミ山の中で毎日集まり、おもしろおかしく生活し、まるでこの時間が永遠に続くかのように日々を過ごしていた。

     けれど、別れは突然で、まずは智史の父親の転勤が決まり、それに伴って、智史の引っ越しが決まる。
     しばらくして、花梨も地球の裏側へと旅立ち。
     佑司もまた、たった一人の親である父親が体調を崩したことにより、町を出て行ってしまったのだ。

     そうしてバラバラになってしまった三人は、そのまま合うこともなく、15年以上の歳月が過ぎた。
     水草が大好きだった智史は、小さなアクアプラント・ショップのオーナーとなり、30を間近に控え、とても彼らしい控えめな生活を送っていた。
     そんな夜、智史の目の前に、美しい女性が現れた――。

     という話でした。
     なんと言うか、この作者さんらしいとてもロマンチックな作品でした。
     ジャンルで言うと、「純文学」? になるのかもしれませんが、もうちょっと読みやすい比較的「ラノベ」に近い部類の本だと思います。
     もうちょっと純文学だというなら、毒があってくれた方がいいかなあ……と思います。
     実は、花梨の秘密については、もっと別の方向を考えていたのですが、私が思っていたのとは違う、優しい方向の話でよかったんですけど、ちょっと拍子抜け。
     最後はもちろん、優しいハッピーエンドが待っていて、ああ、「終わったな」と感慨深くなりました。

     ただ、すごくよかったとは思うんですが、きれい過ぎる水に魚が住めないように、私はこんな本ばっかり読んでたら死んでしまいそうだ……とちょっと思ってしまいました。
     個人的にはもうちょっと小説は毒のある方がいいですが、きれいな小説を読みたい人にはオススメします。

     ただ、ふと思ったんですが、この人の小説って結構、軽く死が身近にあるんですね。
     こんなに死が身近にあるのに、さっぱりしている小説って逆に珍しいのかな、とは思います。

  • 水の揺らぎのように、ゆるやかな展開が良かった。

  • この、切なくて少しファンタジーっぽい感じ、すきです。

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。獨協大学卒業。'97年からインターネット上で小説を発表。2002年1月、「Separation」で出版デビュー、いきなり同作がTVドラマ化される。次作「いま、会いにゆきます」は映画化され、100万部を超えるベストセラーに。他の著書に「恋愛寫眞――もうひとつの物語」「そのときは彼によろしく」「弘海――息子が海に還る朝」「世界中が雨だったら」がある。

「2009年 『きみはぼくの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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