- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094084474
作品紹介・あらすじ
創立5年目にして、楽天球団をクライマックスシリーズへと導き、その指導力をあらためて証明してみせた野村克也。選手・監督として50年にわたる球界生活で得た原理原則を綴った伝説のメモ。そこにあったのは、「配球の原点」「スコアラーからのデータ利用法」「役目を確認させる打撃指導」「弱者の戦法」といった知将ならではの野球理論、そして「人づくりのポイント」「指揮官・リーダーの心構え」「機能する組織のあり方」など、上司としての管理術の数々だった。34万部の大ベストセラーとなった"球界のバイブル"、待望の文庫化。リーダーで人と組織はこれほど変わる-。
感想・レビュー・書評
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野球選手としても、監督としてもすぐれた業績を残した野村克也氏の書。
その教えは、理路整然としていてわかりやすく、感情にあふれていて、人に温かい。
気になったことは次です。
・原理原則、野球界に関わらず、どの世界でもそれが仕事をするうえでの礎になる。
・プロフェッショナルなのだから、野球の専門家になるべきである。
・戦いには4つの要素がある。戦力、士気、変化、心理、その中でも、士気:ムードは非常に大事である。
・大事になるのは、人間みな人生を生き抜くという使命をもって存在していることを選手に説き、その使命感を選手ひとりひとりに認識させることである。
・人生は幸福への努力である。
・一生懸命練習すれば技術は伸びる。しかし、技術だけでは限界がある。
・世の中に存在するものすべて理がある。
・決断と判断とは違う。決断とは賭けである。判断とは、頭でやるもの知識量や修羅場の経験がものをいう。
・小事が大事を生む。頂点に立つということは小さなことの積み重ねだ。
・野村野球はデータ野球というがそうではない。データとは試合の前までに用意するもの。一方情報とは試合の中で拾うものである。
・エースと4番は、鑑でなければならない。彼らの行動にチーム全体が正しい方向に進めるかどうかがかかっている。中心になる選手がいるからチームはうまく機能するのだ。
・選手の成長のためには個人記録やタイトルは絶対に必要なものである。
・仕事をする上で必要なこととして3つの能力が必要とされる。問題分析能力、人間関係能力、未来創造能力である。
・人間3人の友人をもて。原理原則を教えてくれる人、師と仰ぐ人、直言してくれる人。
・将来性ほどあてにならない言葉はない。
・いずれにしてもやる気を見せないかぎり、お金を払って試合を見に来てくれるファンの前で使うわけにはいかなかった。
・チームをつくるにはまずひとりひとりの選手をつくらなくてはならない。
・無知であることを自覚させ、無知は恥なのだと気づかせなくてはならない。
・まず社会人としての最低限の常識・礼儀・マナーをしつける社会人教育こそ重要なのである。
・私は、3つのポイントをもとに実践指導をしている。それは、ツボ、コツ、注意点である。
・地位が人をつくる。
・士は己を知る者のために死す。
・この選手を力いっぱい育ててやりたい、立派な人間にしてやりたいとおもったとき、何も誉めたり優しく接することだけが愛情ではないということだ。
・元首相の中曽根氏が良く使われる言葉に「結縁、尊縁、随縁」がある。人生とは縁である。縁を結び、縁を尊び、縁に従うという意味だ。
・人間学のないリーダーに資格なし。
目次は以下の通りです。
はじめに
第1章 意識改革で組織は変わる
第2章 管理、指導は経験がベースとなる
第3章 指揮官の最初の仕事は戦力分析にある
第4章 才能は学から生まれる
第5章 中心なき組織は機能しない
第6章 組織はリーダーの力量以上には伸びない
第7章 指揮官の重要な仕事は人づくりである
第8章 人間学のない者に指導者の資格なし
終章詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは名著。
野球選手に対して失礼な言い方となるが、野球選手の書籍とは思えないほど中身が濃い。
というよりも、一般的な啓発本よりもずっと中身が濃い。
もちろん野球を素材にした内容となっているが、原理原則・勉強と仕事と人生・教育・組織形成という、どの分野でも共通する内容となっている。
著者自身の経験を自分の言葉で解説しており、非常に分かりやすくためになる。 -
自分は野球に関してはあまり興味はなく、より一般的な人材育成/マネジメントの知見を期待して本書を読んだ。そういう意味では、野球成分が思ったより多く、期待していた内容とは少し違った。(これは本書が悪いわけではなく、単なる期待値との差。)
ただ、当然、参考になる点もあったので、メモしておく。
・弱いチームでも、相手よりも進んだことをやっているという優位感を与えることができれば、大きな効果を生み、戦力となる。
・頂点に立つということは小さいことの積み重ねだ(イチローのセリフ)
・「どの道を取ったか」「何を選んだか」という小さな選択肢が、周囲に影響を与え、その人間の評価につながり、そして最終的にはその者の人生を運命付けていくのである。
・若い時に学んだ経験や学習はあとになって必ず活き、逆にそのときに苦労しなかった選手、考えなかった選手はベテランになってからも同じ過ちを繰り返す。
・監督は「気づかせ屋」でなくてはならい。判断基準を教えて、その基準をレベルアップしていかねばならない。
・誰にだって不平不満があるが、それを口にするかしないかが、いい組織とダメな組織の境界線になる。不満のない人はいないが、それをぐっとこらえる抑制術は人間教育ができていないと持ちえない。 -
〈投手編〉
シュートをなげる選手が意外に少ない。
標準的な球種は、直球とスライダーとシュート、決め球にフォークかチェンジアップ。
コントロールがなければ投手と言えない。
内角あるいは外角一辺倒の配球は球質が良くても打たれる。
球の緩急もそうだが、投球フォームの緩急も必要。
変化球は、急速と制球の不足を補う。
〈戦術編〉
野球選手は、野球博士になること。
野球は強い者が必ず勝つとは限らない。
常勝西武は、データ野球に長けていた。
負けゲームでも選手のモチベーションをあげることが大事。
センターラインが重要。キャッチャー、ショートは打撃二の次。
「のびのび野球」は何年も続かない。
長距離バッターでない者がホームランを打つと勘違いし、スランプに陥る。
〈その他〉
他人がくだした評価こそが正しい。
小事が大事を生む。
若い時に苦労しなかった者は歳をとってから苦労をする。
将来性ほどあてにならないものはない。
社会人野球に高校生を育成してもらう(プロ野球ではなかなか育成できないから)。
社会人野球は、プロ野球の屋台骨を担っている。
いきなり監督になるのではなくコーチ期間が必要。
小学生のコーチが、野球指導者の原点。そこには、チームの強化、育成、指導、管理、実践の全てのエッセンスが詰まっている。
中曽根元総理大臣いわく、「光ばかりでなく影の部分が必要」。
地位が人をつくる。
勝率5割以下のチームがペナントレース3位でクライマックスシリーズに進み、それを勝ち抜き、日本シリーズをも制覇した場合、それを真の日本一と呼べるか⁉︎
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ヤクルトで古田を育てたイメージが強いけど、元々南海で一流プレイヤーとして活躍した同氏。それだけでない、社会人野球、シニアリトルリーグでの監督経験が、その後の阪神、楽天での名伯楽を生んだんだろうな。組織づくりとは人づくり。昔も今も変わらない原理原則だと思う。
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古本屋で100円で買ってから3年ほど積読していました。
ちょっと手に取って開いてみたら、面白くてあっという間に読み終わってしまいましたw
野球というシンプルに見えて奥深いスポーツをやる上で
考えることの大切さが野村さんの経験を踏まえて具体的に述べてありました。
プロ野球の見方が変わりそう。
プロ野球選手とは、野球を仕事にしてご飯を食べる社会人。
野球だけではなく
その社会人としての人格形成、人材育成の重要さ、プロとしての在り方、指導者の責任等について説かれていて、どんな職種の人にも通じる内容だと思います。
野村さんの人生論がとても勉強になりました。
こんなにいい本だったとは...
自分が中学生の時にこの本を読んでいれば、野球への取り組み方が大きく変わっていたのではないかと、少し後悔しましたw
プロ野球の発展には、選手や球団だけではなく
ファンの責任もあるように思えます。
野村さんがプロ野球界に残した功績というのは計り知れないですね。 -
仕事でも通ずるものがある、と感じた
①「人生」と「仕事」は常に連動しているということを自覚せよ(仕事を通じて人間形成、人格形成をしていくということ)
②人生論が確立されていないかぎり、いい仕事はできないということを肝に銘じておくこと
③野球をやるうえで重要なのは目(のつけどころ)頭(考えろ、工夫しろ)感性(向上心、ハングリー精神)
④技術的能力の発揮には「コツ」「ツボ」「注意点」が重要となる
⑤無形の力をつけよ(情報収集と活用、観察力、分析力、判断力、決断力、先見力、ひらめき) -
現役・監督時代の考え・見方やその時のプロ野球界に対して思うことが淡々と続くかんじ。
野球は好きだが、この本はそこまでのめり込めなかった。
だだ所々なるほどっと思う箇所はある。 -
データ野球を先行してやってきた
野村監督の着眼点や観察力の
凄さが見えた気がする
そして何事においても
人間は人間でしか動かせないのだと
感じた
やっぱり野球は面白くて奥深い -
名選手・名監督の誉れ高い野村克也氏の人材育成・管理術。
う~ん、野球の戦術についての記述が多くて、違う方面での文章を期待していた自分には少し期待はずれ。
それでも、「なるほどねぇ」、と思わせる内容は、野村氏の経験に基づいた実績のたまものかな。
目から鱗、というような目新しい育成・管理術はないんだけど、実績があるだけに説得力は充分。
☆3個
ただ、一言だけ。。。
この本をブックオフ津南店に売った人!
本を売るなら蛍光ペンでラインを引くのはやめてくれ!!
ったく、常識を知らんのか!?
・心が変われば態度が変わる
・態度が変われば行動が変わる
・行動が変われば習慣が変わる
・習慣が変われば人格が変わる
・人格が変われば運命が変わる
・運命が変われば人生が変わる
元はヒンズー教の教えらしい。