- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094087000
感想・レビュー・書評
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読書録「考えない練習」4
著者 小池龍之介
出版 小学館
P93より引用
“それより良いのはもちろん、最初からまったく不愉快にならな
いですますことです。それには、脳内における情報処理が勝手に
進んでしまわぬよう、「情報を入り口で止める」訓練が必要にな
ります。”
目次から抜粋引用
“思考という病
身体と心の操り方
話す
聞く
見る”
僧侶である著者による、身体と心を穏やかにする為の方法を記
した一冊。
考えすぎる事による害についてから脳研究者との対談まで、仏
道修行の手法をもとに書かれています。
上記の引用は、心の情報操作について書かれた項での一文。
色々な雑音が耳から入ってきているにも関わらず、それに心を動
かされないという境地に至るのは、余程の修行が必要であるのだ
ろうなと思います。
とにかく情報が常に流れ込んで来る時代ですので、上手く調整
するためにもこの本のような手法は役立つのではないかと思いま
す。
ーーーーー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仕事上でのまわりの社員との確執。仕事で失敗することへの恐れ。
自分で勝手に作り上げるその環境。
見方を変えれば何のこともないことがほとんど。そんなヒントをくれる本だった。
この本には書いていなかったと思うが、開き直って取り組むことも有効かなと感じることができた。 -
【三毒】
・欲
情報を求める心の衝動エネルギー
・怒り
情報に反発する心の衝動エネルギー
・迷い
目の前のことに飽きて別の刺激を求める心の衝動エネルギー
無知の煩悩とも言う=自分の体の中での意識の働きや思考の動きを知らない
【八正道】
ステップ⓵ 自己ルールを律しぶれない芯を作る
正思惟 思考内容を律す
正語 言葉を律す
正業 行動を律す
正命 生き方を律す
ステップ② 集中力を養う
正精進 心を浄化する
正定 集中する
ステップ③ 気づく
正念 心のセンサーを磨く
正見 悟る
【正思惟】
念力 自分の心の状態に気づく
定力 心の働きを変える
六門 目、耳、鼻、舌、身、意 外部からの刺激に気づく方法
【話す】
〇自分の声音の観察→ 違和感があれば自然に修正される
〇ネガティブな思考を感じたら、その感情を真っすぐに見つめる
例:「むかつく」と思っている
〇謝罪の際には、具体的な対策を述べる「次からはこういうやり方、順番で、同じ失敗を繰り替えさないように気を付けます」
〇言い訳は、相手の性格や感情を分析しながら注意深く選ぶ
〇無駄話をしない
相手にとって有意義でないもの、心にもない相槌やフォローを返さなければならない話
〇ありがとうを連発しない
社交辞令は必要最低限にする
【呼吸する】
呼吸を意識する→違和感があれば自然に修正される
【聞く】
〇暴力的な音や大きな音はできるだけ遠ざける
自分でもできるだけ音を立てずに動作する練習をする
〇周りの音を意識的に聞いてみる
〇相手の感情に着目して聞く
相手の声音、速度、呼吸、表情の変化に着目
〇批判されたときは、相手の苦しみに目を向ける
「怒り」→喉に何かがつまったような声
「慢:自己評価を気にしプライドにしがみつく」→相手を馬鹿にしたようなトーン
〇音そのものに注意して聞くことで、最初から不愉快にならないようにする
【嗅ぐ】
嗅いだままにする
あるにおいが鼻を刺激して、それに怒りを感じているだけ
【見る】
〇ニュートラルなものをしっかり見る
例:看板が見えている→近づいて見える→今見えなくなった
〇見ることにより自我が強く刺激されるようなものも避ける
〇相手の感情に着目して聞く
相手の声音、速度、呼吸、表情の変化に着目
↓
ただし自我に還元させないで客観視する
〇緊張した時などは、いったん目を閉じたり半目になったりしてみる
〇自分の姿も相手の心を刺激していることを心の片隅に置く
自分の表情に自覚的であるように心がける
【書く読む】
ネガティブなことは書かない
計画する
あらかじめ決めておく -
考えない練習
著:小池 龍之介
本書で提案する思考の調教とは、五感を研ぎ澄ませて実感を強めることにより、思考というヴァーチャルなものを乗り越える手だてである。目・耳・鼻・舌・身の五感に集中しながら暮らす練習を経て、さらには思考を自由に操ることを説いている。
本書の構成は以下の9章から成る。
①思考という病
②身体と心の操り方 話す
③身体と心の操り方 聞く
④身体と心の操り方 見る
⑤身体と心の操り方 書く 読む
⑥身体と心の操り方 食べる
⑦身体と心の操り方 捨てる
⑧身体と心の操り方 触れる
⑨身体と心の操り方 育てる
ざわつく心は不安からくる。
考えすぎる思考病から抜け出すにはどうすべきか。
不安やストレスなく過ごすには考えないにこしたことはない。
しかし、それができない。
そして、一気に改善はしない。
本書から向かうべき方向を確認しつつ、今の自分が受け止められる教えと真摯に向き合うほかない。
丁寧に生きる。
そこがキーワードになると感じる。 -
何か嫌なことを思い出して、もやもやしながら時間を無駄に過ごしてしまうことが多かったで、本書を読みはじめました。まだ、練習中なのですが、だんだんと効果を感じています。
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僧侶である著者が「なぜヒトはやたらと雑念が多くなってしまうのか」について説明しています。また、雑念をうまく振りほどいて安穏な精神状態になるにはどうすればよいかについても説明しています。雑念発生のメカニズムについては概ね僕が普段から思っていることと同じで、しかもそれを明文化してくれているのでよりはっきり自覚的になれました。対処法についても感覚に注意を注ぐことが大事とのことなので、意識していきたいと思います。
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当然ながら仏教ベースなので、科学的な話より観念的な話が多いのは否めないが、全体として悪くないかなと思った。得に冒頭の「考えすぎるとはどういう状態なのか、なぜよろしくないのか」という説明にとても頷く。