マザー (小学館文庫 ひ 7-2)

著者 :
  • 小学館
3.64
  • (3)
  • (5)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 52
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087673

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 記憶やデジャヴみたいなものをミステリーにしたらこうなるのかー。プロットがしっかり考えられていて、最後まで飽きずに読めた。疎遠になった友人や、気が合わなくなったと感じる友人はこんな感じで書き換えられているのかも?

  • まっすぐ自分の道を行こうとするヒロインが魅力的すぎるほど魅力的。 ヒロインの行動は物語の解決に向けて直接役立つことは少ないけれど、主人公、脇役、黒幕、みんながヒロインを想って動くことによって、時代を超えた壮大な展開はまさかの解決に向かって突き進んでいく。 ヒロインはただ真剣に歩いていく。男はその物語に自分が割り当てられた行数だけ、ヒロインのために全力を尽くす。独占だの清純だの何だの、あれこれ余分なこと思い悩むなや、と作者がまったく意図していない理解をして、この作者の本を読みまくろうと決めた一冊。

  • すごくおもしろかった!と思う、個人的に。

    読み切るのに時間がかかったが、身近な人を思い通りに書き換えるという設定は斬新かつ現実的に感じさせる展開で、最後まで楽しんで読み切れた。

    この作家さんの書き方はすごく好きです。

  • 最後がものたりなかった。設定は面白い。

  • 大切なものは簡単には手に入らない。ゆえに尊い。

  • 他の皆さんのレビューを見ると、あまりパッとしない感想のようですが、自分は割と楽しめました。
    主人公がさして魅力的とは言えず、物語もSF的な要素が強いため、そのあたりを受け入れられないと自ずと評価が下がるのかもしれません。
    もっと救いのある結末が好きなので、積読しようとまでは思いませんが、終盤近くまで興味を持って読めたので、☆4つで。

  • うーん、最後が肩すかしというか物足りなかったなぁ、個人的には。えーーっ、これで終わり??って感じ。ページを捲ったら「解説」の文字だった時のガッカリ感といったら・・・
    初めは都市伝説??胡散くさっ、と思い、なかなか気分が乗ってこなかったのですが、コトの核心に迫りだした中盤からすごい引き込まれて、どんどん読み進めていって、全貌がわかったところで最後どう締めくくるんだろう?とワクワク期待が高まったのに、最後がうーーーん。
    記憶が消される、人がいないことになってしまう、という「イレイザーヘッド」と、「理想の人製造ソフト」という2つの都市伝説を絡めていく話、それがアドミニストレーター,エディター,マザーというシステムにまで進む話は、すごい作り込みだなあ、とホント中盤から後半はすごい楽しかったのに。
    結局伊神雄輝が一人でしょい込んで終わりってのはなぁ。まあ都伝研のみんなは書き換えられたわけではないので、そのまんまなんだろうけど。もう少し、ちゃんと終わってほしかったかな。
    最後の歌詞に多少の救いを感じなくはないけども。津川ほのかや亜矢は救われないってこと??外間さんが一人勝ち?えーっ?みたいな感じもするしねぇ。

    でも理想の人製造ソフト、怖いよね。冗談半分で押しちゃったら、と思うと・・・この時の伊神雄輝の心情描写はなかなか来るものがありましたねえ。霧島麻子だって・・・これからどうなっちゃうの?と心配になったり。
    イギリス発祥の割に、えらく閉じた世界で話が進むのも、ちょっとスケール感がねぇ。
    また、自分たちでその欠陥をあっさり当然のように指摘しながら、発案者はなぜその欠陥に気付かなかったのか・・・システムエラー対策にはものすごい気のまわりようなのになぜシステムそのものの欠陥に気付かない?理想が崇高な割に穴があるというか・・・

    解説で、佐川夏美のモデルがYUIと書かれていて、お、ウチもそう思いながら読んでたんよ、とニンマリ。YUIをもうちょっと美人顔にした感じなんだろうなぁ、とか思いながら読んでました。(補足:美人顔って、YUIが童顔というかカワイイ感じなので、もうちょっと大人びたというか少しキツイ感じにしたら、という意味ですので・・・)そう思うと、表紙の絵は良くイメージに合っているなあと思いました。

    中盤は楽しめたので、機会があれば他の作品も読んでみようかな?

    あと、どうでもいいのですが、すっごい紙がツルツルに感じました。小学館さんの本ってこんな紙質なんかしらね。ちょっと薄茶がかっているのに、指さわりがツルツルで最初すごい不思議な感触だった。

  • "忘れないと誓ったぼくがいた"と似たネタで、またか、という印象からスタート。

    作中の言葉を借りると電波な作者が書いた電波な小説。
    ネタは壮大な割に、ネタの展開する世界が狭過ぎで違和感が半端ない。
    主人公の二人に魅力が全くなく、二人の関係が進展していっても、なんだこいつらと思ってしまうほど。

    ミステリーと紹介されているが予想通りの展開しかしないためミステリー性は皆無で期待は禁物。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平山瑞穂の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×