凶暴老人: 認知科学が解明する「老い」の正体 (小学館新書 か 20-1)

著者 :
  • 小学館
3.20
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098253166

作品紹介・あらすじ

キレる高齢者の脳のメカニズムを解き明かす

駅やコンビニなどでやたらと駅員や乗客、そして店員を怒鳴りつけている高齢者が目立つ。こと暴行犯に限っては右肩上がりで増え続け、平成8年に比べて20倍もの逮捕者が出る始末だ。しかも、こうした「キレる高齢者」というのは、日本だけに見られる傾向であり、世界ではそのようなことはない。欧米では年齢を重ねるごとに幸福度が増すという研究結果があるにもかかわらずだ。
一般的には、男性ホルモンであるテストステロンがピークになる20歳前後がもっとも暴力的になり、他人に暴言を吐いたり、暴力を振るったりするのが普通なのだ。いったいなぜ、日本だけにこのようなお年寄りが増えたのだろうか。
もちろん、孤独や貧困といった外的要因があるのは事実だろう。しかし、本書では認知科学という研究分野から多くの実証実験を重ねて、「キレる高齢者」になりやすい脳のメカニズムを解き明かす。同時に精神的にも追い込まれていく高齢者を取り巻く日本の課題についても言及する。
高齢者にとっての3大不安要素は「カネ・健康・孤独」と言われる。そのあたりも本書を読めば、謎が解けるはずだ。

【編集担当からのおすすめ情報】
最近、やたらと大声で他人を罵倒する高齢者が増えていると思いませんか?駅やコンビニでキレているのはほとんどが分別がつくとされる高齢者です。いったいなぜなのか?著者の川合先生は認知科学の第一人者で高齢者をテーマに様々な実証実験を行っています。豊富な実験データなども余すところなく公開し、その謎に迫ります。

感想・レビュー・書評

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  • 文字通り、老人がなぜ凶暴化するかを脳科学の立場から分析した一冊。

    老人が切れやすくなるのは感覚として理解できるが、それを理解してケアことの大切さを学んだ。

  • 「中高年がキレる理由」の内容をデータを使って科学的に語っている。

  • 凶暴老人: 認知科学が解明する「老い」の正体。川合伸幸先生の著書。凶暴老人、些細なことでキレてしまう高齢者が増えているという報道はよく見聞きします。高齢者が凶暴になるには凶暴になるだけの科学的根拠がある。年齢を重ねれば誰もがいつかは高齢者になるのだから、本書で取り上げている老いの正体を高齢者と社会全体が正しく理解することが大切。高齢者を馬鹿にしたり批判したりするのは人として未熟なことではないでしょうか。

  • タイトルはインパクトが強すぎるが、編集者の意向ということらしい。サブタイトルは著者のようである。
    前半は科学の話。怒りをこらえられない理由を科学的に解明していく。ただし、解明されていないこととの区別は科学者らしく線引きされている。
    後半はどちらかというと筆者のこうあって欲しいという願望が書かれている。
    でも、今後科学的に調査するのであれば、筆者の書いたことが正しいかを検証する道筋をつけたという風にとらえることができると思う。分野の違う犯罪の分析まで踏み込んでいるが、物足りないのは仕方がないか。
    今後の調査研究でもう少し解明されると思うが、前半部分だけでも十分参考になる本だと言えます。

  • データを読み解くという内容がほとんど。ダイナミックな記述はないけど、真摯で丁寧で、高齢者への敬意が感じられる。

  • 著者があおるような意味じゃないと書いていたが、タイトルだけ見る人は老人が凶暴になりつつあると思ってしまう。
    確かに統計のマジックで老人が増えてるから件数としては増える。
    周りは孤独にさせない、本人は有酸素運動をするなど相互に努力ができる者のみがここに至らないと思う。

  •  
    ── 川合 伸幸《凶暴老人:認知科学が解明する「老い」の正体 20191003 小学館新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/409825316X
     
    ── 《ヒトの本性 なぜ殺し、なぜ助け合うのか 2015‥‥ 講談社現代新書》
     Kawai, Nobuyuki 発達心理学 1966‥‥ 京都 /中部大学創発学術院客員准教授
    /名古屋大学大学院情報学研究科
    http://www.cog.human.nagoya-u.ac.jp/~kawai/introduction.html
     
    …… 件数が減っても、高齢者の数は増え続けているので高齢者の占め
    る割合が上昇し、増加しているように見えるのです。
     最近、駅員やコンビニ店員などに対して、ものすごい剣幕で怒鳴りつ
    ける高齢者が増えているような……そう感じている方は少なくないはず。
     実際、ここ20年間で高齢者の暴行・傷害件数はおよそ20倍以上に膨れ
    上がっているというのだ。
     なぜ日本の高齢者はキレやすくなっているのか、
    https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1558799740/-100
     
    new-smart.info/news/iidukakouzou/
    ♀松永 莉子    真菜の娘 2016‥‥ 東京  20190419  3 /轢死
    ♀松永 真菜    莉子の母 1988‥‥ 東京  20190419 31 /轢死/沖縄出身
     松永 □□    莉子の父 1987‥‥ 東京 /20190424(32)遺影公開
    https://rockyrocky.work/matsunagamana-husband-namejobface/
     飯塚 幸三 元クボタ副社長 19310601 東京 /20190419(87)暴走/元工業技術院長
    https://www.asahi.com/articles/photo/AS20190422004278.html
     
    https://twitter.com/awalibrary/status/1120515922630934528
     ↓暴走
    https://twilog.org/awalibrary/search?word=%E6%9A%B4%E8%B5%B0&ao=a
     
     むかし町内に七十歳以上の老人は、いたかもしれないが思いだせない。
     いまや近所に七十歳以上の老人は、あまりにも多すぎて思いだせない。
     年寄りの運転が危険なのは当然で、むかしの老人は免許証がなかった。
     
    (20190526)
     

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著者プロフィール

名古屋大学大学院情報学研究科教授

「2022年 『認知科学講座2 心と脳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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