異状死: 日本人の5人に1人は死んだら警察の世話になる (小学館新書 437)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098254378

作品紹介・あらすじ

「多死社会」で起きる“異常”事態 《イジョウ死》と聞けば多くの人は「異常死」という漢字を思い浮かべ「不審な死に方」を想像するが、本書で取り上げるのは《異状死》である。検視(検死)というと、殺人事件や事故死、医療ミスによる死亡などの「事件」の話に聞こえがちだが、実態は“ごく普通の死”での検視が大半だ。自宅や施設など病院以外での死亡や、持病ではなかった死因の場合は基本的に《異状死》と判断され、警察の捜査や検視が必要になる。現在は5人に1人が異状死扱いとなっており、在宅看取りが推進される中でその数は飛躍的に増えていく。親族や自身が《異状死》となった場合、どんなことが起きるのか。父母を亡くした著者の体験を入り口に、摩訶不思議な日本の死因究明制度とその背景をレポート。さらに、自身や家族が「異状死扱い」されないためにはどうすればいいのか、法医学者や警察医、在宅看取りを行う医師たちを取材し、その対策も探る。

感想・レビュー・書評

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  • ■東京都監察医務院の示す異状死のガイドライン
    1 病死及び自然死の一部
    ①医師の診断を受けずに死亡した場合
    ②医師の診断を受けたが死因不明のまま死亡した場合
    ③医師の診療中の病気と違った原因で死亡した場合
    ④発病又は死亡時の状況に異常がある場合
    2 すべての外因死とその後遺症による死亡。不慮の外因死(交通事故死、転落死、溺死、焼死など)自殺
    3 不詳の外因死か不明なもの
    4 診療行為に関連した予期しない死亡やその疑いがあるもの
    ■日本法医学会の異状死ガイドライン
    ・「確実に診断された内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外のすべての死体」
    1 不慮の事故
    ・交通事故
    ・転倒、転落
    ・溺水
    ・火災
    ・窒息
    ・中毒(毒物、薬物、駐車や接触など)
    ・異常環境(凍死、熱射病、潜函病など)
    ・感電・落雷
    ・その他の災害
    ・上記に分類されない不慮の事故による全ての外因死
    2 自殺
    3 不慮の事故、自殺、他殺のいずれであるか死亡に至った原因が不詳の外因死

  • 家でコロっと死にたい。
    それがなかなかできないことが分かった。
    状況により119番通報をせず、日頃お世話になっている訪問医やかかりつけ医に連絡した方がすんなりお別れができるかもしれないが、その場になればそんな判断すらできるか自信がない。
    家族ともそれとなく「どうしたいのか」希望を聞いておいた方がいいし、亡くなった後、長時間の警察の事情聴取に耐えられる自信はない。

  • 大量死の時代はもうすぐ。自分には関係ないとは言えない話題ですね。死因を曖昧にすることは、亡くなった人の死を無駄にしてしまう事だと思う。解剖ではなくAIで構わないから、死因をより正確に知ろう、確かめようという気運を盛り上げてほしい。

  • 異状死を問題提起した点で時期にかなった本。死者にも尊厳があると言う指摘は重要だろう。

  • 0/5
    『「多死社会」で起きる“異常”事態
    《イジョウ死》と聞けば多くの人は「異常死」という漢字を思い浮かべ「不審な死に方」を想像するが、本書で取り上げるのは《異状死》である。
    検視(検死)というと、殺人事件や事故死、医療ミスによる死亡などの「事件」の話に聞こえがちだが、実態は“ごく普通の死”での検視が大半だ。
    自宅や施設など病院以外での死亡や、持病ではなかった死因の場合は基本的に《異状死》と判断され、警察の捜査や検視が必要になる。現在は5人に1人が異状死扱いとなっており、在宅看取りが推進される中でその数は飛躍的に増えていく。親族や自身が《異状死》となった場合、どんなことが起きるのか。
    父母を亡くした著者の体験を入り口に、摩訶不思議な日本の死因究明制度とその背景をレポート。さらに、自身や家族が「異状死扱い」されないためにはどうすればいいのか、法医学者や警察医、在宅看取りを行う医師たちを取材し、その対策も探る。』(「小学館」サイトより)


    『異状死: 日本人の5人に1人は死んだら警察の世話になる』
    著者:平野 久美子
    出版社 ‏: ‎小学館
    新書 ‏: ‎288ページ
    発売日 ‏: ‎2022/9/29


    目次
    はじめに
    第1章 父が、母が、「イジョウ死」扱いに
    第2章 異状死という日常
    第3章 異状死の異常な金銭考察
    第4章 異状死は減らせるか
    第5章 施設でも起きる異状死
    第6章 死因究明になぜ淡泊なのか
    第7章 世論の高まりこそ大切
    あとがき

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著者プロフィール

平野久美子 (ひらの・くみこ)
作家。東京都出身。学習院大学仏文科卒業。編集者を経て1990年代末より執筆活動へ。学生時代から各国、特にアジアを巡り、その体験を生かして多角的にアジアと日本の関係をテーマに作品を発表。台湾の日本統治時代に関心が深く、取材を続けている。主な著作に『淡淡有情』(小学館ノンフィクション大賞)『トオサンの桜』(小学館)『中国茶 風雅の裏側』(文春新書)『水の奇跡を呼んだ男』(産経新聞出版、農業農村工学会著作賞)『テレサ・テンが見た夢』(ちくま文庫)『台湾世界遺産級案内』(中央公論新社)など。日本文藝家協会会員、一般社団法人「台湾世界遺産登録応援会」顧問。

「2021年 『牡丹社事件 マブイの行方[増補版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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