新九郎、奔る! (1) (ビッグコミックススペシャル)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098600014

作品紹介・あらすじ

戦国大名の先駆け、伊勢新九郎の物語!

織田信長、豊臣秀吉、徳川家康……
かの有名な武将たちが活躍する時代の少し前、
戦乱の世のはじまりを生き抜き、切り開いた男がいた―――
その名を伊勢新九郎。
彼はいかにして戦国大名となったのか。
彼はそもそも何者だったのか。
知られざる伊勢新九郎の生涯を、まったく新しい解釈で描く意欲作!
「戦国大名のはしり」とも言われる武将を描く、
話題騒然の本格歴史コミック、待望の第1集!!!!!


【編集担当からのおすすめ情報】
小田原北条氏の祖、北条早雲としても有名な伊勢新九郎。
連載開始直後から硬軟織り交ぜた歴史描写の妙に賞賛の声が続々!
ゆうきまさみ氏が、「下克上」のイメージを覆す、見たことのない伊勢新九郎像に挑みます!

感想・レビュー・書評

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  • TSUTAYAのレンタル落ち。7巻まで安く手に入れたので、そこまでレビューしようとしたら、思いの外良書な由。少しずつ読む。

    大河の「鎌倉殿の13人」では先週、いい国作ろう、征夷大将軍の任命(1192年)が描かれたが、コミックはその300年後、1493年(明応2年)、本書の主人公・伊勢新九郎盛時38歳が伊豆国の「鎌倉公方」を襲撃するところから始まる。もはや「鎌倉殿」の権威は地に堕ちているのである(大河を意識しているわけではない。連載開始は2018年)。
    「お前さんも大変だな。主が変わる度に右往左往させられてな」と家来にしてはタメ口の左近次が言えば、
    「言うな、やるしかないのだ」そのあとモノローグ「ここまではやる!だが、この後のことはもう決めたぞ。俺が決めた!思えば簡単なことではないか。明日から俺の主は俺だ!」と決意する。と、一転27年さかのぼり、1466年(文正元年)。新九郎(伊勢千代丸)11歳は京都にいて物語が始まるのである。

    さて、wikiで調べました。
    明応2年は戦国時代始まりの年らしい。
    そして文正元年の伊勢千代丸の立場は、
    室町幕府政所執事の伊勢貞親の甥しかも次男坊でした。
    このあと、詳細は省くが「文正の政変」により、貞親と新九郎の父親は都落ちし、すぐ後に有名な「応仁の乱」が始まるのではある。その過程で、ゆうきまさみは何も知らない私たちのために「噛んで含めるように」幕府の人物関係、勢力関係を説明していくのですが、これが案外一巻読むのに一冊本を読むくらいの時間がかかりました。

    それで、伊勢千代丸→伊勢新九郎→伊勢盛時って誰だろう?調べたら、あなおかし、北条早雲の若き日の姿らしい。司馬遼太郎の頃までは、北条早雲は中年になって頭角を表し、冒頭の鎌倉殿討ち入りの時は62歳が定説だったけど、最近になってそれが覆ったらしい。88歳まで生きて、初期戦国時代の雄として下剋上の典型、大器晩成の代表として講談とかで語られたのは今は昔。本当は24歳若い64歳で亡くなる全く新しい北条早雲像が描かれるようだ。

    私の興味関心は古代しかも弥生時代なので、ひとつひとつの言葉が新鮮なのだけど、応仁の乱、並びに中世時代、戦国時代の学習になる。しかも、新九郎はやがて、わが岡山県井原市にやってきてなにやらするみたいなので、非常に楽しみ。

    ゆうきまさみは、最近のポット出の漫画家ではない。「究極超人あ〜る」で、吾妻ひでおやとり・みき張りの不条理ギャグでデビューしたと思いきや、一転「機動警察パトレイバー」で、かなり絵的にも設定でも緊密に構成されたポリティカルSFを作ったりした。一転「じゃじゃ馬グルーミング・UP!」では、地道な馬飼漫画を描いた。職人なのか、大器晩成なのか、よくわからない不気味さを持ったベテラン漫画家なのである(なんとなく新九郎の生涯に似ている)。

    その彼が、おそらく満を持して始めただろう本作は、徹底的なリサーチが十二分に解る漫画なのだ。 少しづつ付き合っていきたい。

  • 時代選定が良いですね。新しい。新九郎は後の北条早雲。
    一休さんで馴染みの新右衛門…の息子が登場(笑)。
    漫画としてはどうなんだろう。この時代の知識が少しあると、より楽しめそう。ただ、文字がとても多いので好みは分かれそう。

  • 若い新九郎が、どうやって難題を解決するのか。
    時代もの、ということもあり、その過程や方法がひとつひとつ新鮮でわくわくする。
    ゆうきまさみさんのコミックはいつも面白い。絵もかわいいし。

  • 買ってから半年ほど経ってようやく読んだ.いやね? 歴史は嫌いでね,まったく食指が動かなかったんですよ……え? ならなんで買ったんだって? 「ゆうきまさみ」だからに決まってんやん?
    もうね,何がツライって同じような名前ばっかり出てきて覚えるのが大変なんですよ.なんでも,主人公の伊勢新九郎は戦国大名の走りっていうじゃないのよさ? 正直「ふぅん……」という感想以外はないんだけど,そこはそれやはりゆうき漫画なんですよ,面白いですわ.

  • ゆうきまさみさん的大河ドラマ、開幕!
    思えば、政治的な要素は『パトレイバー』や
    『鉄腕バーディー』の頃からだいぶありましたが、
    今回は歴史ものだけに、より濃厚さを増した感じです。
    舞台背景の難しさ、主人公の境遇の難しさ、
    名前や官職の難しさなど、やや取っつきにくい部分も
    ありますが、現代的なことばやギミックを
    さりげなく挟み込むミスマッチの妙と、
    ゆうきさんらしい語り口の軽快さで、
    敷居はやや下がっていますね。
    先は長そうな物語ですが、どうなりますやら!(^^)

  • やっと買ったぜ、やっと読んだぜ。
    チョイと説明が多いけど、流石のベテラン、読みやすい。

    時代物なんだけど、矢張り漫画にするなら、この絵柄なら現代の言葉でスパッと語らせるほうが読みやすいね。もっと劇画調の作者なら古語の方が感じ出るんだろうけど、ゆうきまさみのタッチで描くのであればコッチだろうね。

    あ、面白かったです。やっぱり。

  • めちゃめちゃ面白かった!
    官職名に名前のルビを振ったり、工夫しているなあと。個人的な好みを言えば、英語は使ってほしくなかったけど。
    これ大河ドラマにしてほしい。

  •  ゆうきまさみさんの新作は、なんと歴史物でした。

     そもそも、郷土や歴史に興味がなければ別ですが、神奈川県民であれば「伊勢新九郎」と聞けば、何者かはわかるのではなかろうかと思います。
     そう、戦国大名「北条早雲」であります。

     戦国好きにとっては、戦国大名の先駆けである彼は、その謎めいたところも相俟って、なかなかの人気者ですが、一般的には「教科書にちょこっと出てくる」レベルの知名度ですよね。
     ということで、なんでまた、そこに注目したのかはよくわかりませんが、解説なんかも入って読みやすい作りになってますし、個人的には大好きなジャンルなので期待大です。

     1巻は、文政の政変から始まって、いよいよ応仁の乱が始まるというところ。
     新九郎が幕臣になるのはもう少し後なので、次巻以降どういう流れになるのか、楽しみです。とりあえず、キーマンであるお姉ちゃんの嫁入りですかね。

  • ハマダ的には”究極超人あ~る”以来のゆうきまさみ作品♪
    (パトレイバーは途中で挫折したw)
    ただでさえとっつきにくくて分かりにくい室町戦国期をどのように
    描いてくれるのか楽しみなんですが、この掲載ペースでは
    1巻冒頭のシーンまであとどれくらいかかるのか・・・。

  • ずっと前の「ヤマトタケルの冒険」的なノリと「パトレイバー」の人間ドラマで描く伊勢新九郎の物語。今後の展開が楽しみ。

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著者プロフィール

漫画家。1957年北海道生まれ。80年デビュー。『究極超人あ~る』で星雲賞マンガ部門、『機動警察パトレイバー』で小学館漫画賞少年部門受賞。近作『白暮のクロニクル』『でぃす×こみ』『新九郎、奔る!』。

「2019年 『ゆうきまさみ 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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