すべて忘れてしまうから (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1651
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101003528

作品紹介・あらすじ

人生はままならない。だから人生には希望が必要だ。深夜ラジオを聴いた部屋で、祖母と二人きりで行った富士サファリパークで、仕事のためにこもった上野のビジネスホテルで、仮病を使って会社を休んで訪れた石垣島で、ボクが感じたものは希望だったのかーー。良いことも悪いことも、そのうち僕たちはすべて忘れてしまう。だからこそ残したい、愛おしい思い出の数々。著者初のエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • ダウナー系というのか、ずっと気怠いテンションで書かれているのがとても良かった。この気だるさの中にも悲しさや懐かしさなど、心を揺さぶるような瞬間があって、こちらにも伝わってくる。
    見開きくらいの短編なので、本当の隙間時間にも読みやすいのも良いところ。
    時折留めておきたいような言葉が出てきていたので、別途メモに残したい。
    ぜひ、ほかのエッセイも読みたい。

  • いいねぇ!肩の力抜けてて、人生に気負いを感じさせない文体。かと言って作者は人生を舐めてるのか?とんでもない。作者の優しさ、葛藤、苦悩、人生への讃歌を受け取りました。すごく切ない話があれば
    どうでもいいですよっ笑 って話もあれば
    涙が…溢れはしないが、グッとくる話もある。気構えずに読むくらいが作者も喜んでくれるかな?

  • 文章の余韻がいいなあと思った。

    けだるい諦念のようなものが心地よく漂っている。

    この雰囲気、好きだ。

    誰かが煙草をぷかぷかやりながら独白のように語っていて、それを聞いているような感覚。
    言葉は紫煙と共に立ちのぼり、やがて消えるけれど、そこにはほろ苦い匂いが残り続ける。

    そんな香りが鼻をかすめる一冊だった。

  • ゆるくいこうと思いました。

    ポインティとの回と祖母とホームランバーの回が特に気に入った。

  • 私が女性だからか、男性の感覚で書かれてた。
    難しい…

  • 2作目から遡って1作目のエッセイを拝読。
    コロナ禍の頃、世の中の空気感ああこんな感じだったよなと思い出した。おばあさんとの件りや、亡くなってしまった知人に思いを馳せる話がじんときて良かったです。2作目よりも病み?が深かった頃に書かれたものが多いのか、苦しかったんだろうな、えぐいなぁという話が多かったけど、歯を食いしばって日々を生きてこられた感じが読んでて伝わってきた。毎日を大切にがんばれそうに思えました。

  • 小説『ボクたちはみんな大人になれなかった 』を読んだとき、そんなに好きじゃないなと思っていた。が、これはそんなイメージを吹き飛ばしてくれた。
    こちらはエッセイで1つのお話が3,4頁で終わるためとても読みやすいし、感情に働きかけるなにかがあった。小説のときはこのエモさが上手く物語と繋がらなかったような気がする。だから、この作者は小説よりエッセイ向きの人なのかなとか思ってみたり。
    良いエッセイばかりだった。特に好きなのは「偉そうにするなよ 疲れるから」「君はいつか知らない誰かとまたここに来る」でした。

  • 燃え殻さんのことを知ったのは、Twitterだった。繊細と優しさとべらんめえの混ざり方が絶妙だなと思いながら眺めていた。そんな燃え殻さんのエッセイ集。SPA連載。

    祖父の話「偉そうにするなよ。疲れるから」が好き。泣ける。

  • 登場する人物が特別目立つわけでも取り立てて魅力的なわけではないんだけど、なんだかすごく粋なんだよな…すごく好きでした

  • 他人に見せる用に着飾った人生じゃなくて、"そのまま"って感じのエピソードを読ませてもらいました。ほぼ全ての話を4ページでまとめている。すごい。

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著者プロフィール

1973年生まれ。小説家、エッセイスト。
2017年、小説家デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』がベストセラーとなり、2021年秋、Netflixで映画化、全世界に配信、劇場公開された。
小説の著書に『これはただの夏』、エッセイ集に『すべて忘れてしまうから』『夢に迷って、タクシーを呼んだ』『相談の森』『断片的回顧録』がある。最新作は『それでも日々はつづくから』(新潮社)。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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