マタンさんの感想
2016年9月30日
読書注意。 人によっては恐ろしいほどに 胸糞の悪くなる本だと思います。 人は、生まれつく場所を選べません。 主人公である甫はいわゆる妾の子として 恵まれぬ日々をすごすことになります。 どんなに物事を起こそうにも そこには全ての諸悪の根源である 父親の影がちらつきます。 絶対的な存在からどうにかしても 逃れたい甫はもがき苦しみます。 私はそういった環境の人間ではありません。 ですが不意の出来事によって 産み落とされた命が 蔑まれてすごさねばならぬ 不条理さにはただただ憤りを覚えます。
小説家、詩人。元セゾングループ代表。著者に『茜色の空』など。 「2010年 『大澤真幸THINKING「O」第4号』 で使われていた紹介文から引用しています。」