- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101040233
感想・レビュー・書評
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※知人から貸りた本
気になっていたけど青春小説ということで手が出ずぐずぐずしてたら知人が借してくれて読めたありがとう
高校生のみ登録可能なマッチングSNSアプリ『オルタネート』を主軸に展開する青春群像劇
と書くと高校生の恋愛物と思われがちだけど(自分もそう思ってた)その要素も含めてまだ未完成な彼らの葛藤と希望の日々が描かれる
まず高校生たちなのに主人公の言葉が荒くなくて読みやすかった
(これは結構重要で汚い言葉ばかりだと疲れてしまって読めないので
前半ちょっとタルくてあまり進まなかったのだが中盤を過ぎた頃には夢中になって結局明け方まで読んでしまった
アイドル作家ということに偏見は無いつもりでもやはりどこか色眼鏡で見ていた自分が情けない
終盤のワンポーション(料理バトルTV番組)&文化祭のバント演奏&恋愛未満の行く末が並行して書かれる盛り上がりが良い
3人の物語はそれぞれ別に進むのにこの収束具合そして交わるようで交わらない終わり方も良い
順調に とはいかなくても各々の道を歩き出す最後はそこを通ってきた者にも切なさと懐かしさを感じさせてくれた(うわ恥ずかしい///
個人的には序盤の生物学教師の猫の話が好き
既刊チェベローズ2冊がミステリ仕立てらしいので読んでみたい -
アイドルだからと言って侮れない。ちゃんと面白く、当然最後まで読み切れるし、高校生直木賞等でも評価されている作品なわけだから、面白くないわけがなかった。
3つのパートに分かれているが、登場人物が交わることもあり、何をおいても最後のライブと料理バトル、互いの気持ちのぶつかり合いが重なったラストシーンはカタルシスがスゴい。
加藤シゲアキが最も盛り上がるシーンを「はい、ここです!」と示してくれている。
余韻まで感じられ、エンタメとして素晴しい物語だった。 -
本屋大賞ノミネートされていたときから気になっていた作品で、文庫化されたことで購入!序盤は「SNSアプリ」「高校生」というテーマから幼さを感じてしまって没入できなかったが、段々と作中の高校生達みんなに感情移入してしまいスルスルと読めてしまった。変化と安定を求める矛盾。選択することの残酷さ。共生する尊さ。自分自身もこの時期ならではの悩みを通ってきたなー。あとがきも素敵でした。生という種、経験という土壌、他者という水、そしてそれを選ぶ自分自身。『私は私を育てる』
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アーティストが片手間で書いた小説
という偏見がずっと頭にこびりついてた。
読み終えて、こんな小さい考え方しかできなかった自分に嫌気。かつ、加藤シゲアキへのリスペクト。
この人は真剣に小説に向き合ってる。
それはあとがきを読んでも分かる。
あらすじは他の読者に任せる。
とにかく躍動感のある小説だった。 -
非常に読みやすかった!!!
3人の主要人物とそれを取り巻く人々の心の内。
高校生の縛られたくないけど、周りの目や家族、友達などから逃れられない、大人になりきれないもどかしさがなんとも言えない気持ちになりました。
ただ、そんな中でも素直に真っ直ぐ向き合おうとする瑞々しさはキラキラしていて感動でした! -
高校生専用SNSを軸にした青春群像物語
以下、公式の作品紹介
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わたしは、わたしを育てる――。
文壇からの高い評価、読者から熱烈な支持。その両者を獲得した新世代の青春小説、待望の文庫化!
吉川英治文学新人賞受賞・高校生直木賞受賞・『ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE YEAR 2021 第1位直木賞候補・本屋大賞ノミネート作<あらすじ>
高校生限定のSNSアプリ「オルタネート」が必須の現代。料理コンテストでの失敗に悩む調理部部長の蓉は、再びの挑戦を決断。高校を辞め居場所を探す尚志は、音楽家らのシェアハウスに潜り込む。オルタネートを信奉する凪津は、アプリが導く運命の相手を探す。そして文化祭の初日、三人それぞれに起こる奇跡――。10代の残酷さと煌めきを鮮やかに切り取る、青春小説の新たなマスターピース。(解説・重松清)
<加藤シゲアキ氏コメント>
『オルタネート』は、本当に私を遠くまで連れていってくれた。そしてテーマ同様、私を大きく育ててくれました。
こんなに自著に感謝することはこの先ないかもしれません。
胸を張って、言わせてもらいます。
本作は私、加藤シゲアキの代表作です。 ――加藤シゲアキ
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複数の主人公が登場するといった、単なる青春群像劇ではない
私のものすごく曖昧なイメージだけど、純文学よりの作品なのではなかろうか?
高校生の抱える過去の傷、自分の将来への不安や葛藤、理想を求める姿勢と疑念の気持ち
若者らしい苦悩が描かれているなぁ
若者が書いたならとのかく、上の世代になってから書けるというのは凄いと思う
高校生専用SNS オルタネート
alternate の意味
(1)交互に起こる、互い違いになる、交互に繰り返す
(2)《電気》〈電流が〉交流する
(3)代わりのもの、交代要員、代理人、補欠
多分、この作品には全ての意味が込められているのだろうなぁ
3人の主要人物の視点が交互に繰り返されているのと、人との出会いによってもたらされる電撃的な感情の揺れとか
蓉、凪津、尚志のそれぞれの軸となる、料理、音楽、恋
共通のテーマとしては、人と繋がる事についてでしょうか
蓉の料理にかける想いというのは、自分の将来と青春をかける物語をいくつか読んだ身としては感動的な物語に思える
尚志も、音楽の相棒を再び得たいという渇望や、自らの現在の立場の不安定さの中での生き方とか、今となっては眩しく見える
凪津の運命の相手を求める意思に関してはそんなに共感できないかな
運命の人なんてもんは元から存在しないもので
自分が選んだ相手を運命の人にするものだと思っている
でもまぁ自分の選球眼を信じられないという気持ちも良く分かる
だからこの世の中には古くは占いやら、作中にもあるようなマッチングサービスが広まっているわけでね
ただ、遺伝的な分析に関してはちょっと疑問
作中で先生も指摘してたけど、HLA遺伝子の多様性に基づく匂いの好悪との相関については限定亭なものだからね
特に免疫系では意味があるんだろうけど、他の遺伝的要因には影響しているかどうかわからないといったところではなかろうか
それこそ、近親交配を避けるためのメカニズムでしかないと思う
あと、ミトコンドリアのハプロタイプでグループ分けするやつ
あれは母系の繋がりを遡るツールの一つなだけど、ミトコンドリアのタイプで個体の表現形質とどう関係しているかは関係ないんじゃんあいかな?
まぁ、様々な遺伝分析の要素の一つとして挙げているだけなのでしょうけど
ま、架空のSNSが登場する時点で、遺伝子分析からわかる事というのも現在とは違っているかもしれないわけで
この辺は深く突っ込むのは野暮ってやつですね
加藤シゲアキの著作を読むのは「ピンクとグレー」に続いて2冊目
解説にもあったように、アイドルだからとか関係ない作品になってますよね
そもそも、他の作家さんにしても大抵は本職を別に持ったままデビューしてる人がほとんどなわけで
どんな職業をしているからといって色眼鏡で見る必要はないと思うんですよね
「ピンクとグレー」は著者の経験を元にしていると感じられるエピソードや心情描写があったけど、今作はそれがないし、これまでの他の作品もそうなのだろうと思われるので、他の作品を読むのが楽しみになった
解説で言及されているように、作家としての初期の作品の傑作であって欲しいですね -
「オルタネート」に対して違う思いを持つ3人の高校生のエピソードがそれぞれ分かれて進んでいたけど、少しずつ誰かと誰かが関わりあって
同じ日同じ時間にそれぞれ生まれ変わるような体験と行動が起こる「祝祭」の章のラストがめちゃくちゃ鳥肌だった、、、
えみくちゃんのキャラクターがとっても好き!
シゲアキさんの書く高校生、きっと誰かが誰かに共感するような等身大の子ばかりでどの人も魅力的でした。
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加藤シゲアキさんの本初読み。
まず、文体がすごくスッキリしていてさらさらと読めました。
登場人物3人を軸にそれぞれの話が展開されてゆく流れがとてもきれいで、まさに青春物。