スローフードな人生!: イタリアの食卓から始まる (新潮文庫 し 51-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101045214

作品紹介・あらすじ

「スローフード」って何だろう?イタリアの小さな町で始まった、静かに広がりつつある、しかしどこか間の抜けた感のあるムーブメント。それは、だらだら食事をすることでもないし、金にあかせて高い食材を買うことでもない。スローフードの真髄を追う著者は、イタリア各地の人々を取材し、彼らの日常の食卓に息づく深遠なる哲学に出会う。スローフードとは生き方の問題なのだ。

感想・レビュー・書評

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  • スローフード運動とは、個人をがんじがらめにしてゆく「ファーストライフという名の世界的狂気」から、人間性を回復すること。

    それは、食を通じて五感を養い、気づきをもたらすこと。
    つまり素材・味・食べ方・食がもたらす感覚的メッセージ・分かち合う人々に気を配るといった質の高い食生活を実現することからはじまるのだ。

    スローフードという運動の根底にある人間の心・活力の回復を端的に示す話として「山羊神父と風変わりな男たちがつくる山羊のチーズ」は印象に残った。

  • 偉大なワインは決して一人なんかでは飲まないだろう。
    ワインがあれば世界中で会話が生まれる。
    食べて飲んでそこに友がいる。人生には一番大切なことじゃないかね?

    現代社会にあふれかえる加工食品は、過去の人類の願望の産物であることをよく踏まえたうえで、我々はそのどこが問題なのかをよくよく論議していく必要があるだろう。

    「全ての市場で売られているものは、いちいち良心に問うことなく食べるがよい。地とそれに満ちているものとは、主のものだからである」コリント人への第一の手紙

    カタツムリの強さ、のろまに見えて柔軟性と強靭さに富むパワフルな生き物

  • 前々からメモっていた本を手に取ってみた。
    奇しくも、食品偽装問題やら、和食の無形文化遺産など
    時事的にも『食』が取り上げられていたので、
    そういった事象を時々頭に思い浮かべながら読んでしまった。

    イタリアの食文化を通してスローフードとは何かを紹介している著書。
    ファーストフードの対義語のように使われるが、
    均質化した食文化を見直そうという趣旨。
    所謂、地産地消などの取り組みもこの考えに当てはまるのだと思う。

    経済原理を組み込み過ぎて、均質化して、即席で、楽しむという事を
    欠いたものは食事だけでなく、生活の至るところにある。
    それに警鐘を鳴らしているのは理解できる。
    しかし、イタリアの食旅みたいなもので紹介されても、
    確かに興味は持つが、実際日本でどうしたらいいのか
    或いは経済と切り離す上でどういう生活スタイルを築けるか
    といった具体的な今後の展望の話が少なかったように思う。

    もっとなんでこうなって、どうしたらいいのかを学術的な側面も併せて
    食文化について知りたいと思った。

  • これを読むと美味しいものを沢山食べたくなります(笑)

  • イタリア・ブラで発祥したスローフードをわかりやすく紹介しています。おすすめです。

  • 2003/6/29読了

  • 食事をともにする場面では各地のいろいろな料理やワイン、チーズなどが紹介され、もちろんそれぞれがおいしそうで、その場所を訪ねたりイベントに参加したくなりますが、それにもまして印象に残るのは、人と人が食事をともにして同じ時間を過ごすこと、一緒に食卓について同じものを食べ、飲み、語り合うことの楽しさ、おもしろさ、意味深さ。「スローフードとは何ぞや」みたいな正面切ったリクツっぽい話は最初に少しだけ、その代わり要点を突いたものがあるだけで、あとはスローフード運動のさまざまな側面が、それに携わる人々の話や姿を通して展開されていきますが、これがとにかくおもしろい。
    実は本書を読んだのは私自身が外食チェーンという、まさに味の均質化を推進する側で仕事をしていて、そのことにいろいろな疑問や違和感を感じている時期だったので、地域のローカルな食材や料理を愛で喜び、多様性を幅広く享受することを力強く肯定する本書の内容がいっそうこたえました。日本でも全国にそれぞれの地域を代表するおいしい料理や食べ物が健在で、しかもそれらを簡単にリーズナブルに楽しめるような方向に進んでほしいものです。おぉそうそう、酒もね(笑)

    詳細は⇒ http://hoch.jugem.jp/?eid=286

  • はじめまして! 
    布ナプキンのお店 Prinful-プランフル 店長タナカです。


    時間に追われて、
    おなかが満たされればなんでもいいと、
    買ってきたものをそのまま電子レンジでチン。

    作る楽しみ、食べる楽しみ。

    改めて感じる一冊です。

    手で調理した食材を、香りでおいしさを創造して楽しみながら
    変化を目で見ながら、味見をしてお気に入りのお皿に
    盛って食卓を彩る。

    食材をそろえてイチから作ることが、
    自身や家族の食の安心安全につながり
    食の豊かさを生むのではないでしょうか。






    お店はこちら→ http://prinf.lead-in.co.jp
    店長タナカのブログはこちら→http://prinful.jugem.jp

  • 未読

  • スローフード、スローフーダーとは何たるや、難しい言葉を使わず、一気に頭に入ってきて、わかりやすい。イタリア人をさらにイタリア人にしたような人物の魅力たっぷりに、自然やおいしさの感動そのままに書かれていた。すっかり「スロー」に魅力を感じでしまった。

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著者プロフィール

島村 菜津:ノンフィクション作家。福岡県出身。東京藝術大学芸術学科卒業。十数年にわたって取材したイタリアの食に関する『スローフードな人生!』(新潮文庫)はスローフード運動の先駆けとなった。著書に『フィレンツェ連続殺人』(新潮社、共著)、『エクソシストとの対話』(小学館、21世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞)、『スローフードな日本!』(新潮社)他。最新作は『バール、コーヒー、イタリア人~グローバル化もなんのその~』(光文社新書)。

「2017年 『ジョージアのクヴェヴリワインと食文化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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