時間の習俗 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109237

感想・レビュー・書評

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  • 写真フィルムがトリックの肝になっている話。カメラを持つ人が世の中にまだ珍しいような時代を舞台としているので、推理の前提も現代から見るとむしろ目慣れない部分がある。
    謎解きはフーダニットではなくハウダニット。主人公の刑事があれこれ仮説を立てては自分で崩していく試行錯誤の過程に付き合うことになる。あとがきに評されるごとく論理的な推理に重きを置く緻密な構成である一方、快刀乱麻でスカッとしたいときには不向きかもしれない。

  • 松本清張の代表作のひとつともいうべき一冊。九州は関門海峡の文字突端に位置する和布刈神社にて、旧正月に行われる神事、これが重要なアリバイとなる。事件解決に奔走するのは、『点と線』での警視庁と福岡署の刑事。昭和37年当時の飛行機搭乗の妙、鉄道定期券が身分証明として使われていたといった当時の時代背景も、現代では興味深い。

  • ネタバレ/雷
    這部作品是本格推理,故事中從九州最北側的和布刈神社的舊曆新年神事開始。相模湖發生男子被勒斃的命案,警部補三原懷疑計程車公司的管理職峰岡為犯人,但他擁有和布刈神社當晚神事攝影的底片為不在場證明,而相模湖與男子同行的女性亦始終查不出來,峰岡本人也查不出任何女性關係。而峰岡被人目擊在西鐵定期券的櫃台前,其卻稱只是要去太宰府的都府楼址。三原先前拜託點與線的鳥嗣刑事協助,這時太宰府的水城附近卻又發現另外一件命案,年輕男子被勒斃,附近掉了一只女性手套,鳥嗣開始負責追查,他與三原皆認為與相模湖命案有關。然而一個小小的線索是,相模湖受害者土肥曾經向妻女提過峰岡曾帶他去有趣的地方,警方終於在名古屋有所突破,查出太宰府的死者是GAY BAR的芳子/須貝新太郎,他正是協助峰岡殺害土肥的和服女子。而至於難解的峰岡不在場證明,其實是另外筑紫俳壇的梶原武雄所攝影的照片,為了彩色顯影而送到東京(當時主要是黑白照片,能彩色顯影的地方有限),而峰岡以在西鐵定期券冒名領取照片,將自己的底片回捲之後複製梶原所拍的照片。

    我很少讀本格推理,這部作品設計本身並不複雜,就是完全帶著讀者去跟三原一起思考、猜想各種可能,很多可能都在中途被擊沉,最後的最後才解開謎團。就故事而言,當然是很刻意的設計,但清張就是清張,寫得這麼輕快都好讀,又參雜著九州風景,讓我忍不住一天就把這部作品掃完。九州的神事和太宰府的旅情,不禁回想起託阪急交通社之福,那好幾次的九州行。每次去九博的巴士都會經過樓府,我從未在那附近下車過,總是從車窗眺望著遺跡而已,但讀著讀著不知為何想起了曾經在車窗外黃昏時在樓府放風箏的剪影。

  • さすが松本清張。
    推理小説を読んでいる途中で、日本語表現に引っかかってしまい
    気が削がれる、ということが無くて安心。

    終わり方が少し残念だったけど
    それまで楽しんだから、それはそれでヨシ!

  •  
    ── 松本 清張《時間の習俗 19721219 新潮文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101109230
     
    (20200421)
     
    ── 松本 清張《時間の習俗 19621120 光文社》カッパ・ノベルス
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000JAJE6M
     

  • 「点と線」に続いて、三原警部補が主人公の作品を読む。前回読んだ時も同じ流れだったはず。

    神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。関係者の一人だが容疑者としては一番無色なタクシー会社の専務は、殺害の数時間後、遠く九州の和布刈(めかり)神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎるアリバイに不審を持たれる――『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼老刑事が試行錯誤を繰返しながら巧妙なトリックを解明してゆく本格推理長編。

    やや二番煎じの感が否めない。

  • 『点と線』で活躍した刑事が再登場。謎の解き明かしにむけて一気に読める。ノスタルジーも味わえるエンターテイメント作品。

  • 時代が違うので、カメラフィルムのアリバイが、今一つピンとこなかったが、ストーリーも面白く、ハラハラしながら読めました。

    門司の和布刈(めかり)神社は、一回行ってみたいですね。

  • 時代を感じる。
    カメラの機能や性能、飛行機搭乗システム、電話電報手紙などの通信、、

    でも、刑事が足を使って(都合がいいなぁ!という流れもあるけど)ひとつひとつ調査をしていくのを同じ視点で追えるのは、やっぱり王道の面白さなのかなー。

  • 「点と線」と並ぶ名作。とはいえ、ドラマ化と聞いて読んでみた。小説としてはおもしろいが、身分証明書が米穀通帳とか、そうとう古い。メイントリックも現代の感覚ではまったく使えないネタだったので、ドラマではどうするのかと思っていたら、ざっくり作り変えてあった。時代考証を気にせず、純粋に推理小説として読めば、おもしろい。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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