百物語 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1096
感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101149134

感想・レビュー・書評

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  • ああ、随分大切な何かなのに、どこかに置いて来てしまった。
    そんな気がしてならなくて、気持ちが寂しい時、これをゆっくりと読みます。

  • 古典からの引用や創作、とにかく多様な語り口で描かれるふしぎ話、あやし話各種。
    百物語の作法に則って九十九話で打ち止めなのがどこか勿体なくもあり。

    もちろん百物語であるならば、最後の一話は止めるが定石だし、怪を語れば怪至る。
    でもこんな怪ならば、少し離れた場所でそっと透き見したい。
    そんな本。

  • 衒いの一切ないファンタジー世界。この人でなければ描けない、というのが肌で感じる作品って少ないよね。

  • まんが描くときは手元においておきます

  • なんとなく、「今度こそ99話読み終えた時何か起こってしまうのでは…」と、今まで読み返さずにおったのですが。
    ご存命の時からどことなく妖怪に近いというか、江戸時代から生きておられそうな方でしたので…
    やっぱりすごくおもしろいです。
    流れる水のような線の美しさは今になって見ても変わらず…夭折されたことが惜しまれます。
    杉浦日向子先生の遺志を継いでソ連(蕎麦連合)を実践し続けます。
    蕎麦最高!

  • 連載じゃなく本気で描ききってほしかった一作。その面映ゆさは手塚治虫『どろろ』の物足りなさ・歯がゆさに匹敵する。

  • ぞくっ ひやり。 研ぎすまされる世界。
    妖怪や物の怪、本来怪談は人間味あふれるものなのだと思い出す。

  • うっそうとした感じ。ほんのりとした感じ。
    むごい感じ。さびしい感じ。あたたかい感じ。
    そのどれもが当てはまる、ことりと途切れる奇妙な怪談集。

  • 実は私もここにあるような怪談を、畑仕事をしている親戚のおばあさんから聴いたことがある。不思議な話だったが、彼女はそれを実際の出来事として語った。怪談は、フィクションでもあるし、作中人物が語っている時は、どこかから伝わるニュースでもある。語りと騙りの狭間でたゆたう快感に、私は弱い。素朴で、じんわりとしたの怖いのあたたかいの切ないのと各種取りそろっていて、画のタッチが色々あるのもまた面白い。少ない台詞で情感や不気味さがカラリと表れている。私の好きなのはお七の話、道を塞ぐもの三話、猫と婆様の話、手の怪二話、竹林の再会の話、訪なう気配二話、蜘蛛の行者の話、フキちゃんの話、など。私が好きなのは少女の色っぽいのや、他愛ないもの、そっと吹き抜けるような切なさが感じられる話だ。それ以外には、結構、頁を見るだけでも何がなし目を合わせてはいけないような気持ちにさせられる、怖いのが一杯ある。狂気の世界をふと隣の人と目があった時感じるような、理不尽な話はゾクゾクする。こういうたくさん話の詰まった本は贅沢した気分でとても良かった。ところで、表紙の感じでてっきりちくま文庫だと思ってて、紐がついてるので新潮だと気付いた。

  • 江戸時代が舞台の恐怖譚、短編です。ほとんどしみじみとしてるし、可愛らしかったりもする、でもだからじわじわと怖い。私なんか怖くて開けないページがあるんだけど、人によってはそれほどでもないらしいです。

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著者プロフィール

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958年、東京生まれ。1980年、「通言室之梅」(「ガロ」)で漫画家としてデビュー。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。1993年に漫画家を引退し、江戸風俗研究家、文筆家として活動した。NHK「コメディーお江戸でござる」では解説を担当。主な漫画作品に『百日紅』(上・下)『ゑひもせす』『二つ枕』『YASUJI東京』『百物語』、エッセイ集に『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『一日江戸人』『杉浦日向子の食・道・楽』『吞々草子』等がある。2005年、没。

「2023年 『風流江戸雀/呑々まんが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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