峠 上 (新潮文庫 し 9-15)

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  • Amazon.co.jp ・本 (597ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152158

感想・レビュー・書評

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  • 幕末における越後長岡藩の家老、河合継之助を題材とした歴史小説。
    上下巻のうち、上巻では、江戸・横浜への遊学や山田方谷への弟子入り、藩政改革(賭博の禁止や娼妓の禁止など)を中心に物語が進行する。時代としては、徳川慶喜の大政奉還まで。
    以下、感想。
    司馬遼太郎が無名の歴史上の人物である河合継之助を題材にした理由は、上巻だけを読む限りでは見当たらない。確かに、坂本龍馬のような先見の明に富んだ人物として描かれている。また、織田信長のように合理的精神の持ち主であるようにも伺える。
    継之助は、奇抜かつ斬新な思想を持っており、中途半端な行動は起こさない人物のようだ。そして、非常な自信家でもある。
    このような人物像に作者は惹かれたのかも知れない。様々な逸話は読んでいる側としても痛快であった。
    ただ、無名の人物であるが故か、挿話の寄せ集めの感は否めず、この後、どのような物語となっていくのか、歴史にどのような足跡を残したのか、楽しみにしながら下巻に進みたいと思う。

  • さすが司馬遼太郎!!
    おもしろいー! 
    解釈の難しそうな人物の生涯を、大志と大きな視野を持ちながら 
    己の立場を尊び生き抜いたと 眩しいように描かれていました。
    あとがきにあったように、他の短編?でも少し違う目線で描かれているようなのでそちらもみたい。
    情報自体届くのに日数のかかるあの時代、見通しが広く先を見越す慧眼
    戦略上手の女好きの好人物で可愛らしい主人公でした。

  • 1995.9.17

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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