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- Amazon.co.jp ・本 (597ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101152158
感想・レビュー・書評
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幕末における越後長岡藩の家老、河合継之助を題材とした歴史小説。
上下巻のうち、上巻では、江戸・横浜への遊学や山田方谷への弟子入り、藩政改革(賭博の禁止や娼妓の禁止など)を中心に物語が進行する。時代としては、徳川慶喜の大政奉還まで。
以下、感想。
司馬遼太郎が無名の歴史上の人物である河合継之助を題材にした理由は、上巻だけを読む限りでは見当たらない。確かに、坂本龍馬のような先見の明に富んだ人物として描かれている。また、織田信長のように合理的精神の持ち主であるようにも伺える。
継之助は、奇抜かつ斬新な思想を持っており、中途半端な行動は起こさない人物のようだ。そして、非常な自信家でもある。
このような人物像に作者は惹かれたのかも知れない。様々な逸話は読んでいる側としても痛快であった。
ただ、無名の人物であるが故か、挿話の寄せ集めの感は否めず、この後、どのような物語となっていくのか、歴史にどのような足跡を残したのか、楽しみにしながら下巻に進みたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1995.9.17