司馬遼太郎が考えたこと〈15〉エッセイ1990.10~1996.2 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152578

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  • 新潮文庫
    司馬遼太郎 が考えたこと15
    著者晩年のエッセイ集。


    「他者を理解することから、二十一世紀の幸福は出発するでしょう」と結論づけたエッセイ「人間について」は 傑作だと思う。


    死期を悟ったかのように、著者の晩年のエッセイは 人間に関するものが多い。文学者として、矩を越えない生き方 に到達して、それを文章に遺して 没したように読める


    人気作品を数多く書きながら、司馬遼太郎はなぜ虚無に陥らなかったのか? モンゴル好きが 影響しているのか?遊牧性や流動性は 虚無を回避させるのだろうか?


    「モンゴルは化石の国ではない。生きて動いているものの、そのよさは不動のものにある」といった言葉にヒントがあると思う。モンゴルの歴史の本を見てみようと思う


    「人間について」
    *バカとは〜人間の本性にひそむ暗黒の部分のこと
    *人間は〜集団となって熱狂がおこると、一人ずつが本然に持っている少量のバカが、足し算でなく掛け算になって〜火山が噴火するように愚行をやる
    *民族、宗教、国家〜この三つが人間を集団化させる
    *この三つは、人びとが穏やかなときは 素晴らしいものです
    *人間という生物は一人では生存しない〜社会が必要です〜この三つは人間に社会を与えてくれる






  • 『日本仏教小論』が、印象に残りました。とくに浄土真宗の成立らへんが。たまたまひとつ前に読んだ『街道をゆく、芸備の道』にも、出だしで安芸門徒について書かれていました。司馬さんの浄土真宗への思い入れを感じました。

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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