- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101157320
感想・レビュー・書評
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「剣客商売」シリーズ第ニ巻。全7編を収録している。
主人公•秋山小兵衛、行きつけの居酒屋の主を描いた「鬼熊酒屋」。小兵衛を襲った武士を追う「辻斬り」。行方知れずの老剣客の手助けをする「老虎」。大治郎に入門を申し出た鰻屋を鍛える「悪い虫」。大店の娘と佐々木三冬の邂逅を描いた「三冬の乳房」。第一巻で姿をくらました悪人が復讐に戻ってくる「妖怪•小雨坊」。同じく第一巻で女中のおもとが密談を聞いた場所に小兵衛が足を踏み入れる「不二楼•蘭の間」。
どれも味があり、気楽に読める。今調べたら、全部で16冊くらいあるんだ。手に入ったらゆったりと読み継ごうかな。
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▼収録されているのは以下。
鬼熊酒屋
辻斬り
老虎
悪い虫
三冬の乳房
妖怪・小雨坊
不二楼・蘭の間
▼印象に残るのは、「妖怪・小雨坊」。とにかく見た目が醜悪という妖怪染みた「悪の剣客」との対決なんだけれど、この悪が池波節で、なんとも善の表裏一体と言いたくなる業に満ちている。そして強い。小兵衛宅炎上、という仕掛けにはちょっと「へえっ」と思いました。
▼「鬼熊酒屋」の悪態親父が死ぬところのくだりも面白かったです。「人も殺したろうな」「・・・五人ばかり」こういうやりとりのエンタメが池波節だなあ。
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剣客商売 二
前巻で自殺をとげた、飯田平助の息子・粂太郎が、大治郎の道場に入門。なかなかの頑張り屋で性格も良い少年という事もあり、早速小兵衛さんに色々こき使われています。
そして、大治郎に右腕を切り落とされたまま逃走中だった伊藤三弥が、“隠し兄”・郁太郎を引き連れて、秋山父子へ復讐しに戻ってきます(「妖怪・小雨坊」)。
三弥も狂気をはらんだ人でしたが、郁太郎はそれを上回る程のクレイジーモンスターです。こんな“どうかしている奴”と小兵衛さんの対決は見ものです。
で、この伊藤兄弟に家を焼かれてしまった小兵衛さんですが、とくに嘆きもせず、馴染みの料亭での仮住まいを、ホテル暮らしよろしく楽しんでいるようで、本当、どこまで肝が据わっているのでしょうね・・。 -
2019年7月27日、読み始め。
小兵衛のが使う刀は、全作品を読むと13種類位出てくるようである。
43頁に、「国弘の脇差」が出てくる。
これは、一尺八分の愛用の脇差、とのこと。
240頁に、「藤原国助の大刀」が出てくる。
これは、小兵衛の恩師の辻平右衛門が江戸を去る時に「形見」として与えた一振り。二尺三寸一分。
●人物メモ
・弥七---四谷・伝馬町の御用聞き。
・小川宗哲---亀沢町の町医者。小兵衛の碁がたき。小兵衛より10歳位年長。-
seiyan36さん
こんばんは。
いいね!コメント!有難うございます。
「左近 浪華の事件帖」は、3冊有りますから楽しみにしておいて...seiyan36さん
こんばんは。
いいね!コメント!有難うございます。
「左近 浪華の事件帖」は、3冊有りますから楽しみにしておいてください。
池波正太郎さんの本は、若い時にほとんど読んだのですが、いま読もうとすると字が小さくて読めないので「剣客商売」のタイトルを見ると懐かしいです。
やま
2019/12/01
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「池波正太郎」の連作短篇時代小説『剣客商売(二) 辻斬り』を読みました。
『新装版・梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)』、『剣客商売(一) 剣客商売』に続き、「池波正太郎」作品です。
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老剣客「秋山小兵衛」とその息子「大治郎」が悪に挑む!
累計2400万部突破の大人気シリーズ。
冷え冷えとした闇の幕が裂け、鋭い太刀風が「秋山小兵衛」に襲いかかる。正体は何者か?
「小兵衛」・「大治郎」が非道に挑む表題作。
江戸に出たまま帰らぬ息子を探しにきた信州の老剣客へ温かい手をさしのべる「秋山父子」――『老虎』。
暴漢にさらわれた老舗の娘を助ける男装の武芸者「佐々木三冬」――『三冬の乳房』ほか『鬼熊酒屋』 『悪い虫』 『妖怪・小雨坊』 『不二楼・蘭の間』。
シリーズ第2作。
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『剣客商売(一) 剣客商売』が面白かったので、引き続き、『剣客商売(けんかくしょうばい)』シリーズの第2作… 1973年(昭和48年)に刊行された作品です、、、
読み進めていると、中心人物の「小兵衛」と「おはる」、「大治郎」、「三冬」の4人だけでなく… 不二楼の調理人「長次」と座敷女中の「おもん」、「大治郎」に弟子入りした「粂太郎」、町医者「小川宗哲」、御用聞きの「弥七(武蔵屋の親分)」等々、周辺のお馴染みの登場人物にも、どんどん親しみが湧いてきて、『剣客商売』の世界に引きずり込まれていく感じです。
■鬼熊酒屋
■辻斬り
■老虎
■悪い虫
■三冬の乳房
■妖怪・小雨坊
■不二楼・蘭の間
■解説 常盤新平
客を客とも思わずあしらい、土地の無頼漢も恐れている「鬼熊」の亭主「熊五郎」… 「小兵衛」は、意外なことから「熊五郎」の優しい気持ちを知り、そして最期を看取る『鬼熊酒屋』、
夜道を歩いていた「小兵衛」を襲った辻斬り… 「小兵衛」難なくその襲撃をかわし、さらに、辻斬りが御目付衆の「永井十太夫」の屋敷に入ることを目撃し、首謀者等を「大治郎」とともに懲らしめる『辻斬り』、
「大治郎」が諸国を渡り歩いていた際に稽古をつけてもらった「山本孫介」と再会… 江戸に出て行方知れずとなっている「孫介」の息子「源太郎」探しを手伝い、敵討ちを手助けする『老虎』、
「大治郎」のもとに、鰻の辻売りをしている「又六」が訪ねてきて、なけなしの5両を納め、10日で剣の腕を鍛えてほしいと懇願… 「又六」の熱意にほだされた「大治郎」と「小兵衛」は剣を教え、自信を持った「又六」は腹違いの兄で、店の売上をかっぱらっていく無頼漢の「大首の仁助」に立ち向かっていく『悪い虫』、
「三冬」が、怪しい者どもが駕籠を運んでいこうとするところに遭遇し、駕籠の中で猿轡をかまされ、目かくしをして押し込められていた「山崎屋卯兵衛」の娘「お雪」を助けるが、この拐かしの裏を調べてみると意外なことが分かり始めてくる… 「三冬」が女性だということを知らずに恋心を抱く「お雪」に、自分が女性だと悟らせるエンディングが印象的な『三冬の乳房』、
「嶋岡礼蔵」を卑怯な方法で襲った「伊藤三弥」(第1作に収録の『剣の誓約』で腕を切り落とされた男)が江戸に戻り、妖怪・小雨坊のような面妖の男ととも「秋山親子」を狙う… 「小兵衛」の隠宅が火を放たれ全焼してしまう『妖怪・小雨坊』、
隠宅を焼かれた「小兵衛」が不二楼に身を寄せている時、「小兵衛」は、偶然、「横川鉄五郎」という金貸しの御家人を襲うという話を耳にする… 「小兵衛」は、「横川鉄五郎」から金を借りたことがあり、借金の返済に苦労した思いがあることから、知らぬ仲ではないが、どう立ち回るか迷い、ある判断をする『不二楼・蘭の間』、
第1作に続き、どの物語も外れがなくて面白かったですねー 読めば読むほど、『剣客商売』ワールドに浸っていく感じです、、、
イチバン印象的だったのは、「又六」の成長が頼もしい『悪い虫』ですね。
次も本シリーズを読もうと思います。 -
今や、すっかりこのシリーズに嵌ってしまった。
江戸の市井の賑わいや、そこで暮らす人々の人情に、見たこともないのに懐かしさや憧憬を抱いてしまう。
秋山父子のキャラクターはもちろんのこと、彼らの周りの人々の造形も回を重ねるごとに、深くなっていき、愛着が湧くのだ。事件が起きるたびに彼らの活躍に胸を躍らせている。
特に普段は飄々としている秋山小兵衛だが、
「わしはな、大治郎。鏡のようなものじゃよ。相手の映りぐあいによって、どのようにも変わる。黒い奴にはくろ、白いのには白。相手しだいのことだ。これも欲が消えて、年をとったからだろうよ。だから相手は、このわしを見て、おのれの姿を悟るがよいのさ」
時に冷酷に豹変するその様に惚れてしまうのだ……
現代ではなく、この時代に生まれたかったと思わせるくらい楽しい物語だ。 -
金を手に入れるのもうまいが、つかうのもうまい。つかうための金じゃということを知っている。宗哲先生のことば。私もそうなりたい!でも通帳の金額が増えるのをみるのは楽しいよねぇ…。
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小兵衛の強さをヒシヒシと感じる。
悪い虫と妖怪小雨坊が特に印象深く面白かった。 -
読み出したら止まりません。