吉里吉里人(中) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168173

感想・レビュー・書評

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  • 中巻に入って、話のテンポが上がり、俄然面白くなってきた。
    言葉遊びの散りばめられた、荒唐無稽のストーリー展開の中に、国にまつわる様々な社会問題が提起され、その本質が描かれていく。
    民族の独立問題、国家防衛(自衛隊の存在)と日米同盟、憲法9条、経済と性的産業、農政問題、医療や看護の問題と福祉の問題。日本と吉里吉里国を対比し、日本の社会問題を抉り、吉里吉里国での対策が描かれる構成で、社会問題を解決する理想形を紡いで行く。
    どれも重たい課題なのに、冗長過ぎる様な馬鹿馬鹿しいストーリーと、吉里吉里語の言い回しで、易しく、所々で吹き出しながら、読み進められる。
    エログロナンセンスだけど、実はテーマは重いのかも。
    吉里吉里中年百姓合唱団の歌の中で、『百姓は土を耕す。耕すとは文化と同じ語源でカルチャーだから、百姓は文化人だ』と高らかに吉里吉里語で歌うシーンが圧巻。

  • 上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』のような大きな物語を持った古典に『吉里吉里人』が相当すると考える人はあまり多くないかもしれない。国の内部で国としての独立を立ち上げる視点は大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』そのものだし、日本は日本国内での独立、地方の自立をカノンとして持っているというのは、英文学やフランス文学にはあまりない特徴のように感じる。

  • 真面目なのだか、巫山戯ているのか分からない物語。
    だが、不思議と惹き込まれてしまう。
    吉里吉里語が、読みにくいのだが、癖になる。
    下巻で、この物語がどういう、結末を迎えるのか非常に楽しみである。

  • (下巻へ続く)

  • 展開がスピーディで先が読めないところがいわゆる劇的。この作家は文字通り劇作家だったんだなあとあらためて思う。初版から30年以上たっているのに、何か新しいというか今この国でおきていることと重なってしまうところもある。パロディっていうのはこういうのをいうんだよなあというお手本。つくづくネット上のそれが陳腐に見える。

  • 話が脱線し過ぎかな。病院の看護婦長の話が後半に出てきた。主人公が吉里吉里人になることで、国賓待遇から一般人となり病院での労役夫となるが...下巻に続く。

  • 下巻に

  • 2016.1.14(木)¥100+税。
    2016.4.26(火)。

  • 中弛み感を強く感じ、読むのが若干苦痛になってきた。話の本筋が見えなくなり、小ネタを散りばめたような中巻でした。
    下巻はもう少しスピーディーになることを期待したい。果たして吉里吉里国の顛末はどうなるのか?

  • 1989年 読了

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著者プロフィール

井上ひさし

一九三四年生まれ。上智大学仏語科卒。「ひょっこりひょうたん島」など放送作家として活躍後、戯曲・小説などの執筆活動に入る。小説では『手鎖心中』で直木賞、『吉里吉里人』で日本SF大賞および読売文学賞、『腹鼓記』『不忠臣蔵』で吉川英治文学賞、『東京セブンローズ』で菊池寛賞、戯曲では「道元の冒険」で岸田戯曲賞、「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞および読売文学賞、「シャンハイムーン」で谷崎潤一郎賞、「太鼓たたいて笛ふいて」で毎日芸術賞および鶴屋南北戯曲賞など、受賞多数。二〇一〇年四月死去。

「2021年 『さそりたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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