新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.57
  • (24)
  • (28)
  • (65)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 321
感想 : 34
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101175225

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 田辺聖子訳。文体が昭和の中間小説なので何しろ読みやすい、けれど現代語訳というより翻案なのだろうか、少々俗っぽい。まあ以前読んだ宇治十帖は辛気臭かった記憶ばかり残っているので、読みやすさを取ってみた。

    上巻で感じるのは薫の主体性のなさで、この人は理由がないと恋に落ちることもできないのだ。そして理由があれば頑張ってお世話してしまうので、いい人どまりの扱いをされる。無残。しかし「理由があれば」の別の表れとして、匂宮を宇治に連れて行ってのだまし討ちという流れもあり、絶対ゆるさないよ、という気持ち。その流れ自分ひとりじゃ作れないやつじゃん、とか……

    真面目なんだけど、自分の決めた道をわき目もふらずに歩くばかりの寂しい人。ついてないのは認めるけれど、ちゃんと相手を見ないからだよ、しょうがないね、と思う。

    中君が戦略家でよい。タフネスを感じる。

  • 薫が歯がゆい…。
    大君はもっと堅物、中の君は派手な感じのイメージだった。

    下巻からは浮舟がクローズアップされるはず。

  • 光源氏の子、薫の話。
    いわゆる“宇治十帖”。

  • 一時古典にハマり、読み漁った。今はちょっと興味が薄れている状態なので、地元の図書館へ寄贈。2006.9.18

  • 源氏物語の時、男子キャラでいちばん好きだった夕霧がただのおっちゃんになっていてショックだった。

  • 匂宮三帖から始まり、個人的にも好きな宇治十帖の幕開けです。大君は薫を拒み切って亡くなった印象が強かったので(そこが好きです)、亡くなる間際に想いが通じた…みたいな展開に「エエーッ!」と思いました。大君は「愛してます」なんて言わないと思います。ちょっと違う気がしました。著者のラブストーリー補正がかかってる気がするのですが…。源氏物語ってそんな甘い話じゃないと思うのですが。浮舟も好きなのですが、まだチラッとしか出てきてません。下巻が楽しみなようなドキドキするような。窯変好きすぎるせいか、私はどうやら田辺源氏にはモヤッとするみたいでした。本当すみません。

  • 同じ作者の『新・源氏物語』の宇治十帖です。

  • この前読んだ田辺聖子の源氏物語が読みやすかったから、続きのこの宇治十帖も読んでみた。
    古典はあんまり好きじゃなかったけど本当に読みやすい。ただ源氏物語でお腹いっぱいになっていた感が…、、
    しかし昔の文化ってすごいなあ。今じゃ考えられない事が当たり前だったんだよな。
    下巻へ続く
    2022/01/27

  • 2015.10.18

著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

田辺聖子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×