海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 5 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181363

作品紹介・あらすじ

十五世紀末、ポルトガルがインドへの新航路を発見という、中世の一大ニュースがヨーロッパ中を駆け巡る。トルコ帝国との攻防も続く中、スペインに代表される君主制国家も台頭。ヴェネツィアは統治能力の向上による対抗を図るも、「持たぬ者の悲哀」を味わうことになる。地中海から大西洋へ。海洋都市国家から領土型封建国家へ。新時代の幕開けはすぐそこまで迫っていた。

感想・レビュー・書評

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  • レパントの海戦まで。
    次の最終巻で、漸く、ロードス島、コンスタンティノープル、レパント、の三部作以降へ。
    ナポレオンがヴェネツィア共和国にとどめを刺した「史実」だけは知っているが、一体どういう終わりを迎えるのか。

  • 大航海時代からレパントの戦いまで。
    大航海時代がヴェネチア凋落の要因ではないとする。

  • 中世においてさえ、キリスト教の教義よりも自国の利益を優先させていたヴェネツィアだが、トランプ大統領の“アメリカ・ファースト”みたいな傲慢さが感じられないのは、資源に乏しく人口も十分でない中、生き残る為には大国相手の外交努力を怠らず、いざ戦争となったら、国を挙げて戦わざるを得なかったから、か。

  • ロードス島の聖ヨハネ騎士団は、視点を替えればただの海賊。

  • 第5巻の最初の第10話は、いきなり「胡椒ショック」で始まる。胡椒は歴史の教科書にも出てきて、当時は重要な貿易品目だったということは一応は知っていたがいまいち実感がなかった。が、ヴェネツィアが地中海航路によって300年にわたってほぼ独占していたものが、ポルトガルの新航路発見によって独占が崩れそうになったが、ヴェネツィアが巧みに対応して相場を守ったということを知ると、思ったよりはるかに重要なのだった。事程左様にヴェネツィアの危機対応の上手さが光る。周り中に強国が出現してきても、あくまでも現実的に、妥協したり強気に出たり、必要ならば戦争もして、柔軟な外交で資源もない小さな共和国を存続させてきた。共和制と民主制と貴族性の良いとこどりのような政体の果たした役割が大きそうだ。しかし、国じたいが自由な商売を推進しているようなこの政体は最初からそうだったわけで、そこがそもそもヴェネツィアらしく、それはやはりジェノバなどとは違ってそういう個人が集まっていたからなのだろうか。

  • 大航海時代すなわち中世の終わりがヴェネツィアにとって終わりの始まり
    ここまできても未だ何が千年他との違いを作り出しえたのか良く分からない

  • ヨーロッパの国々が専制君主制になってくる中世後期のヴェネツィアの歴史である。

    東からはオスマン帝国、西からはスペインやフランスの大国に挟まれたヴェネツィア。
    人的にも土地的にも不利であったこの海洋国家はいかにしてこの難題を解決していったのか。

    病的なまでに君主制を否定し、共和制であり続けたその利点と欠点をキレイに対比させ、説明する七生さん、さすがです。

  • 大航海時代。そして二大帝国の谷間で。

    >自給自足が不可能なうえに人口も少なく、国民の頭脳と意志だけが資源のようなヴェネツィア共和国の歴史は、まったく、ありとあらゆる試練への対処の仕方の歴史のようである。

    小さくて常識的なヴェネツィアがいろいろな国を相手によく頑張っているなーと思います。
    それなりに乗り越えつつも、少しずつ弱ってきている感じがします。

    ここで興味深い人物はティツィアーノに肖像画が描かれているというアンドレア・グリッティとその庶子アルヴィーゼ・グリッティです。
    そしてスペインにしてはまともなドン・ホアン。
    海戦のところはもっと詳しく知ったほうが楽しめそうだから、「レパントの海戦」を読んでみたいです。

  • 20170924

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