落語的学問のすすめ (新潮文庫 か 26-1)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101189116

感想・レビュー・書評

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  • 桂文珍が関学で臨時講師をしていた時の講義を文字起こししたもの。

    まぁおもしろい、非常に勉強されていますよ。

    私、文珍さんは非常におもしろく、取っつきやすいと思っているのですが、
    ちょっと怖いんです。賢いさが見えることが怖い。
    いつも笑顔だけで本心が見えない感じがするところが怖いのです。

    文珍さんの後書きに書かれている、
    学生の印象ですが、

    かまって欲しがる。
    与えてほしがる。
    何かを求める。
    そして、求めるが、自ら与えることはしません。
    自己をアピールし、権利を主張しますが、
    義務は忘れる、これが特徴です。

    非常に納得できます。
    といってもこの初出は平成元年です。
    ということはこの当時の学生は私の世代とも言えます。

    今の学生も変わっていないのではないでしょうか、

    当時文珍さんに見破られた学生はどうなったのでしょうか。

    私はどうなっているのでしょうか。

    私もなにか義務を忘れていないだろうか。

    20年以上前の当時の若者に対する所感は
    今も私が感じるものであります。

    さて、どうやっていこうか。

  • 読み返してみた。何度読んでも笑える。しかも奥が深い。

  • 文珍が、すごい。
    一冊読み終えてみて、彼の利かせる機転に感動する。
    知識の豊富さもさることながら、学生の声に耳を傾け頻繁に授業は脱線、けれど毎度しっかり落として時間内に終わらせる。
    解説の谷沢さん曰く、文珍は要点摑みの名手であり常に物事を俯瞰して見ているそうだ。本質を捉えた言葉があまりその重みを感じさすことなく飄々と散りばめられている。
    さすが噺家、座布団なくても面白い。
    伝えること、人の心を摑むことに長けている。

  • いやー面白かった!
    ためになった。
    嘘が無い。

  • 「落語的学問のすすめ」3

    著者 桂文珍
    出版 新潮社

    p85より引用
    “同じ所で笑えるんであれば、これはほとんど感性、感覚が一緒
    ですからね、その人と結婚したほうがラクです。”

     落語家である著者による、大学での講義内容をまとめた一冊。
    落語的ギャグの感覚についてから放送のハードとソフトの問題に
    ついてまで、大学の講義と分からないくらい面白く書かれていま
    す。

     上記の引用は、ゲーテの言葉について書かれた部分での一文。
    同じ感覚を楽しめるうちは良いのでしょうが、長く時間を過ごす
    うちに、同族・同類嫌悪の気持ちが強くなってしまうと、ちょっ
    としんどいだろうなと思いました。
    難しいのは、してみないとわからないというところだろうなと思
    います。

    ーーーーー

  •  落語家・桂文珍さんの関西大学での講義を文字に起こしたものです。国文学史の講義とあるので「落語」についての説明が主な目的なのだと思います。でも、それ以上の内容を含んでいますよん☆
     文珍さん自身も落語の解説に終始することなく、日常生活に応用を利かせられることを目指しているっぽいです。落語的な考え方って面白いですねえ。

     落語家というのは多くの知識を持っているのでしょう。そして、機転が利く。それがいわゆる「賢い」「頭がいい」ということとイコールかはわかりませんが、それでも優れた人には違いないなぁと考えています。落語界の情勢はよく知りませんが、桂文珍さんほどの人なら、多分その落語家の中でも上位層になるんですよね。

     講義を文字起こししたものなので、基本的には喋りをそのまま載せていると思うのですが、これを読むと「機転が利く」というのがどういうことなのかがわかります。(そりゃ、実際は台本があるかもしれませんし、書籍化する時に書き換えているのかもしれませんけどお・・・(´ε`))とにかく喋りがうまいです。こんな喋りをしてみたいものです。少し攻撃的すぎる部分もありますが。

     もともとは平成元年に出版された書籍であるため、ネタは古かったりします。まだ「いけいけ」が出始めたころのようです。いまや死語ですがね。しかし、このトーキングテクニックは一読の価値アリです。

     あ、これpart2もあるんですね。ほしいなあ。


    【目次】
    一講 落語的ギャグ感覚のすすめ
    二講 無知に甘えていることが恥ずかしい
    三講 笑いは人生の“瀬戸大橋”
    四講 今日はシャレでっせ!
    五講 ギャグもまた真なり
    六講 “危ない”と天才はメビウスの輪
    七講 上方落語のルーツは辻咄
    八講 眼光紙背で世の中を読む
    九講 パラボラ世代の情報感覚を嗤う
    十講 “起承転結”のコツ
    あとがき
    解説 谷沢永一

  • 桂文珍はおもろい(と私は思う)。一時期私は某テレビ局で放送されていた(今もしているのだろうか?)、「ウェークアップ」というニュース(もしくは情報)番組がすっごく好きであった。
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     司会は桂文珍で、一週間の出来事を面白おかしく紹介し、その後、おかけんたゆうた(「ええ声〜♪」のネタの漫才師。かつては「♪咳〜が止まればこの世は楽し」と風邪薬のCMに出ていた)などが、替え歌で一週間の出来事をまとめる番組であった。
    <br><br>

     まぁ、そんなことはここではどうでもよいのである・・(笑)。
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     とにかく、当時桂文珍は私のお気に入りであった。AMでは、「セイヤング」を聞くついでに、「文珍のアクセス塾」や、FMの「ジョイフルサンデー」という番組もたまに聞いていたくらい、桂文珍にはまっていた(笑)。
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     さて、今回紹介する『桂文珍の落語的学問のすすめ』シリーズは、このように私が桂文珍にはまっていた頃に出会った本である。本の内容は、関大の非常識非常勤講師桂文珍の国文学の講義を修めたものである。
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     しかし、国文学の講義とはいっても、回文(上から読んでも、下から読んでも同じ文章)の話で、「立川談志が死んだら、『ダンシガシンダ』」という文章を例えに出してみたり、「お笑い界では、この2人が仲が悪い」という話など、「おいおい、全然国文学の話ちゃうやろー!」という内容盛りだくさんの本であった(笑)。けれども、さすが桂文珍、途中で話がめちゃめちゃになっても、そこは落語家。最後は見事に落ちを決めるという、なかなかの傑作。

  • ちょっと無駄が多いかなって感じてしまったけど、噺というのはそういう部分があってリズムや場とのかけあいが築かれるんだよね。もう媒体というか空間が違うんだもの、しょうがない。でもいろいろいいこと書いてあった。14 Nov 2006

  • こんな講義が聴ける学生はとても幸せ者です。

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