- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101215174
作品紹介・あらすじ
子供から老人までが熱狂する神楽、「荒神様有り」と記された不思議な不動産広告。神話を信じて卵を食べない町や、なぜか観光客が絶えない謎の町。出雲・石見・境港。旅するうちに見えてきたのは……。目に見えない存在を信じる暮らしや、伝統を支える持続可能な知恵、遠く東南アジアにまでつながる文化の〈地下茎〉だった。そして旅は、温かい涙が流れるクライマックスへ。『どこにでも神様』改題。
感想・レビュー・書評
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女子大生と出雲大社と近辺を巡る話、水木しげると境港の水木しげるロードの話、石見神楽の話とでこの三地域に根付く文化から東南アジアの類似性に思いを馳せる、著者の考察が読みやすい文章で書かれていました。
伝統文化だと思っていたバリ島のケチャやバロン・ダンスが1930年代以降に作られたと言う記述にショック。伝統文化だと思ってバリ島で見ていました。それでも素晴らしかったのですが…うーん。
出雲大社はいつか行ってみたいと思っていましたが水木しげるロードも行ってみたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学術的な考察は少なく、作詞自身の感じたことがメインなので読みやすい。島根に行ってみたい、そんな気持ちにさせる紀行。
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はじめての野村進さん
もっとアジアとのつながりの話と思ったらちがった
でもこの本からいろんな本へ拡がれそう
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いやー、面白い。野村進にハズレなし。今回は、出雲の神々を訪ねる旅だ。神々と言っても色々ある。ひとつは、出雲大社に代表される出雲の神社への旅。家の周りにある荒神さんから美保関神社や八重垣神社、神魂神社と言った様々な神社へ参り、非日常の見えない世界を探る。次に、幽界の案内人たる水木しげるの縁にふれて、水木しげるロードを巡る旅。「負けている者はもう負けない」という敗者の生き方が語られる。最後に、石見地方で盛んな石見神楽への旅。他の地方では廃れる一方の伝統芸能が元気いっぱいで、小学生のあこがれるスターは神楽を舞うおっさんというのだから驚きだ。出雲世界には、目に見えないものを信じ共に生きる考えが今も生きている。
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あまり知られていない知られてない文化
面白い -
出雲と東南アジアの類似性は納得する部分もあるけど、地域の気候とか歴史的な位置づけは違うところが大きいと思うので、なぜ類似があるかは納得しがたい。見えないものに対する畏怖とか自然に従順なところとかはあると思う。若いときの私はそこに反発してたわけなんだけど、歳をとると分かる部分もあれば、それを受け容れる方が楽な面もあるなと思ったり。