幸田文の箪笥の引き出し (新潮文庫 あ 44-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101216218

感想・レビュー・書評

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  •  邪道でしょうが、ブッ○オフで掘り出した見っけモン☆ こんなに良い薫りのする本を安く買い上げてしまって、なんだか申し訳ない気がしてしまいます。もと文学少女、国文科出身者としては、青木玉さんのエッセイはぜひこれからも読んでいきたい★
     この本では、おかあさまである幸田文さんにまつわるエピソードを綴られています。

  • 筆者の母である幸田文・祖父である露伴の、着物にまつわるエピソード。
    筆者が幼いときから母親の他界するまで、長い時間にわたっている。
    まず、文章のちからは遺伝するのかと思ったほど、文章がうまい。小気味よい。文さんに似ていると思った。


    幸田文の自伝的小説「きもの」を読んでそこから想像していた文さん像と、娘さんの目に写る文さんの姿が似ていて、知っている人の思い出を聞いているような気持になった。

    着物を着ない人には実感が持ちづらいかもしれないが、着物をとおして人や物とどう付合うか、ということなので、知らなくても読めるのかも。

    文さんの話を聞くと、ものひとつひとつと、長くきちんと付き合おう、と改まった気持になるのだ。

  • 青木玉が幸田文の死後、残された着物の一枚一枚をめぐる思いを綴ったもの。 愛用の着物の写真とともに伝える。

  • 幸田露伴の孫、幸田文の娘、青木玉さんの作です。
    祖父の生前の様子、母の姿を、実際着ていた着物を通して描いています。
    向島の下町の、粋でテンポのいい会話の様子や、
    さすが作家親子の、ものを見る鋭い基準、
    というのがすごく参考になり、
    玉さんの控えめな人柄にも心惹かれます。

    着物好きにはおいしい本だと思います^^

  • 着物についてのあれこれを参考にするのももちろんいいのだけど、これは家族の思い出をうかがう時間だなあと思う。洗い張りまで自分でやってのける文のこだわりを真に受けてマネしても到底適いません。

  • 青木玉と祖父幸田露伴、母幸田文との着物にまつわる随筆。

    露伴については筆者はおぼろな思い出が多く、母から伝え聞いたものや、母による祖父の着物の納まりを書いたものが多い。この着物の納まりとは、着物を誂え着物が年をとってゆく末のことで、仕立てなおしたり、最後のほうは座布団になったりすることである。露伴の着物が座布団になり、それを座ってから知らされた客の尻の納まりが悪いなんてくだりはおかしい。そりゃそうだろうなと思う。

    祖父や母へのやわらかであたたかな思いが感じられ、その文章に触れているとこちらもおだやかでゆたかな気持ちになる。

    着物の話ばかりで着物好きの私は着物初心者ながら興味津々で楽しめたが、着物どっぷりの人はもっと楽しめるのではないだろうか。反対に着物に興味のない人にはなにがなにやら?かもしれない。しかしやわらかな筆致から当時の風景が垣間見られ、着物に興味のない人でも楽しめる・・・・と思う。

    文章からどんな着物なのだろう?と想像をめぐらしていると、ふっとその着物の写真や、当時の写真がはさまれる。消化不良にならないところもいい。

    幸田文の文章を読んだことがなかったのだが、強くあたたかくやさしい母の文の文章も読んでみたいと思った。

    ★コラム担当★ぴっぴ

  • 着物が普段着だった世代の方の話は、訊けば訊くほど溜息が。縞の着物があんなにきりりと、粋とは別の形で似合う人は果たしてあの時代、当たり前にいたのだろうか。

  • この本でずっと知りたかった着物の柄、幸田文とのエピソードなどが綴られてて、何回でも飽きる事無く読んでしまう。

  • 日本人の四季の感じ方、
    繊細さ、センスの良さを勉強できます。

  • イイオヨメサンになるためには………………………。

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