命 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101229256

感想・レビュー・書評

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  • 命の大切さを改めて感じたきがします。生きてることの素晴らしさや感謝の気持ちをほんとに忘れてはいけないと思いました。ここまで来るのに一生懸命になって育ててくれたお母さんやお父さんに感謝していきたいです。本当に感動しました。読んでいて泣いてしまう部分もありました。ぜひ読んでみてください。

  • これだけの文章が書ければ、もう十分だと思う。
    自らの身に起こったことを書く分には・・・

  • 命四部作、一作目。
    柳美里の文章は声だ。心の、魂の、語る声。
    こんなにも自然とまっすぐに心に染みてゆく文章は凄い。

    はじめ抱いていたこの書の印象と違った。
    もっと悪く言って暗い、人生のほの暗い不条理を垣間見る書かと思っていた。
    全然ちがう。
    どんなに暗くて見えなくても、道がなくても、歩く事ができなくても。
    それでも前へ、光を求めて、這ってでも進む。
    とても前向きで、心を照らしてくれる書。

    闘病という話が、今の私にはとても辛い話。
    だけど、そういう辛さよりも、より奮い立たせてくれる何かがあった。光の手。
    だから結果的にとても良い。闘病中の人や、その周りの人に、とても読んでもらいたい本。

    あとがきのリリー・フランキーの書評を読んだ瞬間、はりつめた糸が切れるように号泣してしまった。

  • 命 四部作 第一章。

    不倫相手との間に出来た子の妊娠・出産・育児。
    元恋人のガン発病・闘病。
    まるでその身を切り裂いた結果、紡ぎ出されたかのような言葉の数々。
    この世に生まれて来る命。この世から消え去る命。その狭間にある命。

    他人のものを奪うということ、他人の命を預かるということの重みを知った。

    この不倫相手の男が、どうしようもなく最低な奴で…。
    養育費は払わない、子どもの認知はしない、妻や世間にバレたら困るだの無茶苦茶な事ばかり言う最悪な男。
    そのせいか余計に、元恋人の人間としての徳の高さが光っているように感じられた。
    在日韓国人の彼女が歩んできた壮絶な人生も垣間見る事が出来た。…胸が痛んだ。

    リリー・フランキーの解説文がとにかく良かった。
    この解説と、元恋人の「生まれてくる子に7人の名前をプレゼントしよう。」という言葉に泣いた。

    ↓印象に残った箇所↓
    彼のことを考えると、哀しくなる。未練ではない。未練というのは、思いを切れないことだ。思いは、切った。なのに、なぜ、哀しくなるのだろう。なにがしかの感情が残っていなければ哀しくなどなるはずがない。(中略)だれかに求められ、必要とされ、選ばれるほどうれしいことはないし、だれかに疎まれ逃げられ棄てられることほど哀しいことはない。(中略)けれど、棄てられた哀しみよりも、手に入れることが不可能な幸福への憧れのほうが強い。
    (中略)幸福というのは、自分を説き伏せ納得させて実感するものではない。なにも考えなくても、感じるものなのだ。(中略)不幸というものは状態で、一度居座ったら動かすのは困難だが、幸福は状態ではなく、瞬間の中にしか存在しない。一瞬一瞬煌めいて消え去るもののような気がする。

  • 柳美里さんの体験手記。柳さんは不倫の末、妊娠。相手は「認知しない、養育費も払わない。でも子供には会いにいく」とか「認知して養育費を払うなら、子供とは会わない」とか、めちゃくちゃなことを言ってます(どうやらその世界では有名な人らしい)それで悩むと同時に、過去に付き合っていた恩師でもある、東由多加(舞台演出家)が食道癌であることも発覚する。妊婦とがん患者の二人は一緒に暮らしてお互いを支えることにします。死に行く命と、生まれ来る命の壮絶なお話でした。

  • 「どこを切っても鮮血がほとばしるような文章」― まさにそのとおりだと思います。これを読んだ後、柳さん自身現在どう過ごしているのかなとすごく気になりました。

  • これも読んでから時間が経っているのですが、感動する話です。彼女の人生に驚きます。本当に命について考えさせられる本です。

  • もっと順風満帆な人生を歩んでいる方だと勝手に思ってたので
    びっくりでした…
    親になるってすごいです!!

  • “生まれてくる命”と“死んでいく命”。

  • なんで?

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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