管見妄語 卑怯を映す鏡 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101248141

作品紹介・あらすじ

陰湿ないじめで一人の中学生が自ら命を絶った。見て見ぬふりをした教師、生徒たち。責任逃れに終始する教育委員会や学校――。まさに卑怯者のオンパレードである。社会も然り。政治家も、正義を振りかざし揚げ足を取るマスコミも、恥を知れ! 卑劣を悪(にく)む日本人の美徳は、一体どこに行ってしまったのだろうか。現代の病んだ精神を慧眼と独自のユーモアで明るみにする、痛快コラム集。

感想・レビュー・書評

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  •  日本人は「正しいことはいつも誰もが分かってくれる」と信じており、自らの正しさを大声で主張し宣伝するのは「さもしい」と思う。金銭をばらまくなどというのは最低の行為と思う。美しい誇るべき国柄だ。ただ、世界は日本人が考えるよりはるかに醜い。 藤原正彦「卑怯を映す鏡」、2015.6発行。鎖国を選択し細々と生きるのは、文化と文明の乖離、日本の戦略的地位から難しいのでしょうね・・・。アフガニスタンやミャンマーにも思いが及びました。
     第一次世界大戦は、300年暴威をふるった帝国主義の大清算。第一次だけでは足りず、第二次大戦を経てやっと終息。甘い夢をばらまいた共産主義も70年余り、多くの犠牲者を出した末、ベルリンの壁で清算された。リーマンショック以来の経済危機は、資本主義が大清算に入ったことを意味している。危機はまだまだ続く。今、清算されたはずの帝国主義と共産主義の復活を無謀に目論むロシアの暴挙と新型コロナ・ウィルスの嵐が・・・。

  • 歴史観には大きく頷き共感する。

  • 現在姫路文学館の館長でいらっしゃる著者
    ご自身も数学者で哲学者
    ご両親も奥様も皆すごーい!
    そしてユーモアと理論に売らずけられた痛烈な批判にうん、うんと頷かされる
    みんな、恥を知れ!卑怯は恥だ!と

    ≪ あの美徳 日本は忘れ 恥を知れ ≫

  • 20171121読了
    2015年発行。シリーズ三作目。
    P51国士は消えていく
    P54歴史知らずして誇り持てず
    P57祖父の麦藁帽子
    P72潔癖な日本の私
    P81「レッド・ライオン」の夜
    P87ふとん礼讃
    P99会津のすごい女性たち
    P131「不埒者退治」血風録
    P161はしたなくない国のはしたない私

  • 人生主旨一環,決して曲がること無き哲学を持って,目一杯の生を謳歌する.しかし,土台となる日本という根底の揺らぎに忸怩たる思いが募るのだろう….

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2020年 『本屋を守れ 読書とは国力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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