- Amazon.co.jp ・本 (782ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101250281
感想・レビュー・書評
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1人の少年の野球人生を綴った物語。雑誌版、単行本版、文庫本版、の三編収録。それぞれ微妙に異なる箇所があるが、物語に大きな違いはない。伊坂幸太郎の別の作品のような伏線回収による爽快感はない。ただ、三編読むことで1人の人生がループしているよう読後は感じた。
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“単行本版”、“雑誌版”、“文庫版”が収録されている“完全版”
そうとは知らず……(  ̄- ̄)←あらすじにちゃんと書かれているのに案の定読まなかった私
初めて読むのを“単行本版”だけで断念致しました、ごめんなさい。
作品が悪いわけではなく、私に“違いを楽しむ余裕”がなかったのです……
これは私のような図書館の返却期限に追われる人ではなく、時間にゆとりがあり、違いを楽しむことが好きな伊坂ファン向けだと感じました。
“野球”にここまで熱心になれる王求の周囲の人達(特に両親)がヤバかったです(笑) -
面白かったが、全部をしっかりと読めなかった。
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単行本、雑誌掲載、文庫本と3つのバージョンが全部入った完全版。
大きなストーリーや結末はすべて同じなので、長編の、同じ話を3回も読むのは、伊坂幸太郎が好きとは言えつらいものがあり、読むのに時間がかかった。
掲載の順番は、発表の順番ではなく、単行本、雑誌掲載、文庫本となっている。読み始める前は、なぜ発表順じゃないんだろうと思ったが、この順番でよかったのだと思う。単行本版は不気味でよくわからない感じがして、雑誌掲載版の方がすっきりしていていいと思ったが、最後の文庫本版が一番読みやすく、ストンとくるものがあった。 -
古本屋でたまたま手に取った一冊。巻末紹介にあるようにオーデュボンやラッシュライフみたいなでかいオチはないけれど好きな雰囲気でさらっと読めた。王求を筆頭にキャラクターに陰がある感じもマクベスを背景に"いい"と"わるい"の曖昧さに着目しているところもよかった。ひとまずマクベス読んでみようかな。
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3種類のバージョンを収録した何とも贅沢なファンへの贈り物。
贈り物というより拷問じゃないかと感じる人もいるでしょうね、はい。 -
単行本版、雑誌版、文庫本版の「あるキング」3部作。それぞれのストーリーに変わりはないが、作家の加筆訂正の跡を追っていくような感覚を楽しめる。調和を乱す者は悪として排他的に攻撃する世間。善を貫き通し生きていくことのままならなさに苛まれながらも小さく微かな救いの手に助けられていく主人公。生きていくことの幸せとか喜びを感じさせられもした。人に捨てられることもあるが、人によって支えられ生かされるということもある。背負わされていた重荷がすっと下ろされたような安堵を感じた。
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よくある努力物語ではなくて「そうなるべき」とプロ野球を愛する両親に確信を持って育てられ本当に超人的才能を持った野球選手となる。自分達の確信を何も疑わない山田家の3人の姿が異色で面白かった。“出る杭は打たれる”という言葉のように、傑出した才能があっても度合いが過ぎると逆に煙たがる、日本人の特色?みたいなのも描かれていたように感じた。雑誌版、単行本版、文庫版。同じ物語で異なる読み味があり良かった。本筋は変わらないので何日かに分けて読むといいかも。
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語り口は独特でおもしろい。
大物になることが最初から分かっているとどうしても意外性に欠けるなあと。