あるキング: 完全版 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (782ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250281

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  • 人は運命の奴隷。王も同じ。

    王座を約束された天才野球少年。
    待ち受けるフェアでファウルな獣道。

    「困難にぶつかったらなら、生まれた時の事を思い出すんだ」

    そして、打て!

    ゼロの日に漲る感情の光は、
    読者の運命さえ眩く照らす。

    次は、君の番だ。

  • 古本屋でたまたま手に取った一冊。巻末紹介にあるようにオーデュボンやラッシュライフみたいなでかいオチはないけれど好きな雰囲気でさらっと読めた。王求を筆頭にキャラクターに陰がある感じもマクベスを背景に"いい"と"わるい"の曖昧さに着目しているところもよかった。ひとまずマクベス読んでみようかな。

  • よくある努力物語ではなくて「そうなるべき」とプロ野球を愛する両親に確信を持って育てられ本当に超人的才能を持った野球選手となる。自分達の確信を何も疑わない山田家の3人の姿が異色で面白かった。“出る杭は打たれる”という言葉のように、傑出した才能があっても度合いが過ぎると逆に煙たがる、日本人の特色?みたいなのも描かれていたように感じた。雑誌版、単行本版、文庫版。同じ物語で異なる読み味があり良かった。本筋は変わらないので何日かに分けて読むといいかも。

  • 産まれる前からプロ野球選手になると決まっている少年の一生。
    無口で無表情で存在が超越していて近寄り難いと思いきや、たまに少年らしい部分を見せてくれた時はホッとする。
    私には縁のない天才の悩みを共有できた本でした。

  • 実に読み応えのある作品だった。
    単行本版だけ読んだ時は、若干戸惑いも感じたけど、シンプルな雑誌版、わかりやすくなった文庫版。3つ続けて読むことで、物語世界にどっぷりひたることができた。
    伏線を鮮やかに回収する作品もいいけど、こういった作品も、また、伊坂幸太郎の魅力だと思う。
    僕はとても気に入った。

  • 当初賛否両論だった作品。
    僕は好きだけどね!
    でもいつもに比べたら構成、スピード、会話の感じが違う。
    周りが作り上げる世界。良かった!

    8 / 10点満点中

  • 「フェアはファウル!ファウルはフェア!」

    「我を張れが変化して、がんばれだ。自分の考えを押し通せ!ってことかもな。」

  • 伏線回収のない伊坂幸太郎。これは好き。

  • 頑張れは我が張れ
    自分の思うことを貫くことだ。フェアだと思って走ること

  • 野球の王を宿命付けられた一人の青年の物語。
    雑誌、単行本、文庫本と3パターンの同一の話がまとまって入る。パターンを読み比べることで、作者の小説への態度が変わっていく様が手に取るように分かり面白い。
    マクベスの3人の魔女が登場するバージョンが、主人公の逃れられない運命をシニカルに表現していて、とても劇的だ。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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