不味い! (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101259413

感想・レビュー・書評

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  • ど真ん中直球のタイトルがインパクト強し。
    “このお店のナントカが大変おいしゅうございました。おもたせにも最適ですね”ということが延々と書いてある本の逆バージョンだと勝手に判断して、軽く読み始めたのですが、謝罪しなくてはなりません。
    もちろん、軽く読めて、普通の生活をしている私などにも「あるあるある!!!」と笑える章もバランスよく挟まれているのですが、「そんなもの食べるのか!不味いとわかってて食べる方が悪いんじゃないか?」と思われる(しかも、その度合いが半端ない)エピソードもあり。
    農学博士ならではの知識と分析、そして己を実験台にしての恐るべき探究心に頭が下がります。
    そして、『不味い!』モノも、決して残さず食する、食べ物に対する誠意も立派だと思う。
    まずい食べ物に対しての記述だけではなく、世界や日本の食文化、調理だけではなく、その元となる“水”についての話も良かった。

    虫・・・は、ちょっと凄かったです。


    不味い!を構成する要素。
    アンモニア臭
    未去勢牡牛の獣臭
    グルタミン酸ナトリウム(の入れすぎ)

    解説も面白かった。
    今度、解説の嵐山さんの本も読んでみようと思います。

  • カラスは線香臭い。小泉先生にそう言わしめる、カラス。すごい。

  • 不味さの正体を科学的に分析するのが面白い。
    著者の旺盛な好奇心には感服。写真が載っていなくて良かった。

    ただ、表紙の絵からして、笑える本だと思い込んでいたので、その辺は少しがっかり。
    嵐山光三郎氏の解説は笑えた。

  • 「不味い!」4

    著者 小泉武夫
    出版 新潮社

    p76より引用
    “あの口の中を刺すようなエグ味は、
    古くなった酒と蛇の成分と酸化された蛇の脂肪によるもの
    だったのである。”

    発酵学者である著者による、
    数多くの著者の食歴の中から厳選された不味い物を紹介する一冊。
    身近なラーメンから爆発する缶詰まで、
    おなじみの楽しい文体で書かれています。

    上記の引用は、
    不味い蛇の項の中の一文。
    二十年物の蛇酒を、
    水と間違えて飲んだ時の感想。
    その他の著作を読んでいると、
    この世に不味い物はないんじゃないかと思える著者ですが、
    そうでもないようです。
    他の著作でよく出てくる、
    シュールストレミングが今回も出てきます。
    やっぱり美味しくないと思いながら食べていたんだなと、
    同じ人間なんだなと少し安心する一冊です。
    普段の食事の美味しさを再確認するのに、
    読んでみると面白いのではないでしょうか。

    ーーーーー

  • 筆者の貪欲なまでの食を追求する姿勢に脱帽。

  • あそこの料理が不味い、というわけではなくて
    同じ商品、同じ原材料…なのに味が違う。
    そんなものを語った内容でした。
    ある意味、そういう状態かもしれませんがw

    呼んで納得。
    頷けるものは確かにありました。
    が、さすがにここまで繊細な舌はもっていないので
    ここまでは…と思うものもありましたが。

    知らないお店に入る時は、ひとが多いかどうか。
    空腹に負けて、そこを観察するのを忘れないようにしないといけません。

  • 不味いを論理的に考えて分析しているのが面白い。
    それは時代のせいか効率などを追求して不味くなったものや、単なる手抜き、珍味など色々あって、共感したりすることもあれば、驚かされることも多かった。
    ただ、自分はだいたいなんでもおいしく食べられる人間なので、著者の不味いというラインは少々低いような気がした。

  • なぜ不味いのかをいろんな方向から考察してて面白いなあ。

  • 著者が出会った数々の(不味いもの)の記録。

  •  例えば羊の血の腸詰だとか、そういった珍味的な不味いものも一応は取り上げられてはいるが、この本で一番にやり玉にあげられているのは、化学調味料たっぷりのラーメンだとか日常的に口にする不味さであります。
     特に獣の臭いがする牛肉と、冷凍・解凍に失敗してフニャフニャかつ青臭い魚肉。
     そこにはとても共感を覚えたが、同時に最近そういう不味さを経験していないことに気付く。いわば懐かしい昭和の「不味さ」といったところか。
     そしてそういう不味いものが少なくなってきたのは、質の変化ではなく誤魔化し技術の進化ではなかろうかと訝しむ。

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著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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