薔薇窓 下巻 (新潮文庫 は 7-15)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 153
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101288154

作品紹介・あらすじ

貴婦人の誘惑は執拗さを増すが、ラセーグは無視した。が、彼に好意をもつ先輩警視の妹が殺害されるに及び、貴婦人の関与を確信する。連続失踪事件で日本人少女も巻き込まれていたことが分かり、ラセーグは、それらと似通った過去の猟奇的事件を調査する-。優雅なパリの街並み、そこに集う人々との温かい交流を描きつつ、驚愕の事件を推理する精神科医の心情に迫ったミステリー・ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー仕掛けの恋愛小説という評がありました 
    併せて、1900年のパリの情景を感じます
     
    あのルノワールが描いたモンマルトルの丘にあるダンスホール〈ムーラン・ド・ラ・ギャレット〉がこの小説の一面だとしたら、パリが羨ましくなります

  • セピア色のパリ

  • 外国から見た日本が描かれていて面白かった。ミステリーとしてのドキドキ感は、物語が割とゆっくり進んでいく中でじわーっと感じ、現代と異なり、電子化されていない様々な事柄からゆっくりじっくり解明していく様子が楽しめた。
    最後に音奴と結ばれるところは、薄々わかってはいたが、ロリコンを感じさせて、少し気持ち悪く感じた。

  • 2000.01.01

  • 上下巻の上巻は帚木蓬生らしくどんどん引っ張られていく。が、下巻からは表現が饒舌に過ぎ、謎解きを超え、パリ、日本のスパイスが、人物が説明になってしまった。せっかくのミステリーが余韻の無いないものになってしまい、大好きな作家なだけに残念。

  • 事件そのものよりも取り巻く人間関係の描写が丁寧なため、サスペンスとは異なる物語を読んだ読後感がある。著者の海外経験が街並みの描写を大きく助けており、馴染みの無い風景にもすんなり入り込める。

  • 2012.3.4(日)¥250。
    2013.7.20(土)。

  • レビュー

  • 「元々役人には夜郎自大の傾向があったが、日清戦争に勝って、ますます尊大になった」
    「異文化でも良いものには拍手を惜しまない審美眼」


    テュレンヌ通り、チュイルリー通り、リボリ通り、サンシャペル(薔薇窓)、裁判所、オテル・デュー病院

    口吻(こうふん)、ダンフェール・ロシュロー広場(座っているライオンの像)ポン・ヌフ、ポン・デザール(鍵のいっぱいつけられた歩行者専用の橋)、

  • 1900年台初頭パリを舞台にしたミステリー。当然事件がおこり、犯人を割り出すという展開なのですが、話はどちらかと言えば、フランス人から見た当時の国際感、精神科の深い知識をベースにした恋愛小説のような不思議な感覚。
    箒木氏の小説はこれで2冊目ですが、知識欲をそそられ、でもミステリーの要素を持った作風には惹かれるものがあります。

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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