男どき女どき (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101294049

感想・レビュー・書評

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  • 2013.2.14読了

    独りを慎む

  • 反芻旅行というエッセイに描かれた向田邦子の母親の姿に、なんだか泣きそうになった。

    私はマザコンなんでしょうか?

  • 短編と随筆と

  • なにげない小物が、ダイナミックに、物語全体に掛かるのが見事。流れるような語りにつられて、自分まで心の引き出しを開けたくなる

  • はじめてこの人の書く小説を読んだ。
    わたしもあと10年、20年経ってこの小説の主人公の年齢になった時にはこういう悩みを、思いを抱えるのだろうか。ふいに恐くなった。それは「女性」特有の憂いであり気持ちであったからだ。こんなに「女性」を理解した人は稀有である。

    自分の弱さを認めている人。それでいて、その弱さを人のためになるだろうという傲慢からではなく、純粋な優しさから読者に提供している人。なんて潔いのでしょう。

    匂いが立ち上る花のような文章。どこまでも人の深さと人生の味わいを教わる。
    後半はエッセイとなっていた。「一生懸命である」ことは掛け値なくすばらしいし、ちっとも恥ずかしいことではない。でも、面白さ半分、楽しさ半分を忘れて、ただ「一生懸命」なまま進んでいると、いつの日か折れてしまうのでなかろうか。この人はそれをよく知っている人だった。だからこそこんな文章が書けたのだろうな。格好良くて日本の女性の鏡だと思う。

    向田邦子を読むには温かいほうじ茶がよく合う。

    (20120503)

  • 20120401 怖くなる短編。もっとたくさん読みたかった。

  • 小説とエッセーがまじった文庫本。

    自分が一度は経験した感情やみたことがある一瞬のシーンをうまく文章にして思い出させてくれる。
    経験して感じたことを、うまく文章で表現して、人にそのことを想起させる技術はすごい。文章に無駄な比喩がない。

    突拍子もないネタや結末で読者を驚かせる本が氾濫しているが、心になんともいえない感情を引き起こす人生の悲喜こもごもをうまく使って、私に物思いにふけるような感覚を味あわせてくれます。

  • ※コメントは本書に収録の【ビリケン】についてです。
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    毎朝、通勤途中で顔を合わせる果物屋の主人、挨拶もしたことがない相手。息子の万引きから30年前の自己の過去がよみがえる。
    次第に自分を追い詰めていく心境を見事に描写!

    【鹿児島大学】ペンネーム:平凡な人
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    鹿大図書館に所蔵がある本です。
    〔所蔵情報〕⇒ http://kusv2.lib.kagoshima-u.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?fword=11111051184
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  • 収録作のほとんどは読んだことがあった
    →巻末を見ると没後に編集されたものとわかる。

  • 面白い。
    読んでいて古くささを感じないのは、男女の駆引きや人情はいつの時代も変わらないということなのかもしれない。
    たくさんの短編とエッセイが入っているこの本は、様々な気付きを得られる本だった。
    例えば「独りを慎む」という言葉には重みがある。
    独りだからこそお行儀を良くしなくてはならない。
    ボロが出てしまうという危機管理能力の大切さを説いているような気がした。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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