関ヶ原連判状 下巻 (新潮文庫 あ 35-5)

著者 :
  • 新潮社
3.93
  • (8)
  • (9)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 73
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101305158

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 平成25年5月20日読了。

  • 下巻に入ると物語が面白くなり、★5。田辺城に籠城する細川幽斎の企み、連判状の驚くべき内容、石田三成の必死な淀殿への工作、多門の活躍が描かれる。関ヶ原の戦いにからむ時代小説だが、スパイ小説としても面白い。石田三成のために工作する西洞院時慶の無能な悪党ぶりが愉快。夢丸、春光、麝香などの脇役のキャラも立っている。古今伝授からこれだけの物語を生み出す筆者の想像力はすごい。

  • 面白かったです。
    連判状って実際にあったのでしょうかね~。
    その観点からと古今伝授を絡ませた感じが良かったです。
    最後は少し駆け足に感じましたが。

  • すごく…幽斎無双です…
    歴史小説では珍しい武闘派な石田治部と大谷刑部のやり取りが良かった。

  • 全国に波及した関ヶ原の戦いの中で数万を数える西軍釘付けにし善戦した城がいくつかありますが、その中のひとつで他の戦とやや毛色を異にする田辺城の戦いを題材に、それが実は幽斎の策謀で…という話。石堂多門というかつて織田に滅ぼされた一族の生き残りを主人公に置き、古今伝授を巡り、朝廷をも巻き込んでの話はとても地方戦のひとつで片付けるには片付かないほど壮大なものです。「風の如く水の如く」同様、加賀への使い、ガラシャたちの死、古今伝授、土壇場の大どんでん返しなどなど山場が数多く用意されていて上下巻ですが、一気に読みきれるのではないかと思います。私的一番の見所はやはり上巻の千丸のくだり。もうただただ切ないんですが、これがなければ話が成り立たんくらい大きな存在なのですよ。
    この話でもやはり石田さんは被害者だと思います。ただし、かなりカッコ良い感じというか弁護もされてる感があるのですが、関ヶ原を題材としてしまうとやはりこうなりますよね。なんか企む幽斎さんは勿論、漢らしい石田さんを見たい方にもオススメ。

  • ついに兵は動き始めた。石田三成方の軍勢に居城・田辺城を囲まれた細川幽斎は、籠城に耐えつつ朝廷からの使者を待つ。その秘策は「古今伝授」を楯に取り、朝廷から和議の勅命を印き出すこと…。さらに幽斎にはもう一つの切り札「連判状」があった。そこに名を連ねる大名とは、いったい誰なのか。果して幽斎の「天下三分の計」は可能なのか?前人未到の「関ケ原」を駈ける意欲作。

    2009.7.17読了

  • 丹後の古狐幽斎vs佐和山の狐三成。登場人物がみな魅力的。善悪・敵味方の片面だけではない、各々の事情を絡めた展開に最後までグッと引込まれました。更にさりげない終わり方が全ては過ぎ行く、という感じで涙でした。面白かった!

  • 隆氏の影武者徳川家康に匹敵する、戦国末期から江戸初期の時代を取り扱った傑作。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安部龍太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×