冬を待つ城 (新潮文庫)

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101305271

感想・レビュー・書評

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  • 史実の九戸政実の乱を中心に神話と推理要素もある内容で読み応えがありました。日本史における東北の不遇さを理解させることで、政実が豊臣と戦う理由に共感が得られやすくなっています。後半からは読みやすく感じました。そして石田三成は主人公との関係具合によって小説での描かれ方が全く異なると改めて思いました。笑

  • 安部龍太郎さんの作品を読んだのは初めてでしたが、楽しめました。
    東北の古い歴史とも繋がる壮大で武士の熱さ溢れるいい作品でした。
    九戸政実の乱を描いているので南部、津軽、秋田、松前、大崎、葛西、伊達、蒲生などの大名に興味のある方や九戸政実、実親の生き様にも興味があればおすすめ出来ます。
    1人1人が生き生きと描かれている良作だと感じました。
    次は「等伯」か「神々に告ぐ」を読んでみようと思う。

    2021/8 文庫本

  • 太古の東北より脈々と受け継がれている意志を受け継ぐ九戸政実とその兄弟が、利に走り東北の民を、その誇りを穢そうとする企みに命を懸けて立ち向かう。

    惹句を書くならこんなところか。

    話の流れは決して嫌いでは無いのだが、東北に住む人間としては物語をルサンチマンの中に沈めたくはない。
    それは未来へ続かない。
    そんなものが無くても俺はやっていける。

  • 戦国時代の事柄の中で自分が知らなかった戦いを扱っていてとても興味を持った。
    九戸兄弟の四男、政則の視点から描かれておりストーリー展開もテンポ良く引き込まれていく。
    様々な出来事に対して九戸の長男、政実の思慮深く緻密な策略を建て挑んでいく姿は凄いと思わされる。
    多少神秘的な箇所があまりしっくりこない感じがしたので、もう少し工夫があればと思う事と、言葉や表現が歴史小説特有な物になると重みが増すと感じた。

著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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